「5G」でスマート工場は進化【第1回】
AIやIoTだけじゃない 注目のスマート工場の新たな「原動力」とは
製造工程に自動化を取り入れるスマート工場は進化している。その切り札になるのは「5G」の活用だ。FordやVolkswagen、Mercedes-Benzの取り組みはどれだけ進んでいるのか。
「インダストリー4.0」(ITによって製造業の変革を目指すこと)を掲げ、AI(人工知能)技術やIoT(モノのインターネット)を活用して自動化を図るスマート工場が登場した。このスマート工場の進化を目指し、製造業は高速通信ができる「5G」(第5世代移動通信システム)の導入に取り組んでいる。
調査を専門とする非営利団体Economic Strategy Instituteの上級研究員、ロバート・コーエン氏は2021年10月に開催されたオンラインカンファレンス「ONUG Fall 2021」で講演した。コーエン氏はFord Motor、John Deere、Mercedes-Benz、Volkswagenを例に取り上げ、5Gによってネットワークを強化してスマート工場のイノベーション(技術革新)を追求する取り組みを紹介した。
専門家が語る「オンプレミスに5Gがもたらす恩恵」とは?
5GはSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)の他、ネットワーク機能の仮想化(NFV)やネットワークスライシング(ネットワークを仮想的に分割する技術)などの技術進化を促している。コーエン氏は、この進化は「オンプレミスのシステムに5Gネットワークを導入する企業に恩恵をもたらす」と指摘する。特に、自社専用の5Gネットワークを構築する動きが広がっていることから、製造業と電気通信事業者の提携が活発になっていると同氏は言う。
SDNはネットワークを「アプリケーション」「インフラ」「制御」の異なるレイヤーに分割する。こうして各レイヤーに分割することで、企業はネットワークを細かく制御し、多様な要件に合ったシステム構築ができるようになる。「4G」(第4世代移動通信システム)でもSDNの利用は一つの選択肢になるが、5Gではもはや不可欠になっている。
5Gネットワークを使う企業の大半はSDNでネットワークを構成し、管理と監視の手法を強化している。ネットワークを各レイヤーに分割することで、それぞれのレイヤーの状況を把握できるようになり、ネットワーク全体の可視性が向上する。
第2回は、NFVとネットワークスライシングの活用を考える。
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