研究開発で分かるSSDの挑戦【第4回】
普通のSSDとは全然違う「CXL接続SSD」の実力 あのOptaneより速い?
SSDにインターコネクト(相互接続)規格の「CXL」を使用するための研究開発が進んでいる。Samsung Electronicsやキオクシアが公表している取り組みから、そのCXL接続SSDとは何かを探る。
SSDの研究開発において、インターコネクト(相互接続)規格「Compute Express Link」(CXL)を活用する取り組みが進んでいる。SSDにCXLを採用することで、従来のSSDとはどのような違いが生まれるのか。
取り組みの一つは、Samsung Electronicsが2022年にプロトタイプ(原型)を示したCXL接続SSD「メモリセマンティックSSD」(MS-SSD)だ。他にもキオクシアや、韓国の研究機関による取り組みがある。
研究開発が進む「CXL接続SSD」 その実態とは
併せて読みたいお薦め記事
連載:研究開発で分かるSSDの挑戦
- 第1回:SSDの新たな挑戦「CXL接続」はストレージの希望なのか?
- 第2回:NVMeとはやっぱり違うCXL接続の「MS-SSD」とは何か?
- 第3回:永続メモリ「Optane」は死んでいなかった? 「MS-SSD」が示した可能性とは
ストレージの新技術ならこの話題も
Samsung ElectronicsのMS-SSDのプロトタイプは、揮発性メモリの一種「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)を16GB搭載し、SSDのデータを可能な限り多くキャッシュ(一時保管)する設計を採用している。こうした大容量のDRAMを搭載する設計は、CXL接続SSDの主流になると考えられる。
キオクシアは、同社独自のフラッシュメモリ「XL-FLASH」を搭載したCXL接続SSDについて情報を公開した。XL-FLASHは、高速な読み書き性能に重点を置いたNAND型フラッシュメモリだ。キオクシアによれば、CXL接続SSDのデータ転送速度は、Intelが永続メモリとして提供していた「Intel Optane」より速く、揮発性メモリの一種「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)とほぼ同じになることが期待できる。その設計はプリフェッチバッファー(CPUがデータをあらかじめキャッシュメモリに読み出しておく領域)を十分に確保している。圧縮機能によって転送するデータをより小さくすることで、SSDが必要とする帯域幅(通信路容量)を小さくし、書き込みを高速化できるという。
Korea Advanced Institute of Science and Technology(韓国科学技術院:KAIST)の研究所、Computer Architecture and Memory Systems Laboratory(CAMEL)も、CXL接続SSDの研究開発に取り組む組織の一つだ。CAMELは、オープンソースの命令セットアーキテクチャ「RISC-V」と、ハードウェアで自動化されたフレームワーク「OpenExpress」を使用して、CXL接続SSDの性能のシミュレーションを実施した。
CAMELのシミュレーションから明白だったのは、CXL接続SSDのレイテンシ(遅延)は、SSD内のデータのローカリティ(局所性:データ参照頻度)に大きく依存するということだ。ローカリティの程度の違いによって、レイテンシはDRAMの数倍になることもあれば、数十倍になることもあった。ローカリティが高いということは、SSDへのアクセスの大部分が、NAND型フラッシュメモリではなくSSD内のDRAMを経由することを意味するため、これは当然の結果と言える。
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