EdTechフロントランナー【番外編:葵編(第2弾)】
生徒からファンレターが殺到、進化する無料ネット学習塾「アオイゼミ」の今(1/3 ページ)
一般の学習塾と同等レベルの講義を安価に提供するインターネット学習塾「アオイゼミ」が、着実に進化を遂げた。派生サービスである「サクラス」も併せて、その今を追う。
本連載「EdTechフロントランナー」の番外編として2014年5月に公開した「教育費の差を”学力格差”に変えない無料ネット学習塾『アオイゼミ』」。サービスの魅力やその誕生の背景にある思想が多くの教育関係者の関心を集め、2014年度の教育ITのアクセス数ランキングでトップを記録した(参考:「EdTech」に熱視線 2014年、教育ITで最も読まれた記事は?)。
記事公開から約1年半を経て、アオイゼミは着実に進化を遂げた。そのアオイゼミの運営会社である葵の石井貴基社長を再び訪ね、最新状況についてじっくりと話を聞いた。同社スタッフのコメントも合わせて紹介しながら、EdTech業界の最前線を走る同社のスピード感を感じていただければ幸いだ。
併せて読みたいお薦め記事
ピックアップ「EdTechフロントランナー」
- 教育費の差を“学力格差”に変えない無料ネット学習塾「アオイゼミ」
- Keynoteを超えた? iPad用プレゼンアプリの新標準「ロイロノート」
- ソーシャルの力で“悩める先生”を支え抜く「SENSEI NOTE」
石井氏も登壇、「反転セミナー」リポート
アオイゼミをおさらい:無料でライブ講義が受けられるオンライン学習塾
アオイゼミのサービス内容について簡単におさらいしよう。アオイゼミは全国の通学型の学習塾に通う中高生をターゲットにした映像講義を提供するオンライン学習塾だ。最大の目玉は、時間割に沿ってリアルタイムに展開する「ライブ授業」という無料の生放送の映像講義。このライブ授業では、講師がアオイゼミのオリジナル教材を使用し、シャープの大型電子黒板「BIG PAD」を駆使して視覚に訴える講義を展開する。ライブ授業は、中学講座が1コマ40分、高校講座は60分で構成される。「iOS」「Android」端末といったスマートフォン/タブレットでの活用をメインとするが、クライアントPCからの利用も可能だ。
アオイゼミのライブ授業を特徴付けるキーポイントといえるのが、受講用の画面内に表示する「コメント機能」だ。ミニブログ「Twitter」のようなこのコメント欄は、会員が自由にコメントやスタンプを投稿できるようにしており、講師への質問や他の生徒との交流に利用できる。こうしたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)的要素が、人と人との交流という“教室の価値”の一部をオンラインに再現する役割を果たす。「同じ時間帯に、一緒に学んでいる仲間」を可視化することで、受講や継続のモチベーションにつなげている。
コメント機能のもう1つのメリットが、ライブ授業中に会員が気軽に発言できることだ。アオイゼミの数学講師である中塚 祐太郎氏は、集団講義の形式を採用する一般的な学習塾では、時間的な制約もあり「生徒がなかなか講義中に質問できない」といった課題があると指摘。一方で、コメント機能を備えるアオイゼミでは、「生徒同士のコミュニケーションが取りやすく、対面だと質問できなかった生徒も発言しやすい」(中塚氏)というメリットがあるという。これは会員、講師双方にとってのメリットだといえる。
ユーザー目線のフリーミアム課金モデル
ライブ授業の受講とコメントの投稿、学習時間を記録するツールの利用は、中学講座・高校講座ともに無料だ。有料プランとしては、以下の2通りがある。
- ライトプラン
- 過去のライブ授業をアーカイブした「授業動画」全てが視聴可能
- 受講料は月額900円から(税込、以下同じ。料金は契約月数によって変動)
- プレミアムプラン
- 授業動画の視聴に加え、テキストのダウンロードやライブ授業以外での個別質問が可能
- 受講料は月額3500円から
有料プランを契約すると、中学講座・高校講座横断で全ての授業動画を閲覧できる。中学生が高校の勉強を先取りしたり、逆に高校生が中学校の内容に戻って復習したりといった使い方ができるメリットがある。有料プランでも、月額2万円を超える受講料が当たり前の一般的な学習塾よりは大幅に安い。学習塾が近くにない地方部の中高生にとっては新たな選択肢になり得るだろう。もちろん通塾時間もゼロなので、生徒にとっては貴重な時間を有効活用できる点も大きな魅力だといえる。
先に述べた講義への参加感と低価格が相まって、2015年7月末時点でアオイゼミのユーザーは「約15万人に達した」(石井氏)という。中学講座・高校講座のユーザー割合はほぼ半々だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
EdTechフロントランナー
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー