選択の決め手になるのは何?
4万円台タブレット対決、あえて「iPad Air」と「Fire HDX 8.9」を比べてみた
4万円台のフルサイズタブレットで人気の「iPad Air」。2014年秋に登場した「Fire HDX 8.9」は価格やスペックでiPad Airに対抗し得る製品だ。デザインや性能、ソフトウェアなどを比べてみた。
400ドル前後のフルサイズタブレットを買うとしたら、米Appleの「iPad Air」(日本では4万2800円<税別、以下同じ>から)か、それとも米Amazonの「Fire HDX 8.9」(3万7944円から)かで迷う人もいるだろう。2014年秋、Amazonは高速プロセッサにアップデートした新型Fire HDX 8.9を発売した(ほぼ同時期にAppleは「iPad Air 2」を発売、価格は5万3800円から)。価格も画面サイズもデザインもほぼ同じになった今、どちらを選ぶか決めるのは難しい。違いを分かりやすくするために、両者を比較してみた。
外観とデザイン
この2種のタブレットは、どちらも軽量薄型のデザインが重視されているが、その点ではFire HDX 8.9の方がわずかにリードしており、重量375gで厚さ7.8mm。対するiPad Airは重量469g、厚さはほぼ同じだ。
さらに、縦横寸法はFire HDX 8.9の方が少し小さく、231mm×158mmで、iPad Airは240mm×169.5mm。といっても、どちらもケースに入れる必要のあるフルサイズタブレットなので、Fireの方が持ち運びやすいとは特に感じない。
見た目のデザインは好みによるだろう。どちらのタブレットも正面から見た感じはよく似ているが、裏面はiPad Airの方がシンプルなすっきりとしたデザインで、Fire HDX 8.9の裏面パネルは周囲の端に角度が付いている。iPad Airの本体は白と黒の2色から選べるが、Fireは黒のみだ。
ディスプレー
Fireの外形寸法が小さい最大の理由はディスプレーが小さいことで、9インチをやや下回る。iPad Airのディスプレーは9.7インチ。面積にすると、Fireは36.8平方インチだが、iPad Airの方は44.6平方インチだ。つまり、FireはiPad Airの83%のサイズということになる。20%の差は大きく、iPad Airがリードしている。
ただし、Fire HDX 8.9のディスプレーは解像度2560×1600、画素密度339ppiで、こちらの方が少し見やすい。iPad Airのディスプレーは2048×1536、画素密度は264ppiだ。また、Fireは明るい環境下の色の鮮明さとパフォーマンスの測定値でも上回っている。とはいえ、非常に高品質のディスプレー同士の比較なので、違いがあるといっても微妙な差だ。
ボタンとポート
iPad Airは従来通り本体上部と側部に電源ボタンと音量調節ボタンがあるのに対し、Fireではそれが裏面の周囲にあり、これはなかなかいい。
どちらのタブレットにもリムーバブルメモリカード用のスロットはないが、Fireではmicro-USBドライブにアクセスできる。いずれにしても、どちらの端末も基本的には内部ストレージとクラウドストレージしか使わない。
アクセサリ
iPad Air用には、さまざまなスタイルのケースや外部キーボードなど多彩なアクセサリが販売されている。Fireはそこまでではなく、Fire用にデザインされた同様のアクセサリの選択肢は少ない。
性能
iPad Airの中枢は、1.7GHz、デュアルコア、64ビットのApple「A7」プロセッサと1GバイトのRAMだ。Fire HDX 8.9(2014年モデル)の方は2.5GHz、クアッドコア、32ビットの米Qualcomm「Snapdragon 805」チップと2GバイトのRAMを搭載。数字の上では大きな違いに見えるが、実質的には同程度で、どちらもそれぞれのタブレットの高いパフォーマンスを実現している。
ベンチマークアプリ「Geekbench 3」のシングルコア/マルチコアテストでは、iPad Airのスコアは1470/2650、Fireは1080/3050だった。
Fireの380ドルモデルの内部ストレージは16Gバイトだが、使用可能領域は9.9Gバイト。iPad Airの400ドルモデルは内部ストレージが16Gバイト、使用可能領域は11.9Gバイトだ。どちらも32Gバイトの高価格モデルがあり、Fireには64Gバイトモデルもある。
ソフトウェア
この2機種の最大の違いはソフトウェアにある。オペレーティングシステムとサードパーティー製アプリ、その両方の差異は、ほとんどの購入予定者にとって大きな決定要因になるだろう。
iPad AirのOSはAppleの「iOS」、Fire HDXの方は米Googleの「Android」にAmazonがかなり手を加えて「Fire OS」と名付けたOSだ。見た目は随分違うが、どちらもシンプルで使いやすく、全般によくできている。Fire OSの利点は、最近使用したアプリのカルーセル(スライダー式)表示で、頻繁に使うアプリを見つけやすい。
どちらのタブレットにも便利なアプリ一式が付属しているが、他のアプリも入れたくなるだろう。サードパーティー製ソフトウェアは、iPad Air用の方が格段に多い。Appleの「App Store」にはおよそ125万本のアプリが登録されており、うち75万本はiPadに対応している。iPad対応以外のアプリも使えないわけではなく、単にタブレットのディスプレーを最大限に活用しないだけだ。これに対し、Amazonアプリストアのタイトル数は25万本超で、100万本近い差がある。
Fireは一般消費者を対象としているため、ビジネス系ソフトウェアが少ないという弱点もある。「Microsoft Exchange」のサポートや、「Microsoft Word」「Excel」「Powerpoint」のファイルを利用するアプリのサポートは制約付きだ。これに対し、iPad AirではExchangeが十分にサポートされており、フルバージョンの「Microsoft Office」を使用できる。
バッテリー持続時間
iPad Airは筐体が若干大きい分バッテリーも大きく、インターネット、ビデオ、オーディオなどを使った場合、バッテリー持続時間は1回の充電で約10時間だ。Fire HDX 8.9は同じ条件で約8時間なので、この点ではiPad Airの方が優れている。
結論
AppleのiPad AirとAmazonのFire HDX 8.9(2014年モデル)の勝負は、ほぼ引き分けで、どちらも他方に勝る利点がある一方、多くの点では同格だ。
Fireの方がサイズが小さくて軽く、ディスプレーの性能が高い。micro-USBリムーバブルドライブにアクセスでき、価格も少し安い。
対するiPad Airは画面が大きく、バッテリー持続時間が長く、ソフトウェアやアクセサリの選択肢がずっと幅広い。
iPad Airの利点の方が重要度が高く、中でもアプリの豊富さは重視される。その意味で、iPad Airの方に軍配を上げる人も多いだろう。
iPad Airの利点
- ディスプレーが大きい
- ソフトウェアの数がはるかに多い
- バッテリー持続時間が長い
Fire HDX 8.9の利点
- 表示の鮮明なディスプレー
- 小さな外形寸法
- micro-USBドライブのサポート
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