2010年05月21日 08時00分 UPDATE
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仮想化リーダー企業に聞く2010年の戦略【第2回:シトリックス・システムズ】FlexCastとXenAppを備えたXenDesktop 4で、デスクトップ仮想化の本格普及を目指す

“デスクトップイノベーション”を戦略に掲げるシトリックスは2010年、デスクトップ仮想化への動きをさらに加速する。同社は企業のデスクトップ環境をどう変革しようとしているのか。

[唐沢正和]

デスクトップ仮想化技術の集大成、XenDesktop 4

 シトリックス・システムズ・ジャパン(以下、シトリックス)は、デスクトップ仮想化製品の最新版として「Citrix XenDesktop 4」(以下、XenDesktop 4)を展開している。この製品こそ同社が20年間にわたって追求してきたデスクトップ仮想化技術の集大成であり、デスクトップイノベーション推進の中核を担うキーソリューションである。

画像 シトリックス リードプロダクトマーケティングマネージャー 北瀬公彦氏

 シトリックス リードプロダクトマーケティングマネージャーの北瀬公彦氏は、「当社はデスクトップ仮想化分野において20年間、試行錯誤を重ねてきた。そして、デスクトップ仮想化の技術力については、他社を大きくリードしていると考えている」と自信を見せる。XenDesktop 4には、この技術力を結集した「FlexCastデリバリテクノロジ」(以下、FlexCast)を新たに搭載するとともに、アプリケーション仮想化ソリューション「Citrix XenApp」(以下、XenApp)の全機能を統合している。北瀬氏はこれらにより「あらゆるタイプの仮想デスクトップを提供することが可能となった。単一の統合ソリューションで、ユーザーのすべてのデスクトップ仮想化ニーズに応えられる製品はほかにはない」と説明する。

FlexCastによる6つの仮想デスクトップ配信手法

 北瀬氏の言葉にもあるように、XenDesktop 4の最大の特長はFlexCastだ。これによって、「あらゆるユーザーのあらゆるデバイスに、あらゆるタイプの仮想デスクトップを配信できる」(北瀬氏)という。

 具体的には、FlexCastでは6つの仮想デスクトップ配信手法を実現する。まず、特定のアプリケーションを使用するタスクワーカー向けの配信手法として、サーバベース型の「ホステッド共有デスクトップ」と「オンデマンドアプリケーションデリバリ」を提供する。ホステッド共有デスクトップは、複数のユーザーが1つのサーバのリソースを共有し、標準化されたデスクトップ画面がクライアント端末に配信される。一方、オンデマンドアプリケーションデリバリは、クライアント端末のデスクトップ画面に、サーバにホストされた仮想アプリケーションが配信される。

 在宅勤務をする人やオフィスワーカー向けには、一般的な仮想PC型の「ホステッドVMベースデスクトップ(VDI)」を提供する。各ユーザーのデスクトップ環境はサーバ側の仮想マシンで稼働し、画面出力とデバイスから入力(操作)したデータのみをクライアント端末とやりとりする。クライアント端末を問わず、オフィスと完全に同じデスクトップ環境を利用できる。

 3Dグラフィック処理など多大なリソースを必要とするパワーユーザーには、「ホステッドブレードPCデスクトップ」で対応する。1ユーザーにつき1台のブレードPCやワークステーションなどの物理マシンを割り当てるため、一般的なクライアント端末で優れた処理能力を実現する。

 複雑な業務は行わないがクライアント端末の処理能力を必要とするユーザー(外注、派遣、教育機関)には「ローカルストリームドデスクトップ」がある。サーバからOSイメージをネットブート技術でクライアント端末に送信・展開し、端末上で実行する。常に初期状態のクライアント端末に配信するため、複数のユーザーが同一端末を利用する場合に最適な配信手法となっている。

 最後の配信手法は、ノートPCをオフラインで使用するモバイルワーカー向けの「ローカルVMベースデスクトップ」だ。クライアントPCにインストールしたXenハイパーバイザー上でデスクトップイメージを展開し、複数の仮想マシンを同時に稼働させる。モバイル環境でのオフライン利用が可能で、オンライン状態になるとホスト側と自動的に同期する。

 さらに、XenDesktop 4では、このFlexCastに加え、高品位なユーザーエクスペリエンスを提供する「Citrix HDX(High Definition eXperience)テクノロジ」を機能強化。これにより、仮想デスクトップの配信環境に関係なく、すべてのユーザーに最適な利用環境を実現するとともに、ほかのソリューションと比べて帯域使用量を最大で90%削減できるという。

 北瀬氏は、「サーバ型、仮想PC型、物理マシン型、そしてこれらを組み合わせたデスクトップ配信手法を網羅し、幅広いユーザー層に向けて、各人の業務環境に最適な仮想デスクトップ環境を提供できる製品はXenDesktopだけ。これによって、今まで企業の一部組織で限定利用されていたデスクトップ仮想化を、全社レベルに広げることができる。企業全体に仮想デスクトップを適用することで、ITインフラの変革はもちろん、ワークスタイルそのものの変革を推進することが、デスクトップイノベーションの目指すところだ」と力を込める。

 では、デスクトップイノベーションは、企業にとってどんなメリットをもたらすのだろうか。

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