VDI不要のBYODの世界がもうすぐ実現
「MacBookがオフィスを席巻する日」に備えて今からできること
企業向けデスクトップ市場ではWindows端末が圧倒的なシェアを誇るが、BYOD(私物端末の業務利用)のおかげで、MacBookやモバイル端末を気軽に使うユーザーが増えている。
BYOD(私物端末の業務利用)が進んだことで、Windows端末以外を使うユーザーが増えている。中でもApple製品は、コンシューマーにとって親しみやすいイメージがあり優勢だ。つまり、IT担当者は、社内であれモバイル環境であれ、Apple端末をサポートする準備を整える必要がある。そう語るのは、クラウドホスティングやデスクトップ管理製品を提供する米Parallelsの最高情報責任者、アレックス・スケニック氏だ。
米TechTargetは、2013年11月に開催された「Consumerization of IT in the Enterprise(CITE)」フォーラムにおいて、スケニック氏に、リモートアクセスの将来の展望と、その中でVDI(仮想デスクトップインフラ)を活用できる領域(そのような領域があれば、だが)について話を聞いた。
―― このモバイル時代においてWindowsデスクトップの先行きをどうご覧になりますか。
スケニック氏 モバイル向けのデスクトップ仮想化は、企業での採用が進むにつれ、さらに重要性が高まるでしょう。Microsoftの端末、Appleの端末など、最近は1人1人が異なる種類の端末を使っています。CIOの主な課題の1つは、使われている全ての機器で確実にセキュリティを適用することです。私は、端末そのものよりも、データの保護を重視しています。モバイル端末やiPad、Windowsタブレットなど、どの端末であっても、Windowsの仮想化を使う場合、リモートからデータを保護する方法を制御できる必要があるでしょう。
弊社(Parallels)でも使用していますが、仮想化技術を利用して、ユーザーの私物端末にイメージを展開することで、データのセキュリティと制御を確保できます。大企業では、この課題はさらに難しくなるでしょう。(大量に)持ち込まれる私物端末をどう保護すればよいでしょうか。
コンシューマライゼーションを止めることはできません。もはや避けられないことです。従って、仮想化が重要になります。従来のメインフレーム環境のようなものまで仮想化されるかもしれません。データはクラウドに保存されるので、接続できる限り、どの端末からでもアクセスできます。
―― カルロス・カポ氏(Parallelsの米国内チャネルマネジャー)は、多くの企業ではMac端末が占める割合が約5~10%だと発言しています。この割合は増えると予想されますか。
スケニック氏 確かにそう思います。ノートPCを持ち込むユーザーに対して、IT部門が最初にすべきことは、そのノートPCを管理することです。従って、仮想化の流れは今後も続きます。仮想化は便利なテクノロジーです。ユーザーは華やかな端末を欲しがりますが、使いこなせているわけではありません。そこで、IT担当者に頼ることになります。
興味深いのは、Macの企業への入り方です。Macの進出以前はIT部門が全てを管理していました。現在は、CEOや他の役員たちが「この端末を使いたい」と要求します。そこでIT担当者は「この端末をサポートしなくてはならない。受け入れなくてはならない」という状況になります。ユーザーは私物端末を業務に使いたがり、(Macの)操作に慣れています。私物端末を業務に利用すると、端末を大切に扱い、実際に生産性が上がるという統計データがあります。
弊社では、アプリケーションをモバイル用に「アプリ化」することで、コンシューマーがMacBookのネイティブ操作でWindowsアプリケーションを使えるようにしています。現在対応しているのは「Microsoft Word」と「Microsoft Excel」で、iPad向けに作られた製品であるかのようにWordとExcelを利用できます。この目的は一元化であり、IT担当者に、可視性、管理、セキュリティ、アクセスを提供することです。これを使えばVDIは不要になり、それほど多くのソリューションを使わずにMacをサポートする戦略を立てることができます。
―― デスクトップアクセスの新たな時代は、仮想デスクトップインフラにとってどのような影響をもたらすのでしょうか。
スケニック氏 重要なのは、どんな環境なのか、何が目標なのかです。企業によってその答えは違うと思います。VDIは使われ続けると思いますが、MacとOSと仮想マシンを制御できるのであれば、それが私の望む世界です。こんな中央のターミナルサービスや大掛かりなフレームワークを構築する必要はなく、私物端末の業務利用を容認できます。イメージを設定し、バックエンドのセキュリティを確保します。それが、導入すべき最高のモデルです。
以前は、まず大規模なターミナルサーバを構築し、それからVDIの作成に取り掛かっていました。こうした旧来のVDIの世界は後退し始めています。本当に必要なのは、データのセキュリティです。従って、仮想化を導入しているのなら、「本当に(VDIは)必要か? 制御が必要なのはどこか?」をCIOは問い始めるでしょう。例えば、ある種のファイル共有技術を使うと、モバイル端末を保護できます。そうして保護しておけば、端末を紛失しても、「その端末は諦めてデータを消去し、Dropbox for Enterpriseを使ってデータにアクセスしよう」と思うことができます。
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