2014年上半期には製品版が登場
コードネーム「Hekaton」――注目される「SQL Server 2014」の新機能とは
米Microsoftは「SQL Server 2014 」のCTP 2をリリースした。これは最後のパブリックレビューに当たり、フル機能版に近い実装が施されている。目玉機能の「In-Memory OLTP」やAzureとの連携機能についてリポートする。
米Microsoftは「SQL Server 2014」の第2コミュニティー技術プレビュー版(CTP 2:Community Technology Preview 2)をリリースしたと発表した。これはフル機能版に近いリリースで、2014年上半期に製品版が登場する前の最後のパブリックレビューとなる。
CTP 2は、使用期限の2014年3月31日まで、同社技術情報ポータルのTechNet Evaluation Centerからダウンロード可能で、「Windows Azure」上で動作する仮想マシン(VM)としても利用できる。
Microsoftは2013年に「SQL Server 2014 CTP 1」をリリースした。同製品のダウンロード回数は3万6000件を超える。同社はその間、100社以上の顧客の協力を得て、バグの洗い出しと新機能の実装を進めてきた。同社では、CTP 2のリリースについては数万件以上のダウンロードがあると予想しており、引き続き2014年の製品版のリリースに向けて仕上げ作業と残りの機能の実装作業を進める方針だ。
SQL Server 2014のIn-Memory OLTP
CTP 2の目玉機能として宣伝されているのが「In-Memory OLTP」(コードネームは「Hekaton」)だ。
この新機能は、読み込みが多いワークロードを伴うオンライントランザクション処理(OLTP)操作において大幅なパフォーマンス向上を実現するという。SQL Server 2014上で動作するリレーショナルデータベース(RDB)は、インメモリ動作に最適化されたテーブルを、同サーバのコアデータベース管理コンポーネントの一部としてネイティブでサポートする。ハードウェアをアップグレードしたり、製品を別途購入したり、既存のアプリケーションを書き直したりしなくても、これらの新機能を利用できるのが大きな魅力だ。Microsoftによると、ユーザーのシステムが「SQL Server 2012」を動作できるのであれば、SQL Server 2014の動作も可能だという。
CTP 2がリリースされたことで、ユーザーは同製品のインメモリ機能を本格的にテストできるようになった。このインメモリ機能では、T-SQLとの互換性が改善されるとともに、インデックスタイプのサポートも拡大した。CTP 2には、新しいアドバイザリーツールも含まれ、どのテーブルがインメモリでの実行に適しているかをデータベース管理者はこのツールを使って判断できる。さらに、CTP 2リリースのインメモリ機能はSQL Serverの「AlwaysOn」機能とも連携したことで、全てのデータベースで高可用性が実現されるようになった。
CTP 2で利用可能になったもう1つの機能が「遅延永続化」である。これは、ログがディスクに書き込まれるのを待つことなく、ログがメモリに書き込まれる時点で、成功したコミットをリポートするようにインメモリOLTPトランザクションを設定できるというもの。ただしこの機能を使用するのは、ある程度のデータ消失を許容できる場合に限定すべきである。例えば、ほとんどのデータが存在すれば個々の記録は重要ではないというような場合だ。このようなケースでは、遅延永続化によるパフォーマンス向上のメリットが得られるかもしれない。
Windows Azureとの連携機能
CTP 2のリリースに関して、MicrosoftはWindows Azureとの連携も強調している。同社がSQL Server 2014を「ハイブリッド型クラウドプラットフォーム」と呼んでいるのもそのためだ。例えば、CTP 2にはAzureバックアップ機能が組み込まれているため、Azureと連携したバックアップ/リカバリ作業が簡素化される。また、バックアップ処理中にバックアップファイルを暗号化することも可能となった(オンプレミスバックアップの暗号化も行えるようになった)。Microsoftはクラウド連携戦略に力を入れており、他のバージョンのSQL Server向けにも、Azureと連携したバックアップ処理を容易にするためのツールを近くリリースする予定だ。
CTP 2リリースでは、Azure VMを「AlwaysOn可用性グループ」のレプリカとして利用できる。SQL Server 2012で導入された可用性グループ機能は、プライマリレプリカと複数のセカンダリレプリカで構成されるフェイルオーバーサービスを提供する。SQL Server 2014では最大8個のセカンダリレプリカを構成することができ(SQL Server 2012の2倍)、これらの任意のレプリカをAzure VMとして作成できる。また、CTP 2のセカンダリレプリカはSQL Server 2012のセカンダリレプリカとは異なり、ネットワークがダウンしたり、クラスタサービスがクォーラムを失ったりしても、読み込みワークロードを実行できる。
CTP 2のインストールに際しての注意点
CTP 2をインストールする前に、幾つかの問題を考慮に入れる必要がある。まず、Microsoftのカスタマーサービス&サポート(CSS)はCTP 2をサポートしていない。つまりCTP 2を試すのであれば、独力で行わなければならない。また、CTP 2を本番環境にインストールすべきではない。MicrosoftはCTP 2をテスト目的でしか提供していない。加えて、MicrosoftはCTP 2を下位レベルの本番用SQL Serverインスタンスと一緒にインストールすることについてはサポートしておらず、これらのインスタンスを残したままのインプレースアップグレードやSQL Server 2014 CTP 1からCTP 2へのアップグレードもサポートしていない。
CTP 2をインストールする前に考慮すべき問題は他にもある。例えば、ドメインコントローラー上にCTP 2をインストールすることはできない。また、CTP 2をインストールすると、一部のインターネット関連機能(「カスタマーエクスペリエンス向上プログラム」や「エラーと使用状況レポート」など)がデフォルトで有効になる。加えて、SharePoint 2013のアプリケーションはCTP 2に対応しない。アドインの「Master Data Services Excel」もCTP 2リリースには含まれていないので、SQL Server 2012用のアドインをインストールする必要がある。
CTP 2をインストールするに当たって注意すべき問題に関する詳細な情報については、MicrosoftのWebサイトの記事(CTP 2のリリースノート「SQL Server 2014 Community Technology Preview 2 (CTP 2) Release Notes」(英語)を参照していただきたい。インストール要件に関するMSDNの記事「Hardware and Software Requirements for Installing SQL Server 2014」(英語)も参考になると思われる。
CTP 2を試す
SQL Server 2014 CTP 2はフル機能版に近いリリースなので、ユーザーにとって関心のある機能のほとんどをテストできるはずだ。この製品をいろいろと試してみれば、In-Memory OLTPやAzureとの連携機能の他にも、これまでメディアで紹介されることが少なかった新機能にも気付くだろう。例えば、SQL Server 2014には「テーブルパーティションスイッチ」機能と「オンラインインデックス再構築(OIR)」機能のロック優先度を管理する機能が含まれる。また、個々のパーティションに対してオンラインでインデックスを再構築する機能もある。
SQL Server 2014 CTP 2を試せば、この製品があなたの会社のニーズに合っているかどうか判断できるはずだ。Microsoftは最終製品のリリース時期については「2014年上半期」と曖昧な言い方をしているが、それまでの間、同製品について詳しく知りたいのであれば、CTP 2を利用しない手はない。
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