「AI」と金融の深まる関係【後編】
Amazonのレジなし店舗だけではない 「小売業×AI」の可能性と課題
本人確認と決済承認手段の方法として、人工知能(AI)技術を利用する実験的取り組みが始まっている。ただしAI技術には、依然として倫理的な課題が残っている。
前編「不正検知だけではない『金融AI』の使い道 与信審査の“失敗”も回避」では、決済の分野で浸透しつつある、人工知能(AI)技術を活用した不正検知システムや与信審査システムの事例を紹介した。
小売業界や決済業界では、実店舗で顧客が商品を手に取ると、店内のセンサーがそれを検知し、POS(販売時点情報管理)レジスターを通さずに精算を完了できるAIシステムの利用も始まっている。すでにAmazon.comなどの小売企業がこうしたレジなし店舗の実現に取り組んでおり、顧客はレジ待ちの長い列に並ばなくて済む。
小売業界や決済業界は画像処理技術を活用
支払いプロセスには、画像情報の処理技術であるコンピュータビジョンが使用されている。クレジットカードやその他の支払い方式の、本人確認と決済承認手段の方法として、顔認識を利用する実験的取り組みが始まっている。
顔認識や身ぶりの検出、音声認識を利用すると、本人確認の不正が非常に困難になる利点がある。いずれは、現金やクレジットカードを使わずに顔や音声だけで支払いや送金を承認できる日がやってきそうだ。
小売企業の間では、個別のユーザーの興味や行動データを基に、最適化した情報を提供するハイパーパーソナライゼーションの手法を取り入れる動きが広がりつつある。支払いや融資の手続きにこの手法を導入することで、顧客に合った商品やサービスを提供したり、顧客の普段の支出パターンを学習したりすることが可能になる。
AI技術、実用化のハードルは
AIシステムによって与信審査や本人確認を自動化し、顧客の信用度を決定することには、倫理的な問題もある。こうしたAIシステムを導入する際には、AIシステムを含めた意思決定プロセスを十分に説明できることが重要になる。
規制が厳しく、意思決定プロセスの説明が必要とされる企業では、プロセスに人が介在する方がよいだろう。AIシステムは不正取引をリアルタイムに検知したり、オンデマンドで商品を購入できるようにしたり、顧客サービスを向上させたりすることに強力な効果を発揮する。その多大な利点を活用するためには、AIエンジンを適切にトレーニングすることと、必要に応じて意思決定の理由を説明できるようにすることが重要だ。
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「AI」と金融の深まる関係
決済処理をはじめとする金融関連の業務に、人工知能(AI)技術を利用する動きが広がっている。AI技術がどのように使われているか、事例を基に説明する。
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