MicrosoftはWindows 8のローンチに集中
10月リリース予定のOffice 15、iOS/Android OS対応版は戦略変更?
iOS/Android OS対応版の開発も順調(ほぼ完成?)とウワサされるOffice 15だが、Windows 8の優位性を重視するMicrosoftは方針を転換したようだ。iOS/Android OS版Office 15の明日はどっちだ?
米Microsoftは2012年7月16日、Office 15のβ版を開発者と企業ユーザーに提供する予定だ。iOS/Android OS対応が期待されているが、2012年10月にリリースされる製品版はWindows 8とWindows Phone用のバージョンのみ。米AppleのiOSや米GoogleのAndroid搭載端末向けのバージョンは同時には提供されない見込みだ。
当初は、WindowsだけでなくiOSとAndroidも含め3種類のプラットフォームのバージョンがOffice 15で導入される予定だった。しかし、Microsoftの戦略に詳しい情報筋によると、現時点では、注目のWindows Phone 8などWindows搭載端末向けのバージョンを10月にリリースし、iOSとAndroid端末向けのバージョンは2013年春まで延期になる予定だという。それはなぜか。
2012年の年末商戦に向けて、Windows 8、Windows Phone、Windows RT搭載タブレットに競争優位を持たせたいというのがその理由だという。
ある情報筋は「Microsoftは、あらゆる要素をWindows 8にからませて、Windows 8が幸先の良いスタートを切れるようにしている。Officeを望むiPadユーザーがいかに多いかをMicrosoftは認識している。しかし、クリスマスプレゼントにOffice搭載のiPadを購入できるのなら、誰もWindows端末を買おうとはしないだろう。Microsoftは一息つける時間が欲しいのだ」と話す。
しかし、大きな成功を収めているiPad向けのOffice 15のリリースを遅らせることは、長い目で見るとMicrosoftのセールスにとってマイナスだと、米独立系調査会社のDirections on Microsoftのアナリスト、ウェズ・ミラー氏は指摘する。
「この時点ではどんな話も推測の域を出ないが、そのような駆け引きをしているのだとすれば、それは間違いだと思う。MicrosoftがiPad用のOfficeをリリースしない期間が長くなればなるほど、iPadユーザーは『Officeなど要らない』と判断する可能性が大きくなる」(ミラー氏)
Microsoftは約2年前からiPadおよびAndroid搭載端末向けのOfficeの開発を進めていて、2012年秋のリリースが期待されていた。聞くところでは、iPadおよびAndroid用のOfficeはほぼ完成に近づいていて、2012年秋のリリースは全く問題なく実現可能だという。
ある情報筋によると「各種モバイルバージョンのOfficeを試したが、オンラインストアで公開できそうな状態だった。しかし今のところ、2013年3月か4月まで、マーケットに出てくることはないと思う。Microsoftは、Windows 8の売れ行きを見るつもりだ」と話す。
クラウドを使った各種Windows端末間でのOffice 15データの共有
Office 15はひとまずWindows搭載端末向けのバージョンしか提供されないというものの、クラウドを利用して各種Windows搭載端末間でシームレスにデータを移行したり、端末間で情報を共有する機能はよくできているという。
「Microsoftテクノロジーだけを使うのであれば、(Office 15は)どの(Windows搭載)端末でも使える便利な製品になる。どこからでもドキュメントを操作できるし、大容量のクラウドストレージを利用できるだろう」とある情報筋は言う。
「iPad用Officeアプリも提供? 見えてきた「Office 15」の全貌」でも紹介した通り、Office 15は、ホームユーザー向け、エンタープライズ向け、中堅企業向けと、複数のエディションを展開するMicrosoftの方針に変わりはない。どのエディションもクラウドからのダウンロードバージョンが用意される予定で、これらのバージョンは「Office 365」ブランドを冠することになる。Office 365は、コンシューマー向けと小規模・中堅企業向けの2種類のサブスクリプションモデルで提供される。
コンシューマー向けのOffice 365エディションでは、Skypeも提供し、Office 15のHomeエディションを一定時間無料で使用できるようにする。企業向けバージョンも同様の対応になる可能性があるが、リリースは2013年にずれ込む見込みだ。
Office 15の機能強化
Office 15では、Windows SkyDriveや他のクラウドストレージテクノロジーとの連係が強まり、Windows Liveアカウントが付属するという。会社や自宅で利用しているローカルのOfficeと、クラウドサービスのOffice 365間での切り替えをスムーズにすることが狙いだ。Google Docsの機能に似ているが、添付書類にしてドキュメントをメールで送らなくても、SkyDriveからドキュメントにアクセスできる。
また、OfficeのGUIとして不可欠な要素となったリボンに対するユーザーの不満にも対応し、Office 15ではリボンがデフォルトで非表示となる。表示したい場合は、手動で設定を変更できる(関連記事:絶えず変更されるUI、それでもOffice 2010に移行しますか?)。
その他、ソーシャルネットワーク(SNS)のフィードを直接Outlookに取得し、メール、連絡先、予定表の機能と連係できるようになる見込みだ。サポートされるSNSはFacebookとLinkedInで、Google+には対応しない。フィードを取得するソーシャルネットワークは指定でき、取得する情報を友人、家族、または仕事仲間の情報に限定するなどのカスタマイズが可能になるといわれている。
なお、Microsoftからはコメントが得られていない。
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