Windows 7の市場シェアは33%
Windows 8を待つべきか? 岐路に立つWindows 7移行の現場
Windows 7に移行するか、Windows XPに踏みとどまるか。大企業とSMBの間で温度差が生じている現状に、「Windows 8」というファクターの登場が複雑性を増大させている。
Windows 7のリリースから約20カ月が経過し、大企業と中堅・中小企業(SMB)の間で、移行の必要性についてかなりの温度差が出てきたようだ。
本稿で取材した数社の付加価値リセラー(VAR)によると、概して、大企業の方がSMBよりもフットワークは軽いという。
Windows 7がリリースされたのは2009年10月22日。2011年4月に米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、リリースから18カ月で、Windows 7のライセンスは3億5千万本販売されたと発表した。だがVARはこれに含みをもたせている。例えば、Microsoftが発表する数字は通常、出荷されているかどうかに関係なく新規PCに付属するライセンスの本数を表しているため、かなりの「シェルフウェア」が含まれるということだ。
Windows 8のデモで状況はさらに複雑に
Windows 7の品質と安定性を考えると、いずれ移行するのは当然だと、ほぼ誰もが認める。Windows 7のおかげで、Windows Vistaでの冒険が失敗した際の後味の悪さはかなり払拭できた。しかし、記録的な速度でWindows 7が普及しているということはない。さらに状況を複雑にしているのは、2011年6月初めにMicrosoftがWindows 8のプロモーションを始めたことだ(参考:Windows 8の新機能に、どう「タッチ」すべきか?)。これを受けて、何不自由なくWindows XPを運用しているベンダーは、新版が近い将来にリリースされる見込みであれば、あえてWindows 7に移行するメリットは実際のところ何だろうかと首をひねっている。
米調査会社IDCのアナリスト、アル・ギレン氏によると、これはMicrosoftにとっても大きな問題になり得るという。「Windows 8への関心が非常に高いため、MicrosoftはWindows 7の売り込みを続けると思う。企業ユーザーにWindows 8まで移行を先延ばしされるのは、何としても避けたいはずだ」(同氏)
さらに、VARの話では、新しいWindows 7搭載PCを調達しても、Windows XPにダウングレードするケースもあるらしい。米中部大西洋地域の大規模リセラーのある役員は「顧客は2種類のデスクトップOSをサポートしたがらない」と話す。ただし、ハードウェアを更新しWindows 7が標準だと見なす企業が増えるにつれて、今秋にはこの動きは収まると考えられている。
800人弱の従業員を擁するこのリセラー自体は、2011年8月に移行を実施する見込みだ。
米Datel Systems社長のラリー・ピランド氏によると、顧客のうち、教育機関や地方自治体、SMBではWindows 7の大々的な導入は見られないが、大企業では比較的動きがあるという。同社の顧客の多くはWindows XPに不満を感じず、「下手に手を出す」ようなことはしないため、Windows 7に移行した顧客は4分の1にも満たないはずだとピランド氏は明かす。
「大企業は、十分な資金があるので移行に踏み切りやすい。きっかけは何らかの新しいイニシアチブがあったり、ユーザーの満足度を向上するためであったりする。一方、SMBには緊迫感が全くない。結局、予算次第だ」(ピランド氏)
米Unisysは、最近、顧客の25%がWindows 7への移行を検討しており、21%が既に移行に着手していることを公表した。
Windows 7導入を積極的に報告するMicrosoft寄りのVAR
他のVARもWindows 7の動向を発表している。米eMazzanti Technologiesのカール・マッツァンティCEOは、この1年間で64ビットのWindows 7システムの導入が大幅に進んだため、同社顧客の85%は移行を実施していると推測している。
「Windows XPからの移行が必要な顧客はほとんど残っていない。弊社の助けを必要とする中堅以下の企業では、早期入れ替えがあった。残されている(XPベースの)顧客は、社内にIT担当者がいて、100~1000台のデスクトップPCを展開している大企業だ」とマッツァンティ氏は話す。「このような企業ではユーザーからの苦情もなく、アプリケーションもWindows 7に対応しているため、Windows 7への移行の優先度は低い」(マッツァンティ氏)
CRMおよびERPを専門とするサンディエゴのVAR、Rose Business Solutionsは、少し前にWindows 7に移行した。同社のリンダ・ローズCEOの話では、必ずしもWindows 7を訴求するということではなく、Windows 7を導入することで安定性が増し、利用可能なメモリサイズも増えるため、顧客にも移行を勧めているという。
ニューイングランドのある大手VARは、StatCounterの統計では2011年6月初旬のWindows 7の市場シェアは33%とされていたが、これは現状と一致していると話す。統計データはさておき、VARが求めているのは、デスクトップOSの移行によって発生するサービス提供の機会だ。これには、通常のハードウェアの入れ替えサイクルの一環でデスクトップOSをアップグレードする場合も含まれる。例えば、いかにアプリケーションの互換性がうたわれていたとしても、実際のテストは必要になる。
「移行と同時にVDI(Virtual Desktop Infrastructure)が導入されることが多くなっているし、VDIは、多くの顧客がデスクトップPCをWindows 7でライセンスする必要があるテクノロジーであると認められつつある。顧客は古いPCをアップグレードするか、新規購入するデスクトップPCにSoftware Assurance(SA)を購入している」とVAR諸氏は話す。
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