「ネットワークセキュリティ製品」を使い倒すには【第1回】
次世代ファイアウォールやWAFが“期待外れ”な6つの理由
サイバー攻撃の高度化に対処すべく、進化を続けるネットワークセキュリティ製品。だがユーザー企業は、現状のネットワークセキュリティ製品に必ずしも満足していないことが調査から明らかになった。その理由とは?
高度化するセキュリティ脅威の出現に対処するため、新しいセキュリティ対策技術が次から次へと生まれています。例えば、
- 次世代ファイアウォール(NGFW)
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)
- レピュテーション型の侵入防止システム(IPS)
などがその一例です。さまざまなベンダーが現在、新しいネットワークセキュリティ技術を搭載するこうした製品を数多く市場投入しており、それぞれがセキュリティ技術の有効性を主張しています。
しかしながら多くのユーザー企業は、さまざまな理由から新しいネットワークセキュリティ技術や製品に満足しておらず、不十分だと考えているのが現状です。この事実は、米Juniper Networksの委託で米調査会社Ponemon Instituteが実施した、ネットワークセキュリティ技術の有効性に関する調査「Efficacy of Emerging Network Security Technologies」の結果から分かりました。
ネットワークセキュリティ技術/製品は、なぜユーザー企業に満足されていないのでしょうか? 本連載では、新しいネットワークセキュリティ技術の有効性に関する調査結果を基に、ネットワークセキュリティ製品に対する期待と現実のギャップを分析し、ネットワークセキュリティ製品を生かすための工夫について解説していきます。
連載:「ネットワークセキュリティ製品」を使い倒すには
ネットワークセキュリティの活用実態を調査であぶり出す
新たなネットワークセキュリティ技術に投資する理由として「サイバー攻撃の高度化や脅威の変化に対応すること」を挙げるユーザー企業は少なくありません。ただし、セキュリティ侵害や頻繁に発生するサイバー攻撃を防止することが、IT投資の最大の動機というわけではないのです。
むしろ多くのITおよびITセキュリティの専門家を昼夜問わず悩ませているのは、研究開発や事業戦略、工業プロセスを含む、企業の知的財産の漏えいです。ネットワークやエンタープライズシステムへの潜入に必要な認証資格情報の取得も、ネットワーク攻撃の目標の1つであり、対処が必要になります。
こうした中、ユーザー企業は、最新のネットワークセキュリティ技術をどのように利用しているのか。こうした最新技術に満足しているのか。深刻なセキュリティ脅威に対処できているのか。今回の調査の目的は、ネットワークセキュリティ技術に関わるこうした実態を明らかにすることです。
調査は、日本、米国、英国、オーストラリア、ドイツ、フランス、インド、中国、ブラジルの9カ国において、総数4774人のITおよびITセキュリティの専門家を対象としました。全ての回答者は、企業の新たなネットワークセキュリティ技術とその導入に精通し、平均10年のITおよびITセキュリティの経験を持っています。
調査実施の背景
本連載は、Juniper Networksがスポンサーになり、Ponemon Instituteが実施した「Efficacy of Emerging Network Security Technologies」の調査結果を引用しています。この調査は、Juniper Networksがベンダーの立場を離れ、新しいネットワークセキュリティ技術の有効性について、ユーザー企業の視点による中立的な立場で調査をしたいと考えて実現したものです。そのことが今後、Juniper Networksも含めたベンダーが、より効果的なネットワークセキュリティ技術を開発することに寄与すると考えたからです。
調査から見えてきたネットワークセキュリティの有効性の実態
調査の結果、新しいネットワークセキュリティ技術の有効性の実態に関して、以下のようなことが分かりました。
- Webトラフィックを保護することは、大多数の企業にとって最も重大なネットワークセキュリティの関心事項。だが回答者の大半は、ベンダーが提供するネットワークセキュリティ技術に満足していない
- 回答者のほぼ半数(48%)は、「Webアプリケーションのダウンやインターネットトラフィックの妨害を目的とした攻撃を最小限に抑える目的のために、新しいネットワークセキュリティ技術は十分な効果を発揮していない」と考えている
- 新しいネットワークセキュリティ技術は、企業へのサイバーセキュリティ攻撃の一部にしか対応できていない。実際、本調査で見られるほとんどのユーザー企業は、過去2年に平均2件のセキュリティ侵害を受けている
- ユーザー企業は、いまだ内部情報の外部流出といったインサイドアウト型の脅威に注目している。ただし、外部から内部への攻撃などのアウトサイドイン型の脅威が増加していることから、インサイドアウト型/アウトサイドイン型双方の脅威に対処できる、より包括的な対策を講じる必要がある
- NGFWとWAFは、誤検知の懸念により、しばしばモニタリングのみの「ノンブロッキングモード」で利用されている。インストールベースの大部分がこのような利用形態にあると考えられる。そのため、新しいネットワークセキュリティ技術は、機密情報の漏えいおよびネットワーク侵害を食い止めるのに十分な効果を果たしていない
- 新しいネットワークセキュリティ技術は、一般的なマルウェアやrootkit、高度なマルウェアを減らすのに役立つ。一方、ゼロデイ攻撃やハクティビズム、SQLインジェクションには十分な効果を果たしていない
このように、さまざまな理由から、新しいネットワークセキュリティ技術や製品に満足しておらず、不十分だと考えているユーザー企業が多いのが実態です。第2回は、調査結果をより深く掘り下げていきます。
執筆者紹介
森本昌夫(もりもと まさお) ジュニパーネットワークス株式会社
サーバ、ストレージ、セキュリティビジネスにおけるマーケティングおよびセールスの幅広い経験を有する。特に近年は、外資系ベンダーのセキュリティ部門のカントリーマネジャーを務めるなど、セキュリティに関する活動にフォーカスを置いている。現在はジュニパーネットワークスのセキュリティソリューションズ統括部長として、クライアントデバイス向けからデータセンター向けまでの広範なセキュリティ製品/サービスの普及、促進をミッションとする。
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「ネットワークセキュリティ製品」を使い倒すには
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