膨大なデータを有効に活用し、顧客とより密接につながるために、決済処理に人工知能(AI)技術を利用する動きが広がっている。事例を基に、その実態を探る。
金融業界や決済システムを利用する業界では、不正行為検知を目的とした人工知能(AI)技術の利用が進んでいる。最近では不正検知以外の用途でも、AI技術の活用が広がり始めた。顧客サービスの充実やクレジットスコア(信用情報)の審査、ユーザーの行動データを基に最適な商品などの情報を提案する「ハイパーパーソナライゼーション」、レジなし店舗のような新しい取引形態にAI技術を役立てることができる。
本稿では、決済の分野で増えつつある、AI技術の活用事例を紹介する。
Eコマースを利用することで、世界中のどこからでも、いつでも商品を購入できるようになった。コンサルティング会社Capgeminiの報告書によると、全世界のデジタル決済取引件数は2020年までに約7260億件に達する見込みだという。そのためあらかじめ設定したルールに基づく従来型のシステムでは、不正検知が十分に出来なくなりつつある。
電子取引の件数は膨大な数に上る。人による監視だけで不正行為やエラーの発生率を許容範囲内に抑えることは、もはや不可能に近い。決済に応じてリアルタイムに不正を検知できるシステムを必要とする時代に突入している。
機械学習のパターンマッチングを利用すれば、こうした膨大な量のデータをリアルタイムに監視、分析し、不正取引と正常な取引の間にある、検知しにくい特徴も見つけ出すことが可能だ。
ユーザーの行動を学習して、通常とは異なる現象を検知することも可能になる。月々の請求額がいつもの月より高いときや、レストランに払うチップの金額が通常より多いときなど、通常とは異なる動きを検知したときに、対象となるユーザーにAIシステムを使って通知することもできる。
それ以外の用途でも、AI技術の活用効果に関する認識が高まっている。
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