Gartnerのアナリストが予測
2019年、アナリティクスのトレンドは拡張分析に要注目(1/2 ページ)
ビジネスインテリジェンス(BI)とアナリティクスのソフトウェアは2019年にますます進化してさらに簡単に使えるようになり、人工知能(AI)技術を活用した拡張分析が進歩しそうだ。
データ視覚化とセルフサービスBIソフトウェアを提供するTableau Software(以下、Tableau)は、2018年10月に米国ニューオーリンズでユーザーカンファレンス「Tableau Conference 2018」を開催した。開幕基調講演は大画面を飛び交う鮮やかな色に、レトロなメロディと落ち着いたビート、そして合成音声風の女性の声で始まった。
その声は、会場に集まった何千人もの参加者に、誰もがデータを愛していると告げ、それを理解できない人もいるだろうが、ここにいる人は全員分かっていると続けた。
「私たちは、みんな、データを、愛しています」とその声が高らかに宣言すると、大画面に光と色があふれ、音楽のテンポが速まった。会場には小さな笑いのさざ波が起こった。その場にいた人々は気付いていないかもしれないが、この演出は現在のアナリティクスのトレンドをよく表している。
アナリティクスはますます華々しく、より魅力的で、理解しやすいものになってきている。AI技術の活用でより身近なものになり、データを読み解く専門知識がなくてもある程度使いこなせるようになってきた。
拡張分析で使いやすく
アナリティクスの最も重要なトレンドは拡張分析だろう。機械学習や自然言語処理(NLP)などのAI技術をデータ分析に活用することによって、複雑な分析プロセスも簡単に利用できるようになり、しかも高度になってきている。
Gartnerのアナリスト、リタ・サラム氏は「拡張分析は初期段階にあり、まだ主流にはなっていない」としながらも、「この種のユーザーエクスペリエンスの登場で市場は再び変革を迎えるだろう」と予測する。
Gartnerは2017年に「拡張分析(augmented analytics)」という用語を正式に定義した。サラム氏は同社で拡張分析の研究者兼ライターを担当している。
同氏は「拡張分析はAIを活用する技術だ」と説明する。高度なデータ分析処理を拡張分析で自動化することにより、データの専門知識のない一般の人々、いわゆる市民データサイエンティストも実行できる。数年前まではデータサイエンスの専門家でなければできなかったことだ。
「この技術によって、データサイエンティストでなくても高度な分析情報を引き出せるようになる」とサラム氏は語る。
2018年には多数のBIベンダーが自社のアナリティクス製品にAI技術を組み込み始めた。2019年もその流れは続きそうだ。
例えば、Tableauは2018年、自然言語で質問できる「Ask Data」という新しいツールを自社製品に追加した。これを使えば、プレーンテキストで質問を入力して分析情報を抽出できる。TableauはMITスタートアップのEmpirical SystemsなどのAI関連企業を買収して拡張分析機能の強化に力を入れている。
ThoughtSpotなど他のベンダーも、クエリの実行を簡単にするためにNLP機能を強化したり、AIアシスタントを導入したりしている。
パートナーシップの増強
BIベンダーによるAIスタートアップの買収やパートナーシップの増強も2019年の大きなトレンドになるだろう。
自然言語生成ソフトウェアベンダーAutomated Insightsの最高執行責任者(COO)を務めるアダム・スミス氏は「拡張分析機能に関心が集まっている」と話す。
Automated Insightsは「Tableau」「Qlik」「Microsoft Power BI」などのBIプラットフォームとパートナーシップを結んでいる。このようなパートナーシップは2018年前後から増えており、2019年以降も増え続けそうだ。
「(BIベンダーは)自社プラットフォームへのアクセスを開放していくだろう」とスミス氏は語った。
Tableauは2018年、サードパーティー開発会社が自社の製品やサービスをTableauプラットフォームにより簡単により深く統合できるようにする取り組みを進めた。
Tableauの最高経営責任者(CEO)のアダム・セリプスキー氏はTableau Conference 2018でのインタビューで、「パートナーエコシステム」はTableauプラットフォームの機能とサービスの拡大に不可欠だと語っている。
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