“終了直前にエラー”の悪夢を避ける
「Microsoft Office」インストール失敗、3つの“あるある”
複雑なプログラムで構成される「Microsoft Office 2013」のインストールはしばしば失敗し、ユーザーを悩ませる。何がトラブルのもとになっているのか。対処方法を紹介する。
ほとんどの場合において米Microsoftの「Microsoft Office 2013」はスムーズかつ平穏にインストールできる。ユーザーはOffice製品の強化された機能と使いやすくなったデザインを活用することが可能だ。だが、Office 2013のインストールが必ず成功するとは限らない。Windowsデバイスは無数のハードウェア/ソフトウェアコンポーネントの影響を受ける。予期しないコンポーネントや不要なコンポーネントによってインストールプロセスが中断されたり、修正が必要な好ましくない動作が生じたりすることは十分にあり得る。
本稿では、Office 2013のインストールで発生する幾つかの重大な問題とその解決方法を紹介する。
その1:表示がぼやける
「Office 2013をインストールしたところ、表示がぼやけて見えます。とにかく正しい状態で表示されているとは思えません。グラフィックスアクセラレータ周りを強化する必要があるのでしょうか」
Officeは米NVIDIAや米ATI(米AMD)などが製造している最新のグラフィックスアダプターのグラフィックスレンダリング機能を採用している。残念ながら、一部のグラフィックスアクセラレータは、Officeアプリケーションを実行しているときに表示が突然ぼやけたり、変形したりする原因となることがある。
例えば、NVIDIAの「FXAA」(Fast Approximate Anti-Aliasing)は、従来のアンチエイリアシング処理の手法よりも大幅に少ない処理能力で線のギザギザをなくし、角をはっきりさせることが可能だ。だが、FXAAが原因でテクスチャや描画された要素(ダイアログボックスやテキストなど)がぼやけることは珍しくない。
ATIの形態学的フィルタリングオプションでも同様の問題が生じることが確認されている。この手法ではFXAAと少し異なるアプローチを採用して角と線の色を混合することで意図的に線と周辺部をぼやけさせている。
どちらのアンチエイリアシング機能もゲームには適している。この補整効果により画像は実物に近くなる。だが、これらの機能ではWindowsのダイアログボックス/線/テキストなど、静的な表示要素にも同じ手法が適用される。その結果、Officeの表示がぼやけ、変形するという事象が発生するのだ。
グラフィックスアダプターの管理コンソールを使用して高度なアンチエイリアシング機能を無効にするのが、この問題の最も簡単な解決方法だ。
また、グラフィックスアダプターの管理コンソールを使用して、Office 2013など特定のアプリケーションでアンチエイリアシング機能を無効にすることも可能だ。グラフィックスドライバは非常に優秀で実行中のアプリケーションを識別することができる。Officeのコンポーネントがアクティブになっている間は、FXAAや形態学的フィルタリングの使用が停止させられるのだ。
また、グラフィックスアダプターやPCのメーカーが、この問題に対応した最新のグラフィックスドライバを用意していることもある。この問題に対応するには、アンチエイリアシング機能のアルゴリズムが見直されているか、OfficeなどのWindowsプログラムが実行されていることを自動的に検出してアンチエイリアシング機能を停止する設定が追加されている必要がある。
このような表示の問題は、処理能力やグラフィックス能力の不足によって生じるものではない。つまり、グラフィックスアダプターのアップグレードは不要だ。仮にアップグレードによって問題が解決した場合は、新しいグラフィックスドライバによって問題が解決されたと考えてほぼ間違いない。より強力なハードウェアコンポーネントによって問題が解決されたわけではない。
また、グラフィックスアクセラレータ(ハードウェアアクセラレータ)を完全に無効にしても問題は解決するだろう。グラフィックスアクセラレータを無効にすると、他の高度なグラフィックスの機能と共にアンチエイリアシングの機能も無効になるからだ。コンピュータはCPUと「Windows Advanced Rasterization Platform」(WARP)などのソフトウェアレンダリング技法に依存している。そのため、グラフィックアクセラレータを無効にすると、画面が常に低いフレームレートで表示され、システムのパフォーマンスが低下する。グラフィックスアクセラレータの機能を無効にするのは、他に選択肢がない場合の最終手段とすることをお勧めする。
その2:インストールに時間がかかる
「Office 2013のインストールプロセスはこんなにも遅いものでしょうか。かなり長い時間HDDが動いています」
この不満が生じるのはOffice 2013をストリーミングでインストールしている場合がほとんどだ。また、この現象は、コンピュータにインストールされているマルウェア対策ツールがストリーミングされている各ファイルをスキャンすることに起因している。大半のクライアント向けマルウェア対策ツールが、このようなパフォーマンス低下の原因となっていることが確認されている。
厳密には、この現象はエラーではない。マルウェア対策ツールは必要な処理を実行しているにすぎない。継続的に行われるスキャンによってHDDへのアクセスが増大し、システムに新しいファイルを保存する速度が低下する。ほぼ全てのケースにおいて、この問題はストリーミングが完了すれば正常な状態に戻るため、単に不便な状態だと見なすことができる。
この問題の対処法は2つある。1つはパフォーマンスの低下に耐えることだ。ストリーミングされているファイルのダウンロードが完了するまで待てばよい。インストールが完了すればパフォーマンスの問題は解決する。
もう1つは、Office 2013のインストールが完了するまでマルウェア対策ツールを無効/停止するという方法だ。ただし、こちらの方法はあまりお勧めできない。マルウェア対策保護を無効にすると、攻撃に対して脆弱になるからだ。
その3:いつも同じところで処理が停止する
「Office 2013をインストールしようとしていますが、いつも同じところで処理が停止して応答しなくなります。どうしたらよいでしょうか」
この問題には大きないら立ちを覚えるだろう。というのも、Office 2013のインストールが開始してから、エラーが発生するまでにかなりの時間が経過しているからだ。インストールを何度繰り返しても毎回同じところで停止するのだからイライラするのも無理はない。多くの場合、インストーラと、システムのサービス/構成の間で競合状態が発生している。
インストールプロセスは80~90%完了したところで停止することが多いようだ。その原因はOffice 2013のインストーラとコンピュータの印刷スプーラにある。印刷スプーラはローカルプリンタやプリントサーバに送信されるコンテンツのバッファとして機能している。
印刷スプーラを一時的に停止し、Office 2013のインストール完了後に、印刷スプーラを再開するのが、この問題に対する最善の対処法だ。Windows 7の場合は、まず[スタート]をクリックし、[ファイル名を指定して実行]をクリックして、コマンドラインダイアログボックスを開く。次に「services.msc」と入力し、[OK]をクリックする。
Windows 8の場合は、スタート画面で「services.msc」と入力し、検索結果の一覧から[サービス]を選択する。
これで、それぞれ「サービス」が表示される。一覧で[Print Spooler]をダブルクリックし、[停止]をクリックして、[OK]をクリックすると印刷スプーラは停止される。印刷スプーラを再開するには、同じ手順を繰り返し、[開始]をクリックして、[OK]をクリックすればよい。
インストールプロセスの進捗が80~90%以外のときにインストールが停止する場合は、Officeインストールの修復を試すことをお勧めする。インストールを修復するには、コントロールパネルを開き、[プログラムと機能]を選択し、[プログラムのアンインストールまたは変更]ダイアログボックスでOfficeを見つける。それから[変更]をクリックし、[オンライン修復]を選択して、[修復]を選択する。修復を実行しても問題が解決しない場合は、Office 2013のアンインストールを試してみることをお勧めする。その後、コンピュータを再起動して、もう一度Office 2013をインストールする。
Microsoft Officeのインストールには時間がかかることもある。複雑なソフトウェアのインストールでさまざまな問題が発生する状況は避けて通れないだろう。幸い、大半は致命的な問題ではない。回り道とトラブルを最小限に抑えながら問題を解決することは可能だ。
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