SSDなどのフラッシュストレージを業界団体SNIAメンバーが解説
読めば分かる! フラッシュストレージの基本(1/3 ページ)
最近、普及が進む「フラッシュストレージ」。さらに深く理解するため、その種類や普及の背景、導入効果などの基本的解説をお届けする。
フラッシュストレージとは
従来、ITシステムではHDD(磁気ディスク)を主体としたストレージシステムが多く用いられてきました。HDDは技術革新により、データ容量の面では記録密度を向上させ、日々増大するデータの要求に対応してきました。一方、性能面では最も高速なもので15000rpm(毎分1万5000回転)と十数年の間ほとんど向上していません。大容量のHDDではリビルドに1日以上かかり、その間は性能低下を招くなど、I/O性能や故障率などが課題となっています。
こうした中、不揮発の半導体メモリであるNANDフラッシュメモリを用いたストレージ装置(SSDなど)およびその装置を用いたストレージシステムが、ITシステムにおいて従来のHDDの課題を解決し、さらなる価値を提供する手段として注目されています。本稿では、主にNANDフラッシュメモリから構成されるSSD(ソリッドステートドライブ)などを用いた企業ITシステムのストレージシステムを「フラッシュストレージ」と称し、その特性や種類、利用形態、技術動向、注意点と導入のポイントなどを解説します。
併せて読みたいお薦め記事
SSD .vs HDD
オールフラッシュアレイの最新動向
フラッシュストレージの特性
NANDフラッシュメモリを搭載したSSDなどの単体のフラッシュストレージ装置と、HDDとを比較した場合、フラッシュストレージ装置には以下のような特徴があります。
特徴
- I/O性能が高い(HDDと比べ数十倍を超える性能)。性能単価が良い
- 微細化技術の進化に伴い、大容量化・低コスト化が進んでいる。執筆時点では、2.5インチSSDで3.84Tバイトの製品がある。体積当たりのデータ容量では、既にHDDを上回っている
- 消費電力が低い(HDDの半分以下)
- モーターなどの回転部品がないため、振動に強く故障率が低い
一方、フラッシュストレージ装置の課題としては以下の点が挙げられます。
課題
- 現時点では、総じてHDDより容量単価が高い。一部、SAS(Serial Attached SCSI)接続型HDDと同価格帯のSAS接続型SSDも出始めている
- 書き込み回数に制限があり寿命がある。製品の設計仕様により、書き込み許容量に差がある。指標例:DWPD(Drive Writes Per Day:1日当たりのドライブ全体の書き換え回数)、TBW(Tera Bytes Written:書き換え可能テラバイト容量)、PBW(Peta Bytes Written:累積書き換え可能ペタバイト容量)
- フォーマット直後の初期状態と比べて、定常状態では書き込み性能が低下する
- 読み込み/書き込みはページ単位、上書き(modify)/消去(erase)はより大きなブロック単位
- 経年使用によって読み取りビットエラーが発生しやすくなり、強固なECC(誤り訂正符号)でエラーを訂正する
フラッシュストレージの装置単体レベルでは、NANDフラッシュメモリベンダー、メモリを制御するコントローラーのベンダー、SSDベンダーなどの技術革新によって課題を克服して高性能化、大容量化、高信頼化を続け、エンタープライズ、データセンター向けの高い要求にも十分応えられるようになってきています。
上記のフラッシュストレージ装置を用いるストレージは、上記のNANDフラッシュメモリの長所を生かしながら課題を解決する機能を実装しており、下記のような特徴があります。
特徴
- I/O性能が高い
- HDDに比べて容量単価が高いが、低コスト化が進んでいる
- 消費電力が低い
- 故障率が低い
- 書き込みデータをNVRAM(不揮発性メモリ)やNVDIMM(DRAMとNVRAMの混載メモリ)でバッファすることにより、NANDフラッシュメモリへの書き込み量を抑制する
- RAIDやRAIDに類するデータ保護により、物理的に修復不可能な読み取りビットエラーが発生してもそれを修復し、サービス停止やデータ消失を防ぐ仕組みを持つ
- より多くのデータを格納したり、書き込みデータ量を減らしたりするため、重複排除や圧縮といったデータ削減機能を実装している
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー