誤送信対策製品紹介:日立ソフトウェアエンジニアリング編
企業ポリシーに則したオリジナルのメール誤送信対策ができる「留め~る」
日立ソフトのメール誤送信防止製品「留め~る」は、「送信キャンセル」「時間差送信」「リスク判定」などの機能に加え、企業ポリシーに合ったオリジナルの機能を実装できる。
日立ソフトウェアエンジニアリングの「留め~る」は、あらかじめ用意された複数のメール誤送信防止機能の中から、ユーザー企業が自社のセキュリティポリシーに合った機能を自由に選択できる製品だ。さらに、「“もっとこうした機能が欲しい”という要望があれば、オリジナル機能の実装にも相談に乗れる」(全国営業本部 マーケット開拓推進部 企画グループ ITアーキテクト 篠島智彦氏)という。
同社では、留め~るの標準機能として、メールの送信者本人、同僚、システム(メールサーバ)の3方位で、誤送信メールの外部流出を社内で防ぐ(とどめる)6つの機能(一部オプション)を用意。そのほか、アップグレード機能として「送信者にメールの読み返しを促す自動通知機能」や、「添付ファイルをユーザー指定のパスワードで保護できる機能」「複数のあて先が含まれている場合に自動でBccへ変換する機能」「件名・添付ファイル名を記録(ログ管理)できる機能」を用意している。
さらに上記以外にも、冒頭で紹介したように企業ごとのポリシーに則したオリジナル機能の実装にも対応する。
以下、標準機能およびアップグレード機能について特徴的なものを順に解説しながら、これまでにどのようなオリジナル機能を実装したのか、事例を交えて紹介する。
一時保留や上長監査で誤送信メールを社内に“とどめる”
送信者本人によるメール送信キャンセル機能
電子メールの誤送信は、送信者本人が誤りに気付くケースがほとんどだ。この機能により、社外あてのメールは一定時間サーバ上に保管され、時間内であれば送信者本人が留め~るの専用Web画面上から送信をキャンセルできる。
保留時間は基本的には送信者が自分で設定する。ただし、企業によってはシステム側で固定にしたいという要望があるため、そうした設定も可能だという。また、この機能に対する拡張として、ある企業から「メール送信後に、保留画面上で再度送信ボタンを押さないと自動送信されない仕組み」を搭載したいとの要望があり、2度送信ボタンを押さないと外部へ送信しない機能を実装した事例があるという。
時間差配信機能
あて先に社内外のメールアドレスが混在している場合に、社外あてのみ遅延送信する機能。万が一メールに誤りがあった場合に、社外に送付される前に社内の同僚が気付けば、送信者に報告し、誤送信前に防ぐことができる。
上長承認機能(オプション)
社外あてにメールを送信すると、事前に設定(定義)した送信者の上長へ承認依頼のメールが自動送信される。上長が承認するまで、メールは外部に送信されない(承認されるまでは、送信ボタンを押してもサーバ上に保管される)。なお、こちらの機能については、「上長の定義」「承認の手順」の2ステップに分けてそれぞれの特徴を紹介する。
- 上長の定義
まず、上長の定義は、管理者が企業の組織構造に合わせて決定する「システム定義」、業務内容またはプロジェクトによってユーザーが上長を指定できる「ユーザー定義」、CSVファイルやWindowsのActive Directoryなど既存のデータベース情報と連携して一括登録する「アカウント連携定義」の3つから選択できる。「上長承認機能は、実運用時に上長をどう定義するかが課題になる。3つの定義方法を用意しておくことで、管理者が一括管理したい企業、プロジェクトごとに上長が変わるのでその都度柔軟に上長を変更したい企業など、あらゆる業務形態に対応できる」(第1開発本部 プラットフォーム設計部 ITスペシャリスト 肥後真一氏)
なお、上長が不在で承認できないという場合には、上長が自身の代理を指定することで、承認権限を委譲できる。その際に指定できる代理上長は複数人選択できる。
- 承認の手順
上長は自動送信されてきた承認依頼のメールに対し直接返信、または留め~るの専用Web画面上から承認操作をすることで、ユーザーにメール送信の許可・却下の指示をする。メールで返信する場合は、件名の先頭に「OK」や「承認」を記載すると承認、「NG」「却下」であれば破棄され、その旨が送信者に通知される。また却下する場合には、その理由を返信時のメール本文にコメントとして記載できる。
誤送信リスク通知機能
メールの件名、本文、添付ファイルの中身を機械的に識別(チェック)することで、システム側で誤送信と判断したメールを自動でサーバに保留。その旨を送信者に通知する。保留するか送信してよいかの判断は、企業側で事前に設定した「社外秘」などのキーワードとそれにひも付いたリスク値により決定される。
「例えば、金融業であれば住所のような形式の文面が2、3個入っていればNGなど。また、個数と共に住所でも“○○県”であればリスクが5だが、“○○市”であればリスクが3など、キーワードとリスク値を組み合わせた詳細な条件設定ができる」(肥後氏)
「こうしたリスク通知機能で問題となるのは、ユーザーが慣れてしまうこと。製品の質というよりも、事前の設定(キーワードとリスク値)をどうするかで、その後の運用が変わってくる」(開発事業部 ビジネス企画部 部長 加藤哲哉氏)。同社では本当に危険なメールを慣れで「よし」としてしまわないように、導入時点で企業のセキュリティポリシーに合った設定ができるよう、相談に乗っているという。
保留時間の自動延長
先ほどの誤送信リスク通知機能と同様に、社外あてに送信されたメールに「社外秘」などポリシーに反するキーワードが記載されていた場合に、それをシステム側で自動検知し、保留時間を延長する。延長時間はシステム側で事前に設定できる。
件名、添付ファイル名のログ管理
上長承認機能を搭載した場合のアップグレード機能として、誰がいつ承認したのかが、承認をしたメールの件名・添付ファイル名とともにサーバに保管される。なお、本機能は今後の追加機能として、処理時間や操作したユーザー、送信元/あて先アドレスなど詳細な情報をログ管理できるようになるという。
運用面でもメリットを提供
留め~るには、システム管理者向けの機能として、ユーザーアカウントの登録作業を容易にする仕組みを備えている。上長定義と同様に、Active Directoryや人事データベースとデータを連携できるほか、新規ユーザーについては、メール送信時に留め~るのサーバ側で自動判断され、登録を促すメールが自動で届く。
「導入時に管理者が一括登録していたつもりでも、実は抜け漏れていた、もしくは新しい社員が入社したなど、管理者が持っていた情報と現場の実態との整合性を後で保つことが容易にできる」(加藤氏)
「この手の製品は必ずID管理をどうするという話が出てくる。それに対し、留め~るはしっかりと対応していきたい」(篠島氏)
参考価格は、留め~るのパッケージライセンス費を含むOS付属のsendmail MTA版単体パックで、94万8780円(アカウント数250の場合、税込み)から。年間保守費用31万1535円が別途必要となる。
「誤送信抑止の手段は業種によってさまざまな(顧客によって何がやりたいかは異なる)ため、留め~るは、それに対して柔軟に対応していきたい」(肥後氏)
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