念願の“GUI不要”が実現
Windows Server 8のリモート管理機能は合格点?
Windows Server 8はServer Coreが基本となり、GUIを前提としない管理機能が提供される。具体的には、どのようなことが可能になるのか?
さまざまな方法であらゆる種類のコンピュータ同士がつながり、インターネットに接続できる。それが、2012年のビジネススタイルだ。
従来のWindowsはリモート管理に強くないため、通常はサードパーティーのツールを利用しなければならなかった。また、拠点ごとにサーバを管理していて、自分がいる場所とは別の拠点で問題が発生した場合、そこに物理的に出向くか、現地にいる人間に対応を委ねなければならなかった。今や多くの企業が世界各地に分散しているデータセンターでサーバを運用していることを考えると、このような担当者の物理的な移動を要する管理スタイルは非常に問題だ。現在、実質的に求められているのは、サーバの設置場所や接続手段に関係なくサーバを操作し、管理できることだ。
米Microsoftが掲げる「Windows Server 8」の基本コンセプトは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、データセンター、サーバファームなど、接続の種類問わず、あらゆるサーバに選ばれるプラットフォームにすることだ。従って同社は、いかにサーバの数が多くても、いかにサーバ間の接続やインターネットとの接続方法が多様でも、Windows Server 8のOS自体、ひいてはサーバを容易に管理できるようにする必要がある。
筆者の観点では、Microsoftは以下の3点を軸に、この課題にうまく取り組んでいるように見える。
基本インタフェースと管理オプションをGUIからコマンドラインへ
これがリモート管理にどう関係するのかというと、Windowsが登場して以来、Windowsのシステム管理のセオリーを支配してきた考え方を変更したということだ。つまり概念のシフトに他ならない。Windows Server 8では、コマンドラインが基本の管理インタフェースになる(関連記事:Windows ServerからGUIが消える日)。従来のWindows GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)もインストールできるが、あくまでもオプションという位置付けだ。Windows Server 8では、基本的にServer Coreがインストールの標準になり、フルエディションは二番手になった。コマンドラインツールを使うと、リモートサーバの管理は格段に容易になるため、この変更は大きい。人的エラーを抑止できるし、繰り返し作業にスクリプトを使うのも簡単になる。接続や状態ステータスのリポートも収集しやすく、日常的に実行している各サーバ固有のタスクを汎用化することもできる。
つまり、(Metroスタイルを導入してGUI管理ツールのルック&フィールが変更されているにもかかわらず)GUIベースの管理から脱却することで、Windowsでは各コンポーネント、OS自体、その他のインスタンスやサーバに、統一された形でシームレスにアクセスできるようになる。机下のサーバも、離れた場所にあるデータセンターのサーバも、管理に使うのは同じコマンドプロンプトだ。クラウドで運用中のサーバインスタンスも同様で、コマンドラインからPowerShellを使って管理する。ツールが同じなので、慣れるのも早いだろう。どこからでも同じツールとコマンドを使って、Windowsを管理する。それが目標とする姿(ビジョン)だ。
ほぼ全ての機能がPowerShell対応に
以前のバージョンのWindowsを基盤とするサーバ製品やサービスの多くは、PowerShellが実体であり、GUIの管理コンソールはウィザードの完了時に実行されるコマンドレットを作成するための対話型機能にすぎなかった。Windows Server 8では、このコンセプトがOS全体に拡大されている。
サーバマネージャが実質どこからでもでも使えるリモートシェルに
例えば、運用環境に導入したばかりの10台の新しいサーバにファイルサービスを展開する必要があるとする。Windows Server 2008やWindows Server 2008 R2の場合、通常は、リモートデスクトップを使って各サーバに個別にログインし、サーバマネージャの役割の追加ウィザードを実行して、再起動し確認するという手順になる。そして、この決まりきった手順を、残りの9台のサーバの構成が済むまで繰り返す。新しい予算がついて100台のサーバを購入したら?
同様のサービスと役割を追加して展開する場合、Windows Server 8では次のような手順になる。まず、展開するサーバの1台、または管理コンソールにサーバマネージャをロードする。ウィザードを実行し、設定内容をXMLファイルにエクスポートする。このXMLファイルを残りの新しいサーバに配布し、PowerShellベースのコマンドラインからインストールを実行して、各サーバでXMLファイルが呼び出されるようにする。後は全てお任せだ。これなら整合性が確保されるし(チェックボックスなどのオプションを手作業で設定する場合、人的ミスが起きる可能性はぬぐい切れないが)、XMLファイルとOS付属のネイティブツールを使って多数のサーバをほぼ同時に展開できる。
その上で、サーバマネージャのGUI要素を使えば、複数のサーバをまとめて重要な情報を一元的に管理できる。1つのウィンドウからイベントを参照できるだけでなく、さらに便利なことに、好きなようにイベントを抽出することができる。膨大な数のサーバからデータを収集することも、拠点ごとにデータを収集することも自由自在だ。管理画面で特定の項目を選択すれば、選択した条件に該当するサーバを一度に操作できる。例えば、Webサービスがインストールされている複数のサーバを選択し、それらのサーバで稼働しているIISを再起動したり、サーバ自体を再起動したりできる。
MicrosoftがWindows Server 8でシームレスなリモート管理エクスペリエンスを実現するというビジョンを追及し続けてくれれば、あらゆる場所で管理者の仕事は楽になるだろう。
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