WindowsアプリをMac、iOS、Androidへ配信
仮想デスクトップにも低価格の波、Parallelsが最大手2社に挑戦状
買収によってアプリケーション配信市場に参入するParallelsだが、デスクトップ仮想化ベンダーとして不動の地位を築いているCitrix SystemsおよびVMwareとの競争には多くの課題が付いて回る。
IT担当者は、CitrixやVMwareのアプリケーション配信テクノロジーだけでなく、新しい安価なリモートデスクトップ/アプリケーション配信ツールも選択肢として選べるようになった。
米Appleの「Mac」ベースの仮想化ソフトウェアを提供するParallelsは、2015年2月末にマルタのアプリケーション配信/モバイルデバイス管理(MDM)ベンダー2X Softwareを買収した。なお、買収額は公表されていない。
Parallelsは、各種デバイスがデスクトップにアクセスできるようにする製品を提供している。「Parallels Desktop for Mac」を使用すると、再起動なしにMacで米Microsoftの「Windows」が実行できる。一方、「Parallels Access」を使用すると、Appleの「iOS」と米Google「Android」モバイルデバイスからWindowsデスクトップにアクセスできるようになる。また、Microsoftの「System Center 2012 Configuration Manager」(SCCM)でMacを管理するためのSCCMプラグインも用意している。
2X Softwareの買収によって、アプリケーションを発行してリモートデスクトップやVDI(仮想デスクトップ基盤)をあらゆるデバイスに配信する製品「Remote Application Server」(RAS)が同社の製品ラインアップに加わった。RASには、ワークロード分散、リアルタイムの監視、ユニバーサルな印刷/スキャンなどの機能が搭載されている。2X Softwareの製品ラインアップにはMDM製品がある。これは、導入済みの2X Softwareの製品を補完するものとして導入することも、企業や従業員所有のデバイスを管理するスタンドアロンのMDM製品として導入することもできる。現在これらの製品はParallelsから購入できる。
RASを「『Citrix XenApp』の簡易版」と表現するのは、米ITサービス企業Entelechy Associatesで仮想化アナリストを務めるサイモン・ブラムフィット氏だ。
また、米Forrester Researchでアナリストを務めるデイビッド・ジョンソン氏は、2X Softwareのような企業の買収に踏み切ったことはParallelsにとって大変理にかなっていると話す。
「ParallelsのポートフォリオにはVDI製品がなく、2X Softwareは安価なVDIプラットフォームベンダーとして差別化要因を持っていた。Parallelsにはデジタルワークスペース製品のポートフォリオを完成させるために2X Softwareの製品が必要だった」(ジョンソン氏)
2X SoftwareのRASは同時接続ユーザー(CCU)ライセンス1個につき75ドルで、最低購入数は15ライセンスとなっている。一方、XenAppの1CCUライセンスは350ドルで、VMware「Horizon Advanced」の1CCUライセンスは400ドルだ(Horizon Advancedでは、リモートデスクトップセッションホスト、リモートアプリケーション、vSANのサポート、VDIが提供される)。
MacでWindowsを実行するテクノロジーについて、VMwareは「VMware Fusion」や新製品の「VMware Horizon FLEX」、Citrixは「DesktopPlayer for Mac」や「GoToMyPC」などを提供している。
Parallelsと2X Softwareが勢力を広げようとしている分野においてCitrixとVMwareは2大巨頭として君臨している。両社は2014年に仮想化製品のポートフォリオを完成させている。VMwareは「Horizon 6」でアプリケーション配信機能を強化し、Citrixはストレージ仮想化技術を手掛ける米Sanbolicなどを買収している。
Parallelsのような企業は価格とパフォーマンスの点でVMwareおよびCitrixと戦えるとジョンソン氏は見込んでいる。
「エンジニアリング企業や設計企業などをターゲットにすれば、Parallelsはワークロードのパフォーマンスを一定のレベルまで向上できる。勝てるところで戦いを挑むのが賢明だろう」
Parallelsが不利なのは、VMwareやCitrixが持っているような広範囲にわたる包括的な製品スイートがない点だ。VMwareとCitrixはどちらも機能豊富なエンドユーザーコンピューティングスイートを提供している。具体的には、VMwareは「AirWatch」、Citrixは「XenMobile」で完全なエンタープライズモビリティ管理プラットフォームを実現している。
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