Windows XPからの移行を簡易化するツール紹介(前編)
Windows 7へのアップグレードに抵抗感が薄くなった理由
Windows XPからWindows 7への移行作業は困難を伴うケースが多い。そうしたWindows 7へのアップグレードを簡易化するツールが市場に多く登場してきた。
デスクトップ仮想化ソフトウェアを販売するベンダーは、Windows XPからWindows 7への移行がVDI(仮想デスクトップ統合)をメインストリームに乗せる引き金になることを期待していた。しかし、この期待は裏切られただけでなく、市場で最大手のデスクトップ仮想化ベンダーの1部門では、現在でも従来の方法でデスクトップソフトウェアを移行している。
しかし幸いなことに、大掛かりなWindows 7へのアップグレードを簡易化するさまざまなツールが提供されている。今回から2回にわたり、そうしたWindows XPからWindows 7への移行を助ける便利なツールを紹介する。
多くの企業がVDI製品の試験導入を2010年に実施しているか、2011年の実施を計画している。だが、完全なVDIシステムの構築が有効なのは、通常、デスクトップ管理によるメリットがインフラストラクチャの費用や複雑さなどのVDIの欠点を凌ぐ、大規模な仮想デスクトップ展開を行う企業のみである。
とはいっても「OSの新バージョンを従来の方法で展開するのは、特にWindows XPからWindows 7へ移行する場合、安上がりでも簡単でもない」と米Enterprise Management Associatesのアナリスト、スティーブ・ブラセン氏は指摘する。同氏によると「ITプロはアプリケーションの非互換性やユーザー状態の移行の問題、多数のコンピュータを新しいOSに移行するという時間のかかる作業に取り組まなければならない」という。
「Windows VistaからWindows 7への移行は簡単だが、Windows XPからの移行が問題だ」とブラセン氏。「しかし、時間の問題は、イメージングソリューションを使用することで容易に解決できる」という。
エンタープライズレベルのWindows 7アップグレードツール
Windows 7 SP1がリリースされ、エンタープライズITベンダーはWindows 7へのアップグレードに対して、より抵抗を感じなくなっている。米Microsoftは、大規模なWindows 7へのアップグレードの場合は、無償の「ユーザー状態移行ツール(USMT) 4.0」を使用して自動化することを勧めている。このツールでは付属のルールを使用して、移行対象のユーザーやアプリケーション、ファイル、設定をコントロールできる。欠点は、一度に1ユーザーしか移行できない点だ。
米Citrix SystemsのCitrix Online部門では、米Prowessの自動イメージングツール「SmartDeploy」を使用して、1100人の従業員のWindows XPからWindows 7への移行を自動化している。
仮想デスクトップソフトウェアプロバイダーの最大手の1部門が、なぜこのような方法で自社のデスクトップをWindows 7に移行しなければならないのだろうか。CitrixはWindows 7へのアップグレード戦略の一環として、XenAppとXenDesktopの採用を訴求しているのに。しかし、Citrix OnlineのITディレクターの1人は「仮想デスクトップが常に最良な移行シナリオになるわけではない」と話す。
Citrix OnlineのITディレクター、マイク・スーディング氏は「XenDesktopは複雑で、学習にも導入にも時間がかかる。しかもXenDesktopを使っても、デスクトップやノートPCのイメージングが必要だ」と言う。また、同氏が移行にVDIを使用しない理由は「紺屋の白袴(※)」でもあるらしい。
編注:他人のためにばかり忙しくして、自分のことをする暇がないこと。
次回は、SmartDeployを活用する具体的なメリット、その他の移行補助ツールなどを紹介する。
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