創業からわずか18カ月の新興企業を買収
Microsoftがメールアプリ新興企業を買収、狙いは「iPhoneからOutlookを使いやすく」?
米MicrosoftがiOS/Android版メールアプリを手掛ける新興企業の米Acompliを買収した。それにより、モバイル端末と「Microsoft Outlook」の連係強化につながるかもしれない。
米MicrosoftがiOSおよびAndroid版メールアプリを手掛ける新興企業の米Acompliを買収したことで、モバイル端末から「Microsoft Outlook」のメールへのアクセスが容易になるかもしれない。
買収に関する詳細は明らかにされていないが、複数の報道によると、買収金額は2億ドルに上るという。Acompliは、米AppleのiOSと米GoogleのAndroid向けに無料メールクライアントアプリを提供している。対応するメールプラットフォームは、「Microsoft Exchange」「Office 365」「Google Apps」「Gmail」「iCloud」「Yahoo」「Outlook.com」「Hotmail」「Live」など多岐にわたる。また、「Box」「Dropbox」「Google Drive」「Microsoft OneDrive」などのファイル共有プラットフォームもサポートする。
Acompliのメールアプリは、重要なメールだけを自動的に表示する機能が特徴の1つだ。Microsoftは先日、Office 365向けに重要メールを自動分類する新機能「Clutter」を発表している。
Acompliにはその他、カレンダー機能やファイル共有プラットフォームに保存されたファイルを簡単に添付する機能などが備わっている。
MicrosoftはAcompliの買収理由について、「幅広いメールサービスをサポートするメールアプリをクロスプラットフォームで提供するため」とブログ投稿で説明している。「これは企業ユーザーにとって重要なことだ。iOSやAndroid端末からOutlookにモバイルアクセスする必要があるからだ」と米調査会社451 Researchで企業向けモバイル市場を担当するリサーチディレクター、クリス・ハゼルトン氏は指摘する。
「MicrosoftのOutlookは、iOSとAndroidを第一に考えているわけではない。Windowsが中心のメール環境だ。だが、モバイルに関して言えば、Microsoftはオペレーティングシステムを意識していない。Acompliの買収がそれを意味している」(同氏)
「Microsoftはクロスプラットフォームのコミュニケーションおよびコラボレーションのサポートに投資を続けている。それと同様に、メールがいかに価値のあるものであるかを分かっている」とカナダのConstellation Researchで副社長兼主席アナリストを務めるアラン・レポフスキー氏は話す。
「メールはいまだに重要なビジネスアプリケーションの1つだ。そのため、Microsoftは自社顧客に最新のモバイルユーザーエクスペリエンスを提供することが不可欠だ」(同氏)
「理想をいえば、MicrosoftはAccompliをメッセージングハブのように進化させるだろう」とレポフスキー氏は語った。
Microsoftは近い将来、「Outlook Web Access」や「Skype」「Yammer」「Office Delve」の機能を統合し、新たなウェブベースのメッセージングプラットフォームを開発する可能性がある。だが、それは今回のAccompliの買収とは無関係かもしれない、と同氏は説明する。
モバイルメールコンテナ市場は、ITベンダーにとって拡大の余地のある分野である。ハゼルトン氏によると、現在、米Good Technologyの「Good for Enterprise」、米VMwareの「AirWatch Inbox」、米Symantecの「NitroDesk TouchDown」などの製品が市場に出回っているという。
企業向けモバイル管理(EMM)ベンダーは、独自のメールクライアントを開発しなければならない、と同氏は説明する。AppleやGoogleといったOSベンダーが、EMMによるネイティブメールクライアントの管理を許可しないからだ。
「誰でも大量のメールと添付ファイルを抱えている。そして、メールでやりとりする機密情報は、Salesforce.comを除いて、他のどのアプリケーションよりも重要だ」とハゼルトン氏は話し、「Accompliの買収は、Exchangeからエンドポイント端末に至る、包括的なメール管理に関して、Microsoftが興味を示していることを強く示している」と付け加えた。
Acompliのチームと製品は今後、Microsoftのモバイル生産性グループに組み込まれる。VMwareの元幹部らが創業したAcompliは、立ち上げからわずか18カ月で買収された。
Acompliはこれまで、自社製品にOffice 365の機能を取り入れつつ、Apple、Google、Box、Dropboxのサポートも継続する可能性をMicrosoftと話し合ってきた。その後、両社は1つとなって前進していくことが上策だと判断したという。
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