5つのポイントで見るNASストレージの現状【前編】
8社のNASベンダーを比較して分かる、ユーザーの“激辛な本音”(1/2 ページ)
TechTargetの「NASストレージシステムのユーザー満足度調査」では、5つのカテゴリーに沿って製品を評価している。厳しい評価が下された本調査の詳細を紹介する。
NASはNetwork Attached Storageの略だが、「嫌な」「ひどい」「意地が悪い」などの意味を持つ「nasty」の最初の3文字でもある。TechTargetが実施したアンケート調査の回答者が下した厳しい評価基準からすると、NASストレージシステムのベンダーは襟を正して結果に向き合うか、早急に逃げ出す方がよいだろう。
TechTargetの第10回「NASストレージシステムのユーザー満足度調査」では、2015年1月に発表した前回の調査の傾向が引き継がれた。そして、ミッドレンジNAS部門とエンタープライズNAS部門のいずれでも、NASベンダーとNASストレージシステムに厳しい評価が下された。
2、3の項目では激烈な争いが展開されたが、最終的にエンタープライズNASシステム部門ではNetAppが首位に立ち、ミッドレンジNAS部門では、新興のSynologyがトップに登り詰めた。
505件の有効回答を基に616製品を評価し、エンタープライズNAS部門では6社の製品、ミッドレンジNAS部門では7社の製品が最終選考に残った。
「NASストレージシステムのユーザー満足度調査」は、「営業力」「製品の初期品質」「製品の機能」「信頼性」「テクニカルサポート」の5つのカテゴリーで製品を評価する。製品は、1.00~8.00のスコアで評価され、8.00が最も良いスコアとなる。
総合ランキング:1位に輝いたのは……
エンタープライズ部門
NetAppが全体の平均スコア6.10ポイントを獲得し、2位集団から頭一つ抜けてトップに立った。2~4位は接戦で、わずか0.04ポイントの差でしかない。NetAppがエンタープライズNAS部門で1位を獲得したのは2回目で、第3回目の調査で頂点を極めて以来の返り咲きである。NetAppと2位のEMC Corporation(EMC)の得点は比較的小差だが、NASストレージシステムの草分けであるNetAppは、5つある評価カテゴリーのうち4カテゴリーで最高のスコアをマークしている。残り1つのテクニカルサポートでも2位にランクインしているため、難なく総合首位に輝いた。テクニカルサポートで首位に立ったのはEMCだ。EMCは全てのカテゴリーで高い評価を受けており、最高スコアと最低スコアの差はわずか0.08で、非常に安定した成績を収めている。
EMCを小差で負うのはDataDirect Networks(DDN)で、総合ランキングでは、DDN史上最高の5.99ポイントを獲得した。さらに、2~3位と同じスコア差でIBMが4位につけた。また、先頭集団に大きく水をあけられることなく、Hewlett Packard Enterprise(HPE)とDellが、それぞれ5.75ポイントと5.73ポイントという近いスコアで、この部門の最後にランクインした。
ミッドレンジ部門
エンタープライズNAS部門も接戦だったが、ミッドレンジNAS部門は勝負が付けられないほどで、上位3ベンダー(Synology、HPE、NetApp)間の差は、わずか0.03ポイントしかない。首位のSynologyは、0.01ポイントの小差で2位のHPEを抑え、これ以上にない大接戦だったことが分かる。カテゴリー別ではSynology、HPE、NetAppの3社が首位を分け合い、Synologyは、2カテゴリーで首位に立ち、HPEは1カテゴリーを、残り2カテゴリーはNetAppが頂点に立った。間違いなく、ミッドレンジNASストレージシステム部門では、今回がこれまでで最も激烈な戦いになったが、今回の結果でスコアに差がないように、過去の調査と比べても目を見張るような変化はなかった。実は、この部門全体の平均スコアはこれまでの10回の調査で最も低く、カテゴリー別の平均スコアは過去最低か下から2番目となっている。ミッドレンジNASのユーザーに満足してもらうのは、難しくなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
5
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
6
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
7
生データを隠してデータ連携 KDDIが4000万人の顧客情報を安全に分析できた理由
-
8
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
9
「また同じ説明か」 消費者の半数が離脱するAIチャットbotの“記憶喪失”
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー