ガバナンス強化への期待が鮮明に
AIに任せちゃいけないワークフロー第1位は? 現場の本音から探る「人とAIの境界線」
ワークフローのAI代替可能性について尋ねた調査によると、AIが委任していい機能のトップとして「申請内容の自動チェック・不備検出」が挙がった。では、”AIに委任させたくない機能”として挙がったのは何か。
「生成AIを業務に活用しているが、どこまでAIに任せるべきか分からない」――。こうした悩みを抱える情報システム部門(以下、情シス)やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進担当者は少なくない。
ソフトウェアベンダーのエイトレッドが実施した調査によると、生成AIを利用している情シス、総務、DX推進担当者の71.6%が「承認・決裁プロセスそのものは生成AIに任せるべきではない」と考えていることが分かった。一方で、申請内容のチェックやデータ入力といった定型業務については生成AI活用への期待が高く、「生成AIに任せる領域」と「人が担う領域」の線引きが明確になりつつある実態が浮かび上がった。
生成AIに任せたい業務、任せたくない業務は?
本調査は2026年5月、生成AIを業務で利用した経験があり、ワークフローシステムの導入・運用に関わる情シス、総務、DX推進担当者109人を対象に実施したものだ。
「生成AIで代替/自動化しても問題ないと思うワークフロー機能」を尋ねたところ、最も多かったのは「申請内容の自動チェック・不備検出」(58.7%)だった。続いて、「申請データの自動入力・転記」(46.8%)、「過去の類似案件の検索・参照」(45.9%)が並んだ。
一方で、「決裁の自動化」を選んだ人は16.5%にとどまった。生成AIは入力支援やチェック業務には適しているものの、最終判断を委ねることには慎重な姿勢を取る担当者がいることが分かる。
「承認・決裁プロセスそのものを生成AIに任せるべきではない」と回答した人は71.6%に達した。
「ブラックボックス化」と「責任の所在」が最大の懸念
では、なぜ生成AIに承認や決裁を任せることに抵抗を感じるのか。その理由を聞いたところ、最も多かったのが「生成AIの判断根拠がブラックボックスで説明できないから」(62.8%)だった。続いて「承認・決裁には人間としての責任が伴うから」(57.7%)、「生成AIが誤った承認をした場合の責任の所在が不明確だから」(37.2%)が上位を占めた。
企業の承認・決裁は、単なる業務処理にとどまらない。予算の執行や契約締結、人事異動など、組織としての意思決定そのものを意味する。生成AIが誤った判断を下した場合、「その責任を誰が負うのか」という議論を避けて通ることはできない。
自由回答でも、「100%間違えない保証がない限り人間の確認が必要」「生成AIのアルゴリズムを悪用した不正が発生する可能性がある」「決裁の理由を人間が説明できなければ組織として成立しない」といった声が寄せられている。
AI時代だからこそワークフローの価値が高まる
興味深いのは、生成AIに対する慎重な姿勢がワークフローの価値低下につながっていない点だ。
生成AIの進化によってワークフローの存在価値が「向上している」と回答した人は67.9%に達した。
その理由として最も多かったのは、「全社共通の承認基盤として部門ごとのばらつきを防げるから」(52.7%)だった。次いで、「生成AI活用が進むほどガバナンスや統制の仕組みが重要になるから」(44.6%)、「生成AIと連携することでワークフローシステム自体の利便性が向上するから」(39.2%)が続いた。
この結果からは、多くの担当者は生成AIによる業務効率化を歓迎しながらも、組織としての判断プロセスや監査証跡を管理する仕組みはこれまで以上に重要になると考えていることがうかがえる。
理想は「AIが支援、人が最終判断」
調査からは、ワークフローと生成AIの連携が必ずしも活発化しているわけではないことも明らかになった。
ワークフローと生成AIの連携状況を見ると、「関心はあるがまだ着手していない」が32.1%、「検討していない」が14.7%で、合計46.8%が未着手だった。
今後ワークフローシステムに求める機能としては、「生成AIによる申請内容の自動チェック、エラー検出機能」(54.1%)が最多だった。承認ルートの最適化提案や申請書作成支援など、意思決定を補助する用途への期待も高い。
今後望ましい人とAIの関係については、「低リスクな定型案件のみ生成AIが自動承認し、人は事後確認と例外対応を実施する」が43.1%で最多となった。完全自動化よりも、「AIが処理し、人が監督する」形が現実的な落としどころとして支持されている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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