ERP NOW!【第3回】
動画で見る、スマートフォン対応ERPの最前線
スマートフォンに対応するERPが増えてきた。現場利用やマネジャーの利用を想定したアプリケーションが多い。どのように利用できるのか。各ベンダーが公開している動画で紹介しよう。
クラウドコンピューティングを活用したERP(関連記事:2011年は「クラウドERP」元年になる)と同時に、2011年に利用が広がると考えられるのはモバイルデバイス、特にスマートフォンやタブレットデバイスに対応したERPです。今回はスマートフォン対応ERPの利用動画を紹介し、その最新動向をお伝えしましょう。
勢い増すスマートフォン、タブレットデバイス
スマートフォンはiPhoneのブームをきっかけに国内でも利用が急増しています。Androidを搭載するスマートフォンも次々に発表されています。調査会社のMM総研が2010年12月に発表した資料(発表資料)によると、スマートフォンの2011年度の国内出荷台数は1545万台と予測。2015年度には2410万台に達し、契約数で従来型の携帯電話を上回るとみています。またIDC JapanはiPadをはじめとするタブレットデバイスが2011年に国内で142万台出荷されると予測しています(発表資料)。
スマートフォンやタブレットデバイスはこれまで個人利用が中心で、企業システムとの連携も電子メールやグループウェアの閲覧などに限られていました。しかし、社員の多くがスマートフォンを手にするようになり、また従来の携帯電話と比較して高度な処理が可能なことを考えると、スマートフォンでERPなどの基幹システムを利用する形態が普及するのは間違いないでしょう。
この流れに対応するためERPベンダーや関連するソフトウェアベンダーがスマートフォン、タブレットデバイス対応のERP関連ソリューションを提供し始めています。最初に紹介するのはSAPの中堅企業向けERPパッケージ「SAP Business One」をiPhoneで利用できるアプリケーションです。
動画でも説明されるように、このアプリケーションには承認などのワークフロー機能や事前に設定したKPIに基づいてアラートを発する機能、SAP Business One上のデータを参照し、特定のテーマについて分析したリポートを表示する機能などがあります。スマートフォンの特性を生かして、表示したリポートを電子メールなどで同僚と簡単に共有したり、ビジネスパートナーなどに電話する機能もあります。リポートの参照機能があることから、承認権限を持つマネジャークラス向けのアプリケーションともいえるでしょう。
次に紹介するSAPのスマートフォン、タブレットデバイス向けのアプリケーションもマネジャーの利用を想定しています。このアプリケーションは「SAP BusinessObjects Explorer」でiPhone向け、iPad向けのアプリケーションが用意されています。動画ではiPadでデモンストレーションをしています。
このアプリケーションは企業が持つERPやデータウェアハウスのデータベースにアクセスし、ユーザーが必要とする情報をキーワード検索で即座に表示できます。単に数字を表示するだけではなく、その数字を基に分かりやすいグラフを示せるのが特徴。動画のようにiPadの大きな画面で表示すれば、会議などでのプレゼンテーションにも使えるでしょう。
現場での利用も想定
持ち歩けるというスマートフォンやタブレットデバイスのメリットを考えると、スマートフォン対応のERP関連ソリューションは、ショップや工場などの現場でも有効です。次に紹介するアプリケーションはその特性を生かしています。
このアプリケーションはオラクルの「Oracle Retail Merchandising System」と連携し、アパレル店舗の店頭で利用することを想定しています。顧客に対して商品情報を示すことが可能です。該当の商品と併せて売れている商品を抽出して顧客に勧めることもでき、売り上げのアップが期待できます。バックエンドのOracle Retail Merchandising Systemにアクセスして商品の在庫を調べたり、売れ筋の商品、地域別の売り上げ推移などをリアルタイムで調べることも可能です。動画では「店舗で場所を取らず、iPad特有の簡単な操作で誰でもすぐに使える」とiPadアプリケーションのメリットを説明しています。
オラクルは他にも「Oracle Business Indicators」や「Oracle Business Approvals for Managers」「Oracle Business Approvals for Sales Managers」などでiPhoneアプリケーションを用意しています。いつでも、どこでも手軽に利用できるスマートフォン、タブレットデバイスはERPが担う業務プロセスの効率化に役立つといえるでしょう。
始動する国産ERPのスマートフォン対応
国産ERPもスマートフォン、タブレットデバイスへの対応を進めています。大企業から中堅企業を対象にしたインフォベックのERPパッケージ「GRANDIT」は、インターコムの給与明細システム「Web給金帳 V3」と連携する形で、スマートフォンに対応しました。給与明細などをスマートフォンで確認できます。また、ビーブレイクシステムズのERP「MA-EYES」は、経費申請など外出先からの利用が多い機能をAndroidデバイスから利用できるようにしました。キャッシュ・同期機能が組み込まれていて、オフラインの時でも機能を利用できます。
国内でのスマートフォン、タブレットデバイスの本格普及が2011年以降に予測されることを考えると、国産ERPのスマートフォン対応はこれからでしょう。国内では高機能な携帯電話に対応したERP関連のソリューションが既に数多くあり、スマートフォン、タブレットデバイス対応のERP関連ソリューションが増える素地はあるといえます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ソフトウェア開発生産性向上に取り組む企業は4割 調査で学ぶ「停滞」の正体
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
6
Synologyがエンタープライズ向けユニファイドストレージを投入 その実力は
-
7
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
8
迫る“インフラ崩壊”の危機 米英を相次いで襲った「PLC悪用攻撃」の全貌
-
9
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
10
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
AIエージェントで成果は出る? 調査結果に見る費用対効果の実態
-
9
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
10
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー