Column
情報漏えいを発見・防止する方法
情報漏えいの防止はとてつもなく大きな課題に思えるが、ここで紹介するような市販ツールを使えば制御できる。
会社情報の流出は考えただけでゾッとする。セキュリティ担当者はこれまでもずっと、電子メール、IMといったインターネット経由の情報漏えいに対処を強いられてきた。しかしモバイル技術が普及した今、偶発的にしろ悪意にしろ、情報漏えいはこれまで以上に発生しやすくなっている。
データ保護の準備
動的/静的データが会社からこっそり持ち出されるのを防ぐ市販のツールは多数あるが、一番いいのは検出エンジンやデータブロッカーといった防御/検出の手段を組み合わせたものだ。
しかし何よりも前に、守りたいデータの種類とリスクの程度を把握しておくことが大切だ。自分の組織のITセキュリティ基準に沿って、会社の全データについて等級を作成し、分類しておく必要がある。データの種類は紛失や漏えいのリスクに応じて低から高までのレベルにランク分けできる。
高リスクのデータとして以下のような例が挙げられる。
- 氏名、住所、社会保障番号など個人を特定できる情報が入った顧客や従業員情報
- 競合企業による顧客横取りに使われる可能性がある顧客リスト
- 企業秘密および知的財産
- 社外秘の製品開発・製造計画
- 財務情報あるいは発表間近の新製品の販促計画
どのデータを守るべきかを決め、リスクのレベルを等級分けして文書化したら、どのツールが自社のニーズに最適かを調べる作業にかかろう。
データ漏えい防止ツール
データ漏えい防止ツールは大ざっぱに言えばアプリケーションレベルのファイアウォールのようなものだ。ファイアウォールと同様、外部に出て行くデータについて、ポートとパケットの種類だけでなく中身を調べ、社外に出してもいいものは何かを判断する。データ漏えい防止ツールについて調べれば、この市場の大手はボンツ、リコネックス、ベリセプトの3社だということが分かるだろう。
- Vontu 6.0のスイートは、SSL、IM、Webメールなどあらゆる種類のWebトラフィックを監視できるツールがセットになっている。外部に送信される悪意あるトラフィックを、Exact Data Matching、Indexed Document Matching、Described Content Matchingという3つのアルゴリズムで検出する。Vontu 6.0は特定の従業員グループや場所、コンテンツの種類を対象とするよう設定できる。
- リコネックスのiGuardプラットフォームは2つの有用なデバイスで構成される。iGuardは、外部に送信されるトラフィックのコンテンツを監視し、悪質な行為を発見できるネットワークアプライアンス。もう1つの製品であるInSight Consoleは、重要なデータ情報を保存して簡単に検出できるようにするデータベース。ボンツと同様、リコネックスのプラットフォームは会社のニーズに応じて設定できる。
- ベリセプトのVisibility and Controlは、コンテンツ監視用途で広く使われているカスタマイズ可能ツール。この製品は「プロプライエタリ・インテリジェント・コンテンツ制御エンジン」(同社)を利用している。ベリセプトではFTP、SSL、IM、P2PなどWebトラフィック全体を監視するだけでなく、ブログの投稿やチャットルーム、Webサイトなど、会社の重要なデータや企業秘密の流出先となる可能性があるすべての場所を監視する。
- このほか役に立ちそうな2社としてポートオーソリティ・テクノロジーズとGTBテクノロジーズがある。上記の各社の製品と同様、この2社は外部に送信されるIPトラフィックを監視して特定種類の企業データを見つけ出すハードウェアアプライアンスを提供している。
こうした製品はファイアウォールの内側に置くだけのネットワークアプライアンスであり、会社の既存のセキュリティインフラときっちり統合しておくことが大切だ。例えばボンツの製品は、シスコシステムズ、アイアンポートシステムズ、ブルーコートシステムズの製品と統合できる。リコネックスとベリセプトの製品もブルーコートなどのWebプロキシに対応している。
モバイル機器とデータ漏えい
モバイル機器はデータ漏えいに関して新たな課題を投げ掛けている。例えばUSBメモリ、Bluetoothデバイス、リムーバブルCDドライブなどはすべて、システム管理者の知らないところでネットワークコントロールを妨げる可能性がある。ストレージ用のハードウェアであるため、これまでに挙げた高度なインターネット/Web監視ツールをかわしてしまう。
監視ツールの1つ、Safend Protector V3.0は、会社の全デスクトップPCとノートPCにインストールすることができる。Web監視ツールと同様に、Webベースのインタフェースで集中管理でき、特定の種類のデータがUSBやFireWire、ワイヤレスポートに移されるのをチェックする設定が可能。このツールは勝手に変更できないようになっていて、ユーザーの目には見えず、外部ポートに何かが接続されるまでは沈黙している。さらにSafend Protector V3.0は、あらゆるリムーバブルデバイスへのアクセスを完全に遮断したり、容量に応じて特定のデバイスを制限したり、読み取りのみのアクセスを許可する設定にもできる。ポリシーをアクティブディレクトリのグループポリシーオブジェクト(GPO)に統合し、特定ユーザーのデバイスにアクセスできるようにすることも可能。
一見したところ、データ漏えい防止はとてつもなく大きな課題に思える。しかし幾つかの市販ツールを使えば、オンラインであれWebやストレージデバイス経由であれ、漏えいは制御できるのだ。
本稿筆者のジョエル・デュビン氏は、CISSP(公認情報システムセキュリティプロフェッショナル)資格を持ち、シカゴに本拠を置く独立系コンピュータセキュリティコンサルタント。Webとアプリケーションのセキュリティを専門とする。セキュリティ分野のMicrosoft MVPを受賞している。アクセス管理システムを導入するコツを含む「The Little Black Book of Computer Security」の著者でもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
新着ホワイトペーパー PR
-
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 過去にRPA導入をあきらめた企業こそ知っておきたい 失敗しない自動化導入術 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 京セラコミュニケーションシステムに学ぶ、製造業の現場でAIを定着させる方法 -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] 元ヤンマーCIOの矢島氏が語るDXの本質:日本企業が陥った4つの落とし穴と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
5
年収が増えても幸せになれない 給与増でエンジニアが直面する「幸福度の壁」
-
6
SAP ECCの「2027年問題」は綱渡り? 未移行企業が直面する“真の課題”
-
7
便利機能が「裏口」に コンテナの安全を脅かす“監視の穴”とは
-
8
SAPの手探り“クラウド間移行” 丸紅グループが業務停止を1営業日に抑えた方法
-
9
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
10
生成AIで開発工数を圧縮 「工数150分の1」を叩き出した実例
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
8
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー