モバイルファーストを追求するANA、明らかになったアジャイル開発の成果と課題目指すは国際線におけるサービスアップ

国際線におけるサービスアップを目指す全日本空輸(ANA)は、顧客とのタッチポイントとなるモバイルアプリをデジタル戦略の中核に据え、即時性のある施策をシステムに反映するためアジャイル開発を導入した。

2018年01月17日 05時00分 公開
[小山健治]

 「エアライン事業領域の拡大」「新規事業の創造と既存事業の成長加速」を経営戦略の柱とする全日本空輸(ANA)は、利用者により良い顧客体験を提供すべく、モバイルアプリケーションを対象に継続的変化に対応できるシステム開発の在り方を検討してきた。そして導入したのが、企業のアジャイル開発の体得を支援するサービス「Pivotal Labs」を活用した開発手法である。そこから見えてきた成果と課題について、ANAシステムズの会長、幸重孝典氏が語った。

ANAシステムズ 幸重孝典氏 ANAシステムズ 幸重孝典氏

国際線でのサービスアップを目指すANAに求められるデジタル戦略

 世界の航空会社のシェア勢力図はこの10年で激変している。2017年11月に開催されたPivotalジャパンのイベント「Pivotal.IO 2018」に登壇し、「デジタルトランスフォーメーションの推進 ANAにおけるアジャイル導入」と題して講演した幸重氏は、LCC(格安航空会社)が10年前よりも旅客数で世界の航空会社を圧倒している現状に触れ、「シンプルなビジネスモデルやサービスの省力化といった要因も当然ありますが、より注目すべきはインターネットを最大限に活用していることです」と分析。「われわれも多くのことをLCCから学んでいかないと、今後のグローバル競争を戦っていくことはできません」と語った。

即時性のある施策をシステムに反映するためアジャイル開発を導入

 もちろんANAのデジタル化が遅れているわけではない。1997年にはマイレージプログラムおよびインターネット予約という2大デジタルサービスを開始。その後もスマートフォンサイトやアプリの展開を進めてきた。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。