無線ネットワークに関する読者調査リポート
読者が直面した無線LAN障害、その最大の原因とは?
IEEE 802.11n準拠の無線LAN製品を導入済みなのは4割未満。障害監視や性能確保、セキュリティ対策が主な課題――。読者調査を基に、無線ネットワークの利用実態を探る。
TechTargetジャパンは2012年8月6日から8月19日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に無線ネットワークに関するアンケート調査を実施した。無線LANやモバイルデータ通信などの利用状況や用途、課題などを聞いた。本稿は、アンケート調査から明らかになった無線ネットワークの利用実態の一部を抜粋して紹介する。全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロードできる。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員の企業における無線ネットワークについて調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年8月6日~19日
総回答数:204件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
導入数トップは802.11g、802.11nの導入は39.2%にとどまる
導入している無線LAN機器の規格について聞いたところ、「IEEE 802.11g」が53.9%でトップとなった(図1)。現時点で最速の無線LAN規格である「IEEE 802.11n」の導入は39.2%にとどまり、「IEEE 802.11b」の42.2%をも下回るのが現状だ。
無線LAN環境を構築・運用する上での課題については、「運用管理や障害監視などが難しい」(36.8%)、「スループットの確保が難しい」(36.1%)、「情報漏えいや不正アクセスなどのセキュリティ対策が不十分」(35.4%)などが挙がった(図2)。「私物端末からの利用に関するポリシーが定まっていない」との回答も20.8%あった。スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを中心とした私物端末の業務利用(BYOD)が、なし崩し的に進むことに危機感を持つユーザー企業も少なくないだろう。
無線LAN障害の最大の原因は「電波干渉」
直近1年の間で発生した無線LAN障害の原因を聞いたところ、「建物や障害物などによる電波干渉」(18.8%)や「同一周波数を利用する無線LAN機器による電波干渉」(18.1%)など、電波干渉を挙げる人が多かった。「アクセスポイントの同時接続数の上限を超えた端末の接続」(11.1%)といった、機器性能の限界を超えた運用が原因となる場合も多いようだ。
導入数トップはバッファロー、ただし大企業はシスコを支持
無線LANを導入していると回答した人に、導入した無線LAN製品のベンダーを聞いたところ、導入数トップはバッファロー(66人)で、シスコシステムズ(53人)、アイ・オー・データ機器(26人)がそれに続いた。
従業員数1001人以上の企業に限ると、シスコシステムズ(36人)がバッファロー(16人)を逆転。大企業においてはシスコシステムズが大きな支持を集めている。大企業の場合は導入規模が大きくなる場合が多く、金額ベースでは、全企業規模でもシスコシステムズがバッファローを上回る可能性が高い(参考:【市場動向】2012年、最も選ばれている無線LANベンダーはどこだ?)。
一方、従業員100人以下の企業で回答者数が10人を超えたのはバッファロー(21人)のみであり、シスコシステムズは3人だった。
社外無線ネットワークの主役は3G、3.9G回線
携帯電話事業者のモバイルデータ通信や公衆無線LANサービスなど、社外における無線ネットワーク環境の利用状況についても聞いた(図5)。モバイルデータ通信では、NTTドコモ「FOMA」(22.1%)の利用率がトップで、イー・アクセス「EMOBILE G4」(10.8%)などが後に続いた。NTTドコモの「Xi」(10.8%)やKDDIの「+WiMAX」(9.3%)、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」(同)といった、3Gよりも高速な3.9Gモバイルデータ通信の利用も進みつつある。
公衆無線LANサービスの利用は、モバイルデータ通信と比べて少ないのが現状だ。最も利用者が多いサービスでも、ソフトバンクテレコム「BBモバイルポイント」の3.9%にとどまる。外出先でのデータ通信の主流は、公衆無線LANではなくモバイルデータ通信といえそうだ。公衆無線LANに対してセキュリティの懸念を持つ企業が少なくないことが、その背景にあると考えられる(参考:スマートフォンによる公衆Wi-Fi利用は危険? 専門家が指摘)。
ただし、スマートデバイスの普及で増加する一方のトラフィックに対処するため、携帯電話事業者は公衆無線LANサービスの拡充を急いでいる(参考:スマートフォンの通信障害でも回線を止めない「無線LAN」の活用法)。単体の公衆無線LANサービスの利用が進むかどうかはともかく、モバイルデータ通信の利用者が公衆無線LANサービスを利用する機会は増える可能性がある。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果(モバイルデータ通信や公衆無線LANサービスの用途、課題など)とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。
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