「ハイパースケールクラウド」から学ぶ【第3回】
「故障」を軸にストレージ設計を考えるのは、なぜ有効なのか?
機器の故障は避けられないが、システム全体への影響をいかに最小限に抑えるかがIT担当者の腕の見せ所だ。「故障」を織り込んだ計画のこつとは。
ユーザー企業は、「ハイパースケールクラウド」(大規模データセンターで稼働する広範なクラウドサービス)の事業者から有用なことを学べる。ストレージを切り口にしてソフトウェア定義のインフラを考えた第2回「『大規模クラウド』のストレージ設計も夢ではない IT担当者が盗むべき運用術」に続き、本稿は自動化を目指した設計と故障への備えを紹介する。
3.自動化を目指した設計をする
併せて読みたいお薦め記事
話題の「ハイパースケールクラウド」とは何か?
データ保存を主な機能としている物理的なストレージを、各種の管理機能を備えるSDS(ソフトウェア定義ストレージ)に置き換えると、タスクの自動化も可能になる。それにより運用費(OPEX:Operating Expenditure)の削減、プロビジョニング(リソースを配備しておくこと)時間の短縮、信頼性の向上を図れる。
SDSはストレージの構成やソフトウェア更新のためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開し、プログラムによる制御を可能にする。ユーザー企業がハイパースケールクラウドのストレージを参考にすべきポイントの一つは、APIを活用した自動化だ。その際はHashiCorpの「Terraform」、Red Hatの「Ansible」などの構成管理ツールを使えば、手動の工程をプログラムによって自動化できる。
4.故障に備えて計画を立てる
サーバやストレージの故障は日常的に起こり得る問題だ。数十万台のサーバを利用するハイパースケールクラウドともなれば、機器の故障は絶えず発生する。企業はシステム停止を防ぐために、故障を見越した設計が重要だ。ストレージのリソースを複数のデータセンターに分散させるといった方法により、システムの可用性を高めることができる。
故障はデータの消失ではなく、システムの応答速度などパフォーマンスの低下につながる恐れもある。ハイパースケールクラウドの事業者は、常にシステムを監視して異常を検知し、影響の範囲を判断していち早く対策を講じている。ユーザーが気付く前に修復を完了させ、故障を「感じさせない」という戦略だ。
第4回は、拡張性の重要性とコモディティ製品の活用によるコスト削減を取り上げる。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
7
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー