MicrosoftのCEOが語る「これから必要な技術」【第3回】
MicrosoftがデータベースからAIまで「Azure」に集める“真の狙い”は何なのか?
Gartnerの予測によれば、2025年までに世界のデータの10%がGenerative AI(生成AI)モデルによって生成されるようになる。このような未来では、データをどのように扱う必要があるのか。
MicrosoftのCEOサティア・ナデラ氏は、2022年11月中旬にシンガポールで開催した、開発者やスタートアップ企業向けのイベントに登壇し、アジア太平洋地域におけるクラウドコンピューティングの展望について講演した。
同氏はまず、データ基盤(データの保管、分析などに必要な技術やシステム群)とAI(人工知能)技術に言及。「2025年までに世界のデータの10%が、画像や文章、プログラムといったコンテンツを生み出す生成AI (ジェネレーティブAIとも)モデルによって生成されるようになる」という調査会社Gartnerの予測を紹介した。
Microsoftが思い描く「最高のデータ基盤」とは
併せて読みたいお薦め記事
連載:MicrosoftのCEOが語る「これから必要な技術」
Microsoftの最新動向
生成AIモデルがさまざまなデータを生み出す変化の延長線で、堅固なデータ基盤を必要とする新しいアプリケーションが生まれるとナデラ氏は指摘する。「データに関するさまざまなシステムをつなぎ合わせるのではなく、データファブリック(異なる場所に点在するデータを一元的に扱うアーキテクチャ)を検討すべきだ」(同氏)
ナデラ氏はデータファブリックの構築を検討する際の一例として、Microsoftのマネージド型データベースサービス「Azure Cosmos DB」を挙げる。これはNoSQLとリレーショナルデータベース(RDB)を扱える。同氏は「Azure Cosmos DBとマネージド型データベースサービス『Azure SQL Database』を組み合わせれば、最高のオンラインデータベースが誕生する」と強調する。同氏はそれに加えて「クラウドDWH(データウェアハウス)の『Azure Synapse Analytics』にリアルタイム接続したり、統合データガバナンスサービス『Azure Purview』で一元管理したりすることも可能だ」と説明する。
ナデラ氏はシステムをクラウドサービスに移行させることについて、このように強調する。「物理サーバをラックに積み重ねる必要はなくなる。Azureのデータ基盤を利用すれば、無限のデータ資産を持てるようになる」
データ基盤を整えたら、大規模なAIモデル構築を開始し、作成したAIモデル群をアプリケーションやサービスと連携させることができるようになる。MicrosoftはAI技術ベンダーOpenAI製のAIモデルを使用できるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)サービス「Azure OpenAI Services」を提供しており、「AIモデルを一から構築する必要はない」とナデラ氏は強調する。
第4回はMicrosoftのセキュリティ対策に関する方針について紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー