日立製作所が7万台の導入を目指すシンクライアントの実力と効果セキュリティ対策とワークスタイル改革の両立を実現

今回は、自社開発による7万台のシンクライアント(セキュリティPC)の導入を目指す日立製作所の現場の声をもとに、昨今の注目テーマである情報漏えい対策の現状と、最新のソリューションがもたらすワークスタイル改革のメリットを追う。日本版SOX法の施行を目前にし、企業は今、何をすべきなのかのヒントを与えてくれる貴重な導入事例となっている。

2006年12月06日 00時00分 公開
[TechTarget]

 今回は、日立製作所社内ですでに3万台(2007年度中に累計7万台を目標)の導入実績があるセキュアクライアントソリューションを題材に、実際に導入を行った日立製作所の情報システム部門を取材し、情報漏えい対策の現場で何が起こっているのかをリポートする。

 セキュアクライアントソリューションは、モバイル環境での情報漏えい対策が開発当初の目的だった。昨今の情報漏えい対策にありがちなパソコンの持ち出し禁止などの「制限」とは無縁の、パソコンを持ち出せる「自由」を提供している点が斬新といえる。

 取材で得られた導入現場の人々の声は、一世代前のシンクライアントにありがちな「情報を持たせないメリット」を強調するだけのものではなかった。社員の座席を固定することを止め(以下、フリーアドレス)オフィス空間を有効活用できるようになったことや、モバイルノートPC型のシンクライアントの導入により営業マンの行動にも自由度が増したようだ。

 また、システムの集中管理によるシステム部門の運営負担軽減も見逃せない。当初はセキュリティ対策の導入であったが、当初は想定していなかった別のメリットも生み出せた。こういった副次的な効果が、これまでのシンクライアントソリューションとは一線を画する最大のポイントとなっている。

 昨今の情報漏えい対策への取り組みの流れは、総勢35万人を抱える日立グループも例外ではない。よりセキュアなシステム環境構築のために自社で開発に乗り出し、ここ数年の情報漏えい対策への取り組みの中で、「セキュアクライアントソリューション」が有効という、確固たる回答を導き出した。