AzureやMicrosoft 365はなぜ売れるのか? 勢いが止まらない理由“クラウド依存”が進むMicrosoft【第3回】

Microsoftは「Azure」や「Microsoft 365」などのクラウドサービス事業で高い成長を遂げている。同社のクラウドサービスの売上高が向上した要因とは。

2022年09月06日 08時15分 公開
[Ed ScannellTechTarget]

 Microsoftは2022年度第4四半期(2022年4月〜6月)の決算を発表した。同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」の売上高は、前年同期(2021年4月〜6月)と比べて40%増加し、同社の成長を後押ししている。

 Azureに加えて、Microsoftのサブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」も成長を続けている。オフィススイートの「Microsoft Office」製品・サービス群のうち、企業向け製品・サービスの売上高は前年同期と比べて9%増加し、コンシューマー向け製品・サービスも同様に9%増加した。一般消費者向けのMicrosoft 365のサブスクリプション契約者数は2022年第4四半期に5970万人に到達した。

だからAzureやMicrosoft 365は売れまくる

 「ミッションクリティカルなアプリケーションをAzureに移行する顧客が増えている」と、Microsoftの最高経営責任者(CEO)、サティア・ナデラ氏は述べる。例えば航空会社のAmerican Airlinesは、業務システムのインフラとしてAzureを採用した。通信会社Telstraも2023年度第1四半期(2022年7月〜9月)に業務アプリケーションをAzureに移行させる。

 Microsoftの最高財務責任者(CFO)兼エグゼクティブバイスプレジデントを務めるエイミー・フッド氏によると、2022年度第4四半期に、大口の長期契約数が過去最高を記録したことも、Azureの売上高拡大につながった。フッド氏は決算説明会で「好調だった前年度と比較しても、商用契約数は予想を上回る成長率を達成した」と強調。Azureの1億ドル以上の契約と、Microsoft 365の1000万ドル以上の契約が順調に進んだことが、同四半期の好記録を実現したと説明した。

 フッド氏によると、Microsoftのクラウドサービスを担当する「Intelligent Cloud」部門の売上高は、前年同期と比べて20%増の約209億ドルとなり、サーバとクラウドサービス全体の売上高は前年同期と比べて22%(為替レート変動の影響を排除すると26%)増加したという。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news167.jpg

企業の生成AI活用 なぜ日本は米国に追い抜かれたのか?
PwC Japanグループは日米両国で実施した「生成AIに関する実態調査」を基に、日本企業と米...

news012.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年10月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news167.jpg

堀江貴文氏のラジオ局と業務提携 売れるネット広告社がマス媒体に進出
売れるネット広告社は、実業家の堀江貴文氏が代表取締役会長を務める福岡県のラジオ局CRO...