FordやWayfairも効果を実感
自動車大手とネット家具店は「Slack」で社内の信頼関係をどう築いたか
ビジネス界のリーダーたちは言う。社員間の信頼を築きコラボレーションを支援するため、企業の経営陣はコラボレーションツールの「Slack」を導入すべきだと。
Slack Technologiesの「Slack」は一般的な職場向けのメッセージングおよびコラボレーションツールだ。これを使用すると組織間、グループ間、さらには会社とサプライヤー/パートナーとの間のオンラインチャットができる。Slackはチームが製品戦略やその他の問題を非公式に議論するのに役立つ。ただしCEOなど企業幹部は、そのチャットに参加するのをためらうことがある。
併せて読みたいお薦め記事
コラボレーションツールが会社を変える
Slackにまつわる最新記事
Slackの効果的な使い方
2019年4月にSlack Technologiesが開催したカンファレンス「Frontiers 2019」で、大手自動車メーカーFord Motorと家庭向け家具販売サイトを運営するWayfairの経営幹部は、従業員がSlackの使用に前向きになる方法と、Slackを効果的に使用する方法について説明した。
Fordのエグゼクティブモビリティディレクターであるラウル・シン氏によると、同社ではSlackを導入したことで、より活気のある職場が生まれた。シン氏は「従業員は、異なる地域やチームをまたがって、これまでになかった方法でつながっている」と説明する。
Slackのチャンネルに参加することで「チームがさまざまなことで苦労していることを知ることができる」とシン氏は述べる。「チャンネルにアクセスできないと重要なものを見逃してしまい、その間に他の人が先にその価値を知ることになる」(同氏)
より快適にSlackを使用できた方がいいのは、幹部チームも同様だ。「幹部チームへのSlackの導入はまだ進行中だが、間もなく完了する」とシン氏は述べる。
Slackのシニアカスタマーサクセスマネジャーでパネルディスカッションのモデレーターを務めたシェリー・ローゼンクランツ氏は、幹部が最初にSlackを使い始めるときに戸惑いを感じる可能性を指摘する。チャンネルに参加してメッセージが表示されたら、返信すべきなのかどうか、といった戸惑いだ。
他のメッセージングツール同様に、絵文字はSlackのチャンネルでもよく使用されている。これを幹部が使うのは抵抗があると、ローゼンクランツ氏は言う。「ダンスペンギン絵文字はどのような場合に使用するのか――といった疑問が浮かぶ」(同氏)
「AMA」を使用した経営陣の信頼関係の構築
Slackの一般的な用途の一つに「AMA(Ask Me Anything:何か質問ある?)」がある。全従業員または組織の特定の部分を対象に、AMA専用のチャンネルを設定する。Slack Technologiesはユーザー企業に対して、エンドユーザーがSlackに慣れるために、このAMA用チャンネルを一定期間利用することを推奨している。
「AMAは、経営幹部がリアルタイムで従業員とコミュニケートするのに最適な方法だ」と、Wayfairのインターナショナルコミュニケーション戦略マネジャーであるクリスティーン・ゲイヤー氏は語る。
ゲイヤー氏とそのチームは、会社の幹部とのディスカッションを円滑に進めるための質問の要点リストを作成した。他の幹部との間では、AMAを現在、毎月計画している。ゲイヤー氏によると最近、商品担当役員とのAMAの後で、参加した新入社員の1人が、商品担当役員がどれほどクールで愉快だったかをダイレクトメッセージで伝えてきたという。
「社内には多くのZ世代(2000年前後生れの世代)の従業員がいる。この世代の従業員と同じようにクールになるのは難しいが、AMAの利用による成果は大きい」とゲイヤー氏は述べる。
ゲイヤー氏は、オープンで非公式なコミュニケーションの重要性と、こういったコミュニケーションが信頼関係の確立とチームの結束にいかに役に立つかを強調する。
一方、Fordは、シン氏がSlackを使用してプロジェクトに関するフィードバックサイクルを短縮している。「フィードバックサイクルの短縮は、職場における目標の一つだった」と同氏は述べる。
シン氏はサイクルの短縮のために、スタンディングミーティングでもクイックコードレビューでも実践する。「Slackを利用すれば、完璧なレポートの完成を数カ月待つ代わりに、即座にフィードバックを得ることができる。Slackを使用して確立した信頼関係は、対話の透明性を高めるのにも役立つ」と同氏は述べる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー