相次ぐ攻撃でリスク意識が上昇
金融システムを揺るがすサイバー攻撃は発生するか 警戒強める銀行
英国では、サイバー攻撃を脅威と認識する銀行が急増している。その背景には、2013年に相次いだサイバー攻撃があるようだ。イングランド銀行の調査結果から明らかになった。
英国の銀行のうち4分の1は、オペレーショナルリスク(業務遂行に伴って発生するリスク)を、英金融システムの安定性を揺るがす大きな脅威として認識している。また、その半分以上の銀行は、複数回の攻撃を受けた結果、サイバー攻撃は脅威であると認識するようになったと、イングランド銀行(英中央銀行)が先日明らかにした。
イングランド銀行は2013年11月、2013年後半を対象とした「Financial Stability Report」(金融の安定性に関するリポート)を発表した。その中で、25%の銀行はオペレーショナルリスクを脅威として認識し、その内の半数以上はサイバー攻撃を主要リスクであると考えている。この数字を2013年前半のリポートと比べてみると、オペレーショナルリスクを脅威とみていた銀行は全体の23%、サイバー攻撃に至ってはそのわずか6%だった。
2013年の相次ぐサイバー攻撃で問題意識が急上昇
「この半年の間に、複数の英銀行と金融市場インフラがサイバー攻撃の標的となった。サービスの停止に追い込まれたケースもある。英銀行のオペレーショナルリスクに関する自己資本比率規制の額に比べれば、損害は大きくはなかったが、攻撃を受けたことでインフラの脆弱性が明らかになった。この脆弱性が悪用されてサービスが停止すれば、金融システムに掛かるコストは膨大な額となり、多くの金融機関がそのコストを負担することになる」とリポートは指摘している。
セキュリティ専門企業、英Thalesでサイバーセキュリティ部門の責任者を務めるピーター・アームストロング氏は、「高い相互連関性、中央集中型市場への依存、複雑なレガシーITシステムなどの要因が入り組んでいるため、銀行はサイバー攻撃に狙われやすくなる」と説明する。
同氏は今後の対策について、次のように語った。「進化を続ける脅威と攻撃ベクトル(※)に対して金融機関が確実な防御策を講じようとするならば、プロセス、人、物理的な対策を緊密に統合した包括的なサイバー防衛策が不可欠だ」
※攻撃ベクトル(Attack vector):攻撃者がコンピュータやネットワークに侵入するための経路または侵入の手段。
銀行は、従業員に再教育、スキルの再習得を促す努力をさらに強化しなければならない。重視すべきは、ソフトスキル、知的財産(IP)、企業文化を維持すること、最新の銀行内部のセキュリティポリシー、そしてレガシーシステムの知識だ、とアームストロング氏は語る。
「サイバー問題について連携が広がれば、サイバー犯罪に対する意識の向上や、セキュリティポリシーの継続的な評価や調整にもつながる。特に現在は、従来のITセキュリティソリューションでは追い付けないほどの速さで外部からの攻撃が増えているからだ」(同氏)
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