Column
プロジェクト管理は専用ツールを使うのが鉄則
リストやメモを作るのは卒業して、プロジェクト管理ツールを自在に使いこなそう。
プロジェクトの計画立案、スケジューリング、管理――。プロジェクトマネジャーは、MicrosoftのOffice Projectのようなプロジェクト管理ツールを使ってこれらのプロセスを進めるべきか。それとも、ExcelやWordで管理すれば十分か。プロジェクトマネジャーはプロジェクト管理ツールを使わなくても、スケジュール通りに予算内でプロジェクトを完了させることができるか。
われわれは仕事の中で、顧客からよくこうした質問を受ける。だが結局、これらは的外れな質問だ。プロジェクトマネジャーがプロジェクト管理専用のツールを使わない場合、それは彼らがしかるべき教育と訓練を受けていない証拠なのだ。
ツールなくしてプロジェクト管理なし
WordやExcelを使ってプロジェクト管理を行うと、間違いなくビジネス全体に悪影響がある。例えば、リソースの利用可能量やプロジェクトの状態、プロジェクトポートフォリオ全体の健全性が見えにくくなってしまう。プロジェクトの観点から見ると、プロジェクト管理ツールを使わないことによる大きな弊害は、きちんとしたスケジュールを持たず、個別のタスクを管理するだけになってしまうことだ。プロジェクトの規模が大きい場合や、リソースに制約がある場合、期限が厳しい場合、作業の依存関係が多い場合には、これではリスキーだ。
ツールは手軽に入手できるのに、なぜ使わないのだろう。プロジェクトマネジャーの中でも、プロジェクト管理の訓練を受けていない人々が、ツールを使わないケースが多い。ベストプラクティスに従う価値が分かっていないからだ。彼らはこんなことを言う。「計画を立てる時間がない」「スケジューリングツールは好きじゃない。日程の融通が利かないから」。こうしたマネジャーはスキルが低いか、あるいは自分たちのやり方を改善しようという意欲がなく、仕事を片付けたいだけなのだろう。こうしたプロジェクトマネジャーのほとんどは、WordかExcelでタスクリストを作ったり、それを手で書いたりして事足れりとしている。われわれは、こうした人々は「メモ係」「リスト係」であり、本当のプロジェクトマネジャーではないと考えている。
十分な訓練を積んだ経験豊富なプロジェクトマネジャーは、計画立案とスケジューリングのベストプラクティスを用いてプロジェクトを取り仕切る。この仕事は、専用のプロジェクト管理ツールを利用することで最も効果的に達成される。例えば、あるプロジェクト管理コンサルタントは、商談の過程でこうした手法での的確な計画を提案しても、相手の顧客に受け入れる態勢がないと判断した場合は、プロジェクト管理アプローチの見直しを促すため、あえて受注を断ったという。
プロジェクトの所要時間が200時間でも2万時間でも、ベストプラクティスに基づいてスケジュールを作成する手順は変わらない。小規模なプロジェクトの方がスケジュールを立てるのにかかる時間が短いだけだ。プロジェクトがリスクの低い小規模なものか、リスクの高い大規模なものかにかかわらず、われわれは常に次の手順を踏んでいる。
- 行うべきすべての作業を網羅したWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)を作成する
- タスク、マイルストーン、成果物を定義する。
- プロジェクトの依存関係を定義し、設定する。
- 人的リソースをスキルと業務の空き時間に基づいてタスクに割り当てる
- スケジューリングツールを使ってプロジェクトのスケジュールを立て、完了日を決定する
あなたの会社のプロジェクトマネジャーがWordやExcelしかツールとして使っていないなら、彼らには、「リスト係」から本当のプロジェクトマネジャーへと成長してもらわなければならないだろう。そのためには、あなたの会社のプロジェクトマネジャーは、すべてのプロジェクトでこうしたベストプラクティスに従わなければならない。そうすることで彼らは、プロジェクトを計画する時間がないと平然と言い放つのではなく、プロジェクトを計画する時間を要求する、熟練したプロジェクトマネジャーへの道を歩むだろう。
本稿筆者のマイケル・ビニエ氏とマイケル・バーク氏は、経営コンサルティング会社トリセンシャルの代表。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント -
製品資料
揺らぐ境界防御 いま企業が特に警戒すべき「3つのセキュリティ課題」とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
5
画面をティッシュで拭くのはNG Dellが推奨するPCの正しいお手入れ方法
-
6
メインフレームは死なず AI活用で20年来の高収益をたたき出す基幹システムの底力
-
7
「法人PCの導入」に関するアンケート
-
8
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
9
「GitHub Copilot」3000人に配布も基本機能しか使われない 保険大手が得た教訓
-
10
業務引き継ぎで困ったこと 大企業200人調査で判明した課題の第1位は
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
AIエージェントで成果は出る? 調査結果に見る費用対効果の実態
-
9
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
10
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー