ハッカーの興味はAndroidに移行か?
ドライブバイ攻撃、アプリ経由の情報漏えい――米研究が発見した最新Android脅威
ウイルス対策製品を手掛ける米Dasientの研究チームが、Android端末に深刻な影響を及ぼすドライブバイ攻撃を実証した。
ウイルス対策製品を手掛ける米Dasientの研究チームが、Androidを搭載した携帯端末に深刻な影響を及ぼす「ドライブバイ攻撃」について発表した。この手口は、攻撃者がネットワークにアクセスして端末から情報を盗み出せてしまう恐れがある。
ドライブバイ攻撃などWebベースの脅威は、これまでデスクトップPCに限られてきた。しかしDasientのニール・ダスワニ最高技術責任者(CTO)は、ラスベガスで2011年8月に開かれたセキュリティカンファレンス「Black Hat 2011」でAndroid携帯に対する最新の攻撃について触れた。
「ユーザーが携帯電話でWebページを見ただけで、攻撃者がその携帯電話へのバックドアチャネルを開くことができてしまう攻撃を仕掛けることが可能だ」とダスワニ氏は言う。
同社の研究チームが発表したAndroid攻撃は、同スマートフォンのブラウザエンジンWebKitの脆弱性とSkypeのコーディングエラーを突いて、Androidに実装された隔離型セキュリティ機能のサンドボックスを迂回する。共通ブラウザエンジンのWebKitは、PC向けと携帯向けブラウザ多数に利用されている。Google Chrome、Apple Safari、HPのwebOSは、いずれもWebKitを使ってWebページを処理している。WebKitの脆弱性は過去にも発見され、その多くは修正されてきたが、一部の修正が極めて難しいメモリ破損問題は未解決のままだった。
Dasientの研究チームは、WebKitで浮動小数点を解析する方法に存在する問題を突いて(このコーディング技術は一般的にバッファオーバーフローの誘発に利用される)、攻撃者が悪質なコードを実行したり、ブラウザをクラッシュさせたりすることができるようにした。同様のWebKitの脆弱性は、過去にもAppleやGoogleが修正している。
「ブラウザに対し、浮動小数点を生成するよう指示を出す。しかしブラウザにはそれを正しく処理する方法が分からず、標的とした携帯電話へのネットワークアクセスを確立できるエクスプロイトの作成が可能になる」(ダスワニ氏)
同氏によると、携帯電話に対するドライブバイ技術は、過去にiPhoneで使われたことがあるという。あるWebサイトがドライブバイ技術を使い、ユーザーがそのサイトを見ただけでiPhoneのロックを解除して脱獄(Jailbreak)できるようにしていた。Android攻撃に関する詳細は、8月4日にBlack Hatが発表した。
Androidアプリ経由のプライバシー情報流出
Dasientはまた、何百というAndroidアプリからのデータ流出問題を発見した。同社の調査チームは1万本以上のAndroidアプリについて動作分析を行い、そのうち800本にプライバシー侵害問題があると報告している。この調査結果もBlack Hat 2011のプレゼンテーションで発表するという。
同社のチームは各アプリケーションのネットワーク関連の動作を調べた。中にはSMSと連動させたり、他のスマートフォンユーザーにメールを送るアプリケーションもあった。さらに、ユーザーの端末のIDとユーザー名、連絡先情報をさまざまなサーバに送信しているアプリケーションも見つかった。
多数のAndroidアプリに仕込まれているのが見つかったマルウェアの「DroidDream」と異なり、Dasientの調査で情報を流出させているのが発覚したアプリケーションの大半は、本来は悪質な意図を持っていたわけではなかった。ダスワニ氏によれば、多くはコーディングにミスがあり、中には開発者が重要なデータを保護するつもりで暗号の使い方を誤っていたケースもあった。別のケースではアプリケーションが重要な情報に何の安全対策も施さないまま暗号化せずに流出させていた。
「開発者がユーザーの個人情報に気を配っていないのは明らかだ。モバイルアプリケーションに対するユーザーの信頼を本当に維持したいのなら、アプリケーションのコーディングと開発にはもっと慎重になる必要がある」とダスワニ氏は話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
5
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
6
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
7
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
8
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
9
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
10
「サイバー犯罪株式会社」に潜入 現地調査で判明した“犯罪者求人”の実態
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー