紙・Excel中心の経理業務を刷新
17日かかった請求処理が7日に 東洋エンジニアリングが導入した経費DXとは
東洋エンジニアリングは、「SAP Concur」と「Invoice PA」を導入し、申請から入金までのリードタイムを約58%短縮したと発表した。サービス導入の決め手は?
石油化学関連を中心とした各種産業プラントの設計・調達・施工(EPC)を手掛ける東洋エンジニアリングは、経費管理クラウド「SAP Concur」と、ニーズウェルの請求書自動登録ソリューション「Invoice PA」を導入し、申請から入金までのリードタイムを約58%短縮した。従来約17日かかっていた処理を約7日まで短縮したほか、ペーパーレス化や承認プロセスの可視化も実現した。導入を支援したニーズウェルが2026年6月16日に発表した。導入の決め手は何だったのか。
経費DXを阻んでいた「紙・Excel・メール中心」の運用
併せて読みたいお薦め記事
“脱Excel”の関連記事
東洋エンジニアリングは、グループ全体で約6000人規模を抱えるプラントエンジニアリング企業だ。
同社の日本本社では、経費精算や請求書管理業務において、紙媒体やExcel、メールを中心とした運用が続いていた。入力や照合、承認といった一連の業務には手作業が多く、業務効率化や運用の透明性向上が課題となっていた。
さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を契機としたテレワークの拡大によって、紙書類を前提とした業務プロセスの見直しも急務となった。こうした状況を受け、同社はペーパーレス化、承認プロセスの可視化、内部統制強化を目的とした経費DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトを立ち上げた。
導入の決め手は「グループ会社の実績」
システム選定に当たり、東洋エンジニアリングは、複数の経理DX製品を比較検討した。
その中で大きな判断材料となったのが、既にグループ会社でSAP Concurを導入していた実績だった。経理財務本部の担当者は子会社へのヒアリングを実施し、実際の運用状況や導入時のサポート体制を確認した。
ヒアリングでは、SAP Concurの機能面に対する評価に加え、導入支援を担当したニーズウェルへの評価も高かったという。特に、業務内容に応じた柔軟な提案や現場に寄り添った支援体制が評価された。
同社は最終的に、グループ会社での導入実績と現場担当者の評価を重視し、SAP Concurおよびニーズウェルの採用を決定した。
リードタイム58%短縮 承認業務の可視化も実現
導入後は、紙書類の受け渡しや移動に伴う負担が削減され、ペーパーレス化を実現した。
また、処理進捗の全体像を把握できるようになったことで、承認プロセスの可視化と内部統制の強化につながった。証憑や過去データの検索性も向上し、必要な情報へのアクセスや確認作業にかかる工数も削減されている。
さらに、PCやスマートフォンから場所を問わず承認作業が可能となったことで、テレワークやフリーアドレスといった柔軟な働き方への対応も進んだ。
導入直後は一部利用者から操作への戸惑いもあったが、運用開始後に定着が進み、現在は安定運用に移行しているという。
経費DXから財務DXへ
東洋エンジニアリングは今後、請求書発行業務や外貨取引、入出金業務を含めたさらなるDX推進による業務高度化を目指している。
今回の事例は、単なる経費精算システムの刷新ではなく、紙中心の業務プロセスを見直し、業務可視化や内部統制強化まで実現したケースといえる。また、製品機能だけでなく、グループ会社での運用実績や現場担当者の評価が導入判断に大きく影響した点は、経費DXやバックオフィスDXを検討する企業にとって参考になりそうだ。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「東洋エンジニアリング、SAP Concur導入で請求処理58%短縮 業務可視化と内部統制強化」(2026年6月17日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法 -
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
3
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
4
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
5
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
6
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
7
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
自社を守る「SCS評価制度」活用法 7割の企業が取引先起点の情報漏えいに直面
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー