“ゲーム人気”は攻撃者にも
「ゲーム業界狙いのWeb攻撃」がコロナ禍で活発化 最も多かった攻撃は?
コロナ禍の中で人気を博しているゲームは、サイバー攻撃の格好の標的となっている。どのような種類の攻撃が目立っているのか。Webアプリケーション攻撃に絞り、調査結果を基に実態を探る。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)による外出制限の中、2020年の世界のゲーム業界は活況を呈した。その半面、ゲームを狙ったサイバー攻撃も活発化。CDN(コンテンツ配信ネットワーク)やクラウドセキュリティを手掛けるAkamai Technologiesの調査によると、ゲーム会社に対するWebアプリケーション攻撃は、2020年に約2億4000万件を記録した。
データベースを狙う“あの攻撃”が約6割、続いて……
種類別でみると、最も多かったのは「SQLインジェクション」の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用した攻撃だ。SQLインジェクションは、データベース言語であるSQLで不正な命令を実行可能にする脆弱性であり、攻撃者はこれを悪用してデータベースを操作する。Akamai Technologiesの調査によると、SQLインジェクションを悪用した攻撃は2020年に1億5000万件弱におよび、ゲーム会社に対するWebアプリケーション攻撃の59.10%を占めた。
SQLインジェクション攻撃に続いたのが、ローカルに保存されたファイルの不正な読み込みを可能にする脆弱性「ローカルファイルインクルード」を悪用した攻撃だ。Akamai Technologiesの調査では2020年での発生件数は5000万件以上となり、ゲーム会社に対するWebアプリケーション攻撃の23.78%を占めた。他の攻撃としては、Webサイトに不正なスクリプトを挿入可能にする脆弱性「クロスサイトスクリプティング」(XSS)の悪用が7.54%、遠隔から標的のサーバで任意のコマンドを実行可能にする脆弱性「リモートファイルインクルード」の悪用が6.89%の割合でみられた。
Akamai Technologiesの調査は、PC向けゲームに加え、モバイルデバイス向けゲームも相次いで攻撃された事態を浮き彫りにした。攻撃者はユーザーがキャラクターの強化アイテムやレベルアップの資格を購入できるゲームを狙い、課金システムを悪用してお金を盗み取った。フィッシングによってゲーマーのログイン情報や位置情報を不正入手し、犯罪者市場で売る攻撃も活発だったという。
ゲーム会社では2020年、流出したユーザー情報を利用して自動的にあらゆるWebサイトへのログインを試す「クレデンシャルスタッフィング攻撃」が110億件弱発生したことが、Akamai Technologiesの調査で分かった。1日当たり数百万件のペースで発生し、1日で1億件を超える日もあったという。Akamai Technologiesのセキュリティ研究者で今回の調査を担当したスティーブ・レーガン氏は、「クレデンシャルスタッフィング攻撃を防ぐためには、パスワードマネジャー(パスワード管理ツール)や多要素認証(MFA)といったツールの採用が有効だ」と説明する。
調査会社Newzoo Internationalによると、世界のゲーム業界は2021年、売り上げ規模が1780億ドルを超える見込みだ。Akamai Technologiesはパンデミックの中、ストレスを発散したり、自宅にいながら他の人との交流を楽しんだりするといった目的で、ゲームの人気は今後も絶えないとみている。その状況下、ゲームは引き続き攻撃の標的になりやすく、強固なセキュリティ対策が欠かせないと指摘する。
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