「Box」の企業向けプランを採用
米司法省お墨付きでもまだ不安? クラウドストレージの真価とは
クラウドストレージサービス「Box」の企業向けプランには、高度なセキュリティ機能が多数用意されている。しかし、安全性と利便性の定義は利用者のニーズ次第。要求に合致するサービスか、その目で確かめてほしい。
米司法省は、クラウドベースの文書ストレージとコラボレーションに米Boxのクラウドストレージサービス「Box」の利用を始めた。しかし、それはこのサービスが企業や組織で利用する場合においても、十分な安全性が確保されていることを意味するだろうか。Boxはエンタープライズレベルにおいてどのようなセキュリティ機能を提供しているだろうか。その他、さらに高度なセキュリティ機能を提供するオプションはあるだろうか。
併せて読みたいお薦め記事
Boxについてもっと詳しく
企業向けクラウドストレージの選び方
「Enterprise Box」(Boxの企業向けプラン)のサービスは、さまざまなセキュリティ機能を用意している。認証システムは標準的な企業向けの管理機能、例えばパスワードポリシー、2段階認証、シングルサインオンなどをサポートする。こうした認証方式により、管理者はユーザー、グループ、部門にまたがり、表示、編集、共有などのアクセス制限を定義できる。ドキュメント保持ポリシーもサポートしている。
Enterprise Boxのセキュリティ機能には、動的および静的な暗号化が含まれる。この機能は顧客の暗号鍵を管理すると同時に、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)を利用して顧客が管理する暗号鍵も提供する。HSMの利用はクラウドストレージのコストを増加させる。しかし一般的には、ユーザーとなるのは依頼主の機密文書を扱う弁護士など、厳重なアクセス制御を必要とする一部の顧客である。
Enterprise Boxはまた、50種類のイベントにまたがるユーザーアクティビティについて、詳細なモニタリングやリポーティングサービスも用意している。セキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)アプリケーションを利用する顧客は、主要なSIEM製品に統合できるリポートを生成することも可能だ。さらにイベントリポートは、ユーザー名、電子メール、IPアドレス別に出力することができる。
これらの機能は全てクラウドで安全なドキュメントリポジトリを維持する上で不可欠なものだが、幾つかの一般的な課題を解決していない。複数のSaaS(Software as a Service)サービスを利用する企業などは、その複数のサービスを同じ方法で管理する必要があると考えるはずだ。オンプレミスのLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)やActive Directoryサーバと統合できれば、認証や承認に関する余計な負担を省くことができるだろう。また、SIEMを使って複数のSaaSサービスのアクティビティを統合したり横断的に分析したりすることは困難だ。
まず、はっきりさせておく必要があるのは、“企業での利用に十分対応できる安全性”を判定するための統一された標準はないという点だ。小売業に適したセキュリティ機能を用意しているサービスは、例えばヘルスケア事業者には適していないかもしれない。企業は、自社が求める詳細なセキュリティ要件を明確に定義し、各事業者のサービスが自社のニーズにどれだけ合致しているか十分に検討する必要がある。企業向けファイル共有サービスの場合、まさにその点がカギとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込みデバイスへのAI実装で開発速度と品質を両立する方法 -
製品レビュー
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 実画面を見れば納得 営業・設計・開発を「AI×CRM」でつなぐとこうなる -
比較資料
[アイティメディア広告企画] ERP導入ガイド:「OBIC7」「SMILE V 2nd Edition」「Oracle NetSuite」を比較 -
市場調査・トレンド
[アイティメディア株式会社] AI Overviews時代のB2Bマーケ! 成長企業が選ぶ戦略とは? -
市場調査・トレンド
[アイティメディア株式会社] なぜあの施策は失敗したのか? B2Bマーケ施策を成功させる3つの鉄則
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
NVIDIA「一強体制」の終わりか データセンターを襲う“電力の壁”
-
3
岐阜県庁が7000人規模でも重くならないテレワークを「Prisma Access」で実現
-
4
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
5
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
6
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
7
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
8
「セキュリティ運用と侵入後の初動防御」に関するアンケート
-
9
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
10
コロナ市が「VDI」で実現した“PC故障後5分で仕事復帰”の仕組みとは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
3
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
4
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
5
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
6
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
7
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
8
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
9
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
10
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー