見えてきた製品、技術の勝敗
モバイル製品、2013年の「勝ち組と負け組」をあえて示す
企業で続々と利用されて始めているコンシューマー発祥の技術。だが、本当に定着しつつある「勝ち組製品」と、ユーザーに見放される「負け組製品」が生まれている。モバイルの勝ち組、負け組を独断で選んでみた。
2012年にブレイクしたコンシューマライゼーションは、2013年に完全にその地位を確立したが、明暗が分かれる結果となった。
従来のITのベンダーの中には、なかなか適応できずにいるベンダーもいれば、先を越されまいと積極的に買収や新技術の開発を進めているベンダーもいる。本稿では、コンシューマライゼーション関連の技術、ベンダー、製品のうち、2013年を好調のうちに締めくくったものと、2014年に厳しい戦いが待ち受けているものを幾つかピックアップした。
負け組:Windows RT
依然としてWindows RTについては、市場の関心は低く、多くの混乱がある。この傾向は特にエンタープライズ市場で顕著だ。米Microsoftはこのコンシューマー向けのタブレットOSをビジネスユーザーにとって魅力のあるものにしようと、Windows RT 8.1に人気のメールソフトウェア「Outlook」を追加したが、市場のシェアは惨憺たるままだ(ここ数年、新しいタブレットを投入していないBlackBerryをわずかに上回る程度)。Microsoftは他にも、Windows 8とWindows RTの混乱を緩和しようと、第2世代のSurfaceタブレットの名称から「RT」を削除している。
勝ち組:エンタープライズモバイル管理
2013年初頭、市場にあふれていたスタンドアロンのモバイル端末管理(MDM)やモバイルアプリケーション管理(MAM)製品は、その多くが2013年の年末までに大手ベンダーに飲み込まれた。2013年11月に米IBMは米Fiberlinkを買収し、米Oracleは米Bitzer Mobileを買収した。今や、ほぼ全ての大手ソフトウェアベンダーが、エンタープライズモバイル管理(EMM)製品やサービスを提供している。Microsoftと米Citrix Systemsも、2013年に新しいEMMスイートを発表している。こういった動きはEMMの包括的なアプローチの有効性を裏付けるものだが、さて、2014年に企業はこの流れに付いてくるだろうか?
負け組:エンタープライズ市場におけるAndroid
Androidの2013年のエンタープライズ市場における存在感はいまひとつ。一部の企業からは、Androidはアプリストア「Google Play」からマルウェアに容易に感染し得る、セキュリティの低いOSだと考えられている。安全でエンタープライズ対応のAndroid端末ベンダーの旗手である韓国Samsungでさえ、状況はかなり厳しい。米紙The Wall Street Journalは2013年12月のある記事で、SamsungのKNOXセキュリティプラットフォームは「遅延とブログラミングバグに悩まされている」と報じた。
企業がWindows PCの代わりとしてタブレットを検討する場合、ほぼ間違いなく、セキュリティの懸念が少なく、バッテリーの持ちがよい米AppleのiPadを選ぶ。スマートフォンについては、相変わらずAndroidのOSバージョンの混在が大きな問題の1つだ。主要な端末の多くは、2013年末までAndroid OSの最新版を利用できず、エンタープライズ管理を複雑にした。
勝ち組:Dell
米Dellは、2014年に向けて明確な戦略と方向性を打ち出し、動乱の2013年から抜け出した。マイケル・デルCEOと億万長者の投資家カール・アイカーン氏の間で繰り広げられた激しい論争を経て、再び株式非公開企業となったDellは、Windows 8搭載のタブレットとノートPCの鉄板の新ラインアップを携えて、エンタープライズ市場での勝負に出ている。Dell独自のEMMプラットフォームも2013年12月にリリースされ、このミッションを後押ししている。
負け組:BlackBerry
2013年、社名をResearch In Motionから変更したカナダのBlackBerryは、新しいOSを搭載した新端末をリリースしてまき直しを図った。だが、コンシューマーとエンタープライズを折衷するというBlackBerry 10のアプローチは、どちらのユーザーの心も捉えることはできなかった。2013年11月にCEOのソーステン・ハインズ氏は退任した。後任のジョン・チェンCEOは、企業ユーザーに公開書状を送り、「BlackBerryが滅亡するという報道は荒唐無稽な話だ」と訴えたものの、これは希望の種にはなっていない。2014年、BlackBerryはEMMに狙いを定め、BlackBerry Enterprise ServiceのiOSとAndroidの管理機能に注力する模様だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「AIっぽい広告」の山に埋もれさせない AIマーケで着実に成果をだす秘訣とは? -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「広告投資」調査レポート2026:勝ち組企業は何に投資しているのか? -
製品資料
[株式会社Helpfeel] 「問い合わせの渋滞」を解消、情シスの負担を軽減する“次世代型AI”活用方法 -
製品資料
[株式会社Helpfeel] 対話型AIエージェント×RAGで社内情報の検索/問い合わせを効率化するには? -
技術文書・技術解説
[株式会社クレスコ] ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
「ネットワークインフラの現状と課題」に関するアンケート
-
3
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
4
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
5
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
6
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
7
APIキー奪取から3時間でクラウド掌握 Anthropicが暴いた「バイブハッキング」の現実的な防御策
-
8
「AIならすぐできるはず」と言われるエンジニア 他職種とのずれを埋めるには
-
9
AIエージェントが自社を襲う 人間より危険な「非人間ID」の盲点
-
10
AIエージェントはどう作る? まず押さえておきたい重要技術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー