ショッピングと同じくらいに簡単?
本当は簡単なAmazon Web Services(AWS) 3つの活用事例を紹介
Amazonは、「Amazon Web Services」(AWS)を「Amazon.com」と同じくらい簡単に使えるようにすることを目指しているが、多くの企業は依然として「どこから始めたらいいのか」という基本的な問題に頭を悩ませている。
「多くの『Amazon Web Services』(AWS)プライベートクラウド利用者は、『Amazon Virtual Private Cloud』(VPC)にサインアップするところから始めている」と米Amazon Web Servicesの主任プロダクトマネジャー、ポール・ダフィー氏は話す。「オンプレミスから拡張したいときはそこが出発点になる」という。VPCを利用すると、AWS内に定義された論理的に分離されているネットワークを作成できる。この新しいネットワークは、利用者の既存資産に統合でき、企業で現在使用しているのと同じIPアドレスや、同じまたは同等のネットワークアクセスコントロール(ファイアウォールなど)を通ってアクセスできる。
VPCを利用すると、オンプレミスのリソースに接続するサブネットや、AWSで管理されるVPN(Virtual Private Network)を使用するサブネットを作成できる、とダフィー氏は話す。「VPNゲートウェイを記述すれば、そこで(新しいAWSサブネットを)通常のネットワークの延長のように使える」。また、VPC内にはWindowsサーバやLinuxサーバも展開でき、「基本的にオンプレミスの場合と同じように統合できる」という。
また、利用者自身のデータセンターで使っているのと同じツール(例えば「Microsoft System Center」)をAWS資産の管理にも使用できる。「新しいマシンは単純にActive Directoryドメインに参加するので、その点、エンドポイントの管理方法を変える必要は一切ない」(ダフィー氏)
ただし、クラウドワークフローに展開するインスタンスの種類には注意が必要であり、目的に合った種類を選択することが重要だという。また、セキュリティポリシーを再確認し、AWSのセキュリティグループ内でインスタンスを開始する必要がある。
事例:AWSを3つの用途で活用
ビジネスプロセスマネジメント(BPM)ソフトウェア会社、米Appianは、6年ほど前からインフラプロバイダーとしてAWSの利用を始めた、と同社クラウド&コミュニティーサービス担当副社長マイルズ・ウェーバー氏は話す。現在、同社はAWSを主に3つの用途に活用しているという。
第1に、同社が提供するSaaS(Software as a Service)のバックエンドとして。第2に、同社のソフトウェアエンジニアリングチームのスケーラブルな開発用環境およびテスト用環境として。第3に、同社の業務用ITアクティビティのインフラの大部分としてだ。「ほぼ全てをAWSへ移行することが合理的だった。その結果、今では当社のIT業務全体の95%にAWSを活用している」(ウェーバー氏)
同社にとって、AWSの魅力は、サービスベースのアーキテクチャ、従量課金制、継続的な機能向上にある。ウェーバー氏は「データセンターのアウトソーシングはありふれている。当社が重視しているのは、必要なときには多く利用でき、需要が低下したときに従業員300人への影響を心配しないで済むところだ」と話す。
ウェーバー氏の見解によれば、AWSは、成熟したソフトウェア開発グループやITグループを擁する企業に向いているという。「未成熟な企業には、AWSより緻密なサポートが必要になるかもしれない」(同氏)
クラウドプロバイダーを選ぶ際、企業にとって最大の不安の種は、「選択したプラットフォームが将来消滅してしまうことにある」と話すのは、米コンサルティング会社Alsbridgeのディレクター、リック・サイズモア氏だ。これに関連して、選択したプラットフォームが競争から脱落してしまう懸念もあるという。「Force.com、Google Apps Engine、Microsoft Azureのようなプラットフォームなら長期的に維持されると思うかもしれないが、今の時代、現状維持だけでは不十分だ。使用するプラットフォームは常に新しくしていかなければならない」(同氏)
利用しているクラウドベンダーが製品を提供できなくなったり提供を中止したりした場合どうなるかを考えておかなければならない。それには、「アプリはどうなるか、データはどうなるか、データはいざというときに取り出せる形式になっているか」という問いに答えを用意しておくことだ、とサイズモア氏は話す。
クラウドに多層アプリとサービスを展開するソリューションを提供している米CloudVelocityのマーケティング担当副社長グレッグ・ネス氏は、クラウドインフラプロバイダーの中でもAWSは「最先端を行っている」ようだという。「これまでは、AWSを採用するのは開発やテスト、それに完全に新しいアプリケーションが中心だったため、多額のIT支出にまでは手が届かなかった」とネス氏は言う。だが、AWSの勢いはすさまじく、小・中規模から大規模の企業まで認知度も高くなっており、状況は変わりつつある。
また、ネス氏によれば、AWSプライベートクラウドには圧倒的な価値提案があるという。例として、ネス氏は、大企業が従来のサードパーティーのデータセンタープロバイダーを使って、障害復旧テストの“リハーサル”を行う場合を想定してこう説明した。「最低でも約2万ドルのコストが掛かり、大量の書類に記入し、あらかじめ入念に計画を立ててから実行しなければならないだろう。AWSを利用すれば、同じことを非常に安価なコストでほぼいつでもすぐ実行できる」
しかも、AWSを利用するのに高度なスキルは不要だ。「これらを総合して考えれば、(AWSを利用する)組織は、新しいレベルのアジリティ、アップタイム、可用性、効率を実現できることになる」とネス氏は語った。
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