「最新バージョンのOSが最も安全」は本当?
Windows 8.1自慢のセキュリティにありがちな「4つの誤解」
Windows 8.1に移行したとしても、組織内にある全ての脆弱性を修正することはできない。このことは、経営陣や幹部にきちんと伝え納得させる必要がある。
「Windows XP」のサポート終了にまつわる誇大な騒ぎが収まり、多くの企業が今、「Windows 8.1」への移行を進めている。そのことに意外性はない。米Microsoftの最新OSであるWindows 8.1は、超高速でITプロフェッショナル向けに改善された機能も盛り込まれ、そのままの状態でセキュリティが大幅に強化されているからだ。
誤解「最新のセキュリティを搭載した新しいバージョンほど優れている」
Windows 8に対する不安感はまだ払拭されていない。同OSに対しては当初、スタート画面やタッチ中心のインタフェースに否定的な反応が集中したが、ユーザーはサードパーティーツールのおかげでこれを無視できた。では、ITの現在の状況に照らして、Windows 8.1へのアップグレードにはセキュリティ対策を入れ替えるほどの価値があるのか。予想されるユーザーの不満をしのぐほどのメリットはあるのか。実際のところ、アップグレードによって企業のデスクトップPCのリスク管理はどう変わるのか。Windows 8.1のセキュリティに関しては幾つかのことが想定されるが、知っておくべきこと(そして避けるべきこと)をここで解説する。
われわれは場当たり的な世界に生きている。最も新しく偉大なものを欲しがるのは人間の本性だ。それが賢明なこともあれば、不要なこともある。Windows 8.1にアップグレードすれば、最も新しく偉大な技術を手にすることは間違いない。だがそれで、デスクトップセキュリティが自動的に向上するとは限らない。実際、理論的には平均的なWindows 8.1よりもセキュアな管理型のWindows XP環境を構築することも可能だ。
誤解「BitLockerの改善で情報セキュリティが強化される」
私は「Windows Vista」や「Windows 7」の「BitLocker」をあまり評価していなかった。だが、Windows 8以降のフルディスク暗号化技術では、BitLockerで保護されていないドライブへのデータ書き込み防止、ユーザー自身の暗証番号やパスフレーズの管理強化、自動パッチ導入のブート前認証など、多数の改善が施された。
ただし、世界中のあらゆる暗号化技術を用いても、システムに弱いパスワードを設定していたり、スクリーンセーバーのタイムアウトが不適切だったりするだけで、フルディスク暗号化のメリットは帳消しになる。BitLockerは理論上、同等の機能を提供する有料ツールと比較しても良さそうに思える。しかし、そうしたありがちな弱点のために簡単に迂回され得る。
誤解「Windows 8.1のマルウェア対策だけで、エンドポイントセキュリティを確保できる」
「Windows Defender」と「SmartScreen」の統合は、Windows 8.1を標的型攻撃から守る助けにはなる。だがJavaやAdobe Readerなど、ユーザーがインストールしている他のサードパーティーソフトウェアを狙った膨大な攻撃からデスクトップPCを守ってはくれない。
実際のところ、脆弱性の76%は、Microsoftの問題ではなく、OSに搭載されている他のプログラムの問題であることが最近の調査で判明した。デスクトップの脆弱性のこの不均衡な状態は、当分変わりそうにない。
誤解「GPOでWindows 8.1も管理できるようになり、デスクトップの監視に必要な全てが提供される」
この分野はWindows 8とServer 2012で大きく前進した。しかし、「グループポリシーオブジェクト(GPO)」で全てが解決できるわけではない。ポリシーとリスクは1対1の関係ではない。
Windows 8.1については(Windowsのどのバージョンにもいえることだが)、情報の流出に起因するセキュリティリスク、何でもクリックしてしまうユーザー、脆弱なネットワーク共有を作成できてしまうこと、不測の事態が起きた場合の脅威とイベントの相関関係が全般的に欠如していることなど、他に潜在的な問題点は幾つもある。
Windows 8.1のセキュリティについて論じる場合は、同OSに移行したとしても組織のこうした脆弱性を全て修正することはできないと、経営陣や監査人、コンプライアンス担当幹部、さらにはセキュリティ管理者に納得してもらう必要がある。確かに助けにはなるかもしれないが、デスクトップセキュリティの実態を認識して深刻に受け止める責任は、デスクトップ管理者や全てのWindows 8.1ユーザーにある。
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