SCM製品紹介
密接連携するソフトウェア群でSCM全体を最適化する「JDAソリューション」
長年培ってきた豊富な小売業向けの技術やノウハウを武器に、ユーザー視点でSCMを網羅的に支援するJDAソリューション。そのコアソフトウェアを中心に紹介する。
顧客が必要なものを提供するパートナーシップ重視の取り組み
米JDA Software Group(以下、JDA Software)は、消費者起点のバリューチェーン改革を目指し、流通業・製造業向けにデマンドおよびサプライチェーンソリューションを提供するベンダーだ。同社製品の導入実績は、マーチャンダイジング(以下、MD)基幹ソリューションが600社以上、MD計画ソリューションが400社以上、需要予測・補充発注ソリューションが1000社以上、カテゴリーマネジメントソリューションが3500社以上と、ワールドワイドで5800社以上を誇る。全世界を経済不況という暗雲が包み込むさなか、2008年度の売上実績は5%増となる約400億円(3億9000万ドル)を記録していることからも、その業績がいかに好調かは明らかだろう。また、日本法人として1997年に設立されたジェイ・ディー・エイ・ソフトウェア・ジャパン(以下、JDAソフトウェア・ジャパン)においても国内で90社以上の顧客を獲得し、幅広い業界から支持を集めている。
不況の中で堅調な成長を続けられる理由について、JDAソフトウェア・ジャパンの代表取締役社長、西本広之氏は「一般的にIT投資が凍結されているような状況でも、SCM領域については利益と直結するため、各業界のリーディングカンパニーが投資を続けているからです」と分析する。また、「顧客が必要とするものを常に提供し続けていく」という、顧客とのパートナーシップ重視の取り組みにも秘密が隠されている。JDA Softwareでは顧客ニーズを満たすために、Arthur、Intactix、Manugisticsなど、約10年間で数多くの企業の買収を進め、SCMソリューションを拡充してきた。
大手パッケージベンダーの多くが会計を基盤としたソリューションアプローチであるのに対して、JDA Softwareは小売業向けのMDシステムから業界に参入している点も大きな特徴として挙げられる。小売業では複数の商品をセットで販売したり、タイムセールのように1日のうちで商品価格が変動することも日常茶飯事である。こうした小売業特有の事象に対して、長年培ってきた豊富な小売業向けの技術やノウハウで柔軟な対応を可能にしている。その上に最新の需要予測やカテゴリーマネジメントなどを組み合わせ、ユーザー視点に立った統合ソリューションを提供しているというわけだ。
MDの計画と基幹を連携した統合ソリューション
JDA Softwareではさまざまなソフトウェアを提供しているが、SCM分野で中核を担うのが、短期および長期の需要予測を行う「JDA Demand」、在庫計画や補充発注計画で適正な在庫管理を実現する「JDA Fulfillment」、製販の情報共有によってサプライチェーンの最適化を図る「JDA Collaborate」の3種類である。
JDA Demandは、商品やチャンネルといった多次元階層による需要予測を通じて、販売計画の精度向上を実現するソフトウェアだ。実績データを基に欠品傾向や在庫過剰傾向など需要変化のある商品を事前に検出・報告する機能に加え、需要予測と販促情報を加味した販売計画の立案や予測精度を高めるさまざまな機能を提供している。
JDA Fulfillmentは、拠点・商品ごとに必要な発注タイミングと発注量を勧告し、在庫レベルの適正化を図るソフトウェアだ。商品と調達先に応じた仕入計画や安全在庫計画の立案、在庫の過不足が発生した際に知らせるアラーム警告、取引先別の発注ステータス管理、制約を考慮した生産計画立案にも対応している。
JDA Collaborateは、サプライヤーや卸業者と小売業者の間で需要計画や在庫情報、補充計画など必要な情報を共有し、サプライチェーンの最適化を図るソフトウェアだ。Webベースでの情報開示や計画の入力、取引先との計画乖離(かいり)分析、異常値の警告通知といった機能を持つ。共通の画面を見ながら計画に対する議論や確定ができ、ユーザーごとの閲覧・編集権限の付与も行える。
さらにこれらのソフトウェア群が、販売・商品計画立案といったMD計画を担う「JDA Enterprise Planning(EP)」や、店舗の品ぞろえ・棚割り計画を最適化する「JDA Intactix」、そして在庫管理、原価・売価管理、発注管理などMDの基幹を担う「JDA Portfolio Merchandise Management(PMM)」と密接に連携可能な点も大きな特徴だ。
JDAソリューション導入事例ハイライト
イオン株式会社
ショッピングセンター事業を中核に総合小売事業を展開するイオンでは、グループ全体におけるMDプロセス改革のさらなる浸透を目指して、2000年よりODBMS(現、JDA PMM)、Arthur(現、JDA EP)、JDA Intactixを順次採用。グループ企業にも展開を進めており、イオングローバルSCMでの受注充足率向上や在庫削減、イオンリテールでの欠品率改善や発注業務にかかわる生産性向上など、その効果は随所に表れている。
IKEA International A/S
34カ国で235店舗以上を展開する大手家具販売のIKEA International A/Sでは、低コスト国のサプライヤーへと変換することで、調達にかかわるコスト削減を試みていた。しかし、低コスト国での調達はどうしてもリードタイムが長くなるため、高精度な需要予測が必要不可欠といえる。また、計画変更に対する迅速な調整も困難だ。そこで2002年に当時のManugisticsが提供する需要予測および供給計画ソリューションを導入。販売・調達・配荷計画などが同期化され、グローバル規模でサプライチェーン全体の可視化とビジネス効率の向上を実現した。さらに、長期契約の継続によるコスト削減、契約分と需要の乖離(かいり)リスクの軽減、より効果的な管理体制の構築などにも役立っているという。
チェーンストアに必須のカテゴリーマネジメント
西本氏は「国内のチェーンストア企業は、残念ながらまだ本当の意味でチェーンストアになりきれていない企業もあります」と語る。
例えば、小売業では売上目標をどのような品ぞろえで達成していくのかが重要になるため、達成が難しいようであれば次々と品ぞろえを変えていく。しかし、国内のチェーンストアでは品ぞろえや販売価格を店舗主導で決めることが多く、全社的に見るとどうしても非効率な状況に陥ってしまう場合がある。本部が中心となってカテゴリーマネジメントやSCMを実践し、全店舗の棚割り計画を立案することで、大量発注でサプライヤーからの値入を最適化でき、その分マージンは増加する。さらに、本部による統括管理が行われることで、SCMソリューションの効果も大幅に拡大する。これが米国などで考えられているチェーンストア企業の経営戦略の1つである。
JDA Softwareでは、このような小売業の実情やカテゴリーマネジメントの重要性を理解しているからこそ、各ソリューションを密接に連携し、ユーザー視点に立ってサプライチェーン全体の最適化を目指している。「コンビニエンスストアやスーパーマーケットで、同じ売り場を定期的に観察していると、商品レイアウトや価格は店によって、また、同じ系列店でもエリアによって変わるなど、企業の意図が見えてきます。われわれはその意図をITで企業戦略に押し上げることで、小売業、サプライヤー、メーカー、卸売業といった、すべての業界を支援したいと考えています」(西本氏)
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