サーバOSにもかかわらずGUIを搭載したことがWindows普及の要因の1つだが、一方でGUIはリソースの浪費にすぎないという管理者もいる。Microsoftが下した決断とは?
IT管理者がひしめく部屋で「Windows ServerからGUIをなくそう」などと言おうものなら、ひんしゅくを買うこと請け合いだ。ドラッグとクリックで管理作業を実行できないようになるなんて、彼らにとっては考えたくもないことだ。
それでも、そんな発言をしたのが一介のユーザーなら、問題はない。
それが問題になるのは米Microsoftの場合だ。Microsoftのユーザーには、本格的なプログラミングなどしたこともない、小規模な環境で仕事をするIT管理者が多数いる。このようなIT管理者は、“ウィンドウ”のおかげ、つまり、デスクトップ中心のスキルでサーバを管理できるからこそ、Windowsを相手にしていられるのだ。
実際、それこそがMicrosoftが今日の地位を築いた方法だ。同社はGUIのおかげで、NetWareの勢力を奪い、UNIXに一歩先んじ、Windowsを世界中に普及させることができた。
その一方で、Microsoftは現在、何百台、何千台というサーバを運用する組織も顧客にしている。そのような組織では、ある構成を変更するために、数百台のサーバに1台ずつログインしてチェックボックスをクリックしなければならないという現状にうんざりしている。そんな作業は退屈で、エラーも起きやすいし、現在の給与水準を考えると到底割に合わない。
また、サーバの安定性という問題もある。誰もがナインファイブ(99.999%)のサーバの可用性を求めているが、それを達成できているWindowsサーバは少ない。そこで、現在はどこかにしまいこまれていて二度とスイッチを入れられることもなく、安らかに眠りについている古きよきNetWareサーバのことを懐かしむ声がいまだに聞かれる。ただし、この場合のNetWareはGUIがないNetWareサーバのことだ。つまり、サーバOSでGUIを使用することは、非常に高い負荷になり得る。デスクトップ環境の作成と管理にはかなりの処理能力が必要なので、そのような処理を繰り返し実行すれば、サーバの安定性に悪影響を及ぼしかねない。パッチについては言うまでもないだろう。Windowsが現在提供しているGUIなしのインストール形態「Server Core」では、GUIを実装する形態に比べて格段にパッチ数が少ない。
GUIを必要とするIT管理者もいれば、より高度な自動化を必要とするIT管理者もいる。そして、その二派の間にあるのが、GUIを使用しなければ格段にパフォーマンスが良くなるであろうサーバというわけだ。
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