ハイパーコンバージド、ストレージ仮想化など新旧技術が競演
意外に知られていない仮想サーバと“相思相愛”なストレージ3種(1/2 ページ)
ストレージの種類にはそれぞれ長所と短所があるが、サーバ仮想化に最適なストレージは何だろうか。本稿では、仮想化環境に関するさまざまな選択肢についてその見解を示す。
仮想サーバ環境では、ストレージがパフォーマンス全体を左右する最大の要因となることが多い。だが、サーバ仮想化に最適なストレージタイプは何だろうか。信じられないかもしれないが、この質問は簡単に答えられるものではない。
市場には多数のハイパーバイザーが出回っており、それぞれに独自のストレージ要件がある。そして、ストレージタイプによって長所と短所が異なる。非常に厳しいIOPS要件に対応できるものもあれば、Gバイト当たりのコストが安いストレージもある。そのため、サーバ仮想化において完璧なストレージソリューションは存在しない。本稿では、特に仮想サーバと相性の良い3つのストレージオプションを紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
次世代のストレージ基盤として注目される「SSD」関連記事
ストレージの種類・選定に関する記事
オプション1:ハイパーコンバージド
2014年後半以降、多数のストレージベンダーや業界アナリストたちが「ハイパーコンバージドインフラがすぐにサーバ仮想化の標準になる」と公言していた。このように断言することに疑問は残るが、ハイパーコンバージドインフラがここまで人気を集めていることにも理由がある。
ハイパーコンバージドストレージシステムは、仮想サーバと併用することを念頭に設計されている。全ての主要コンポーネント(CPU、ストレージ、ネットワークなど)は互いに連係し、ハイパーバイザーベンダーのソフトウェアと互換性があることが証明されている。これは、サーバ仮想化にハイパーコンバージドストレージを使用するメリットになる。つまり、ストレージがハードウェアに含まれているため追加の設定が不要で、最適なパフォーマンスが約束されている場合が多い。
一方、ハイパーコンバージドインフラを使用するデメリットは、ストレージが内蔵コンポーネントになっている点だ。ストレージ容量を増やしたいと思ったら、不要なコンピューティングリソースやネットワークリソースが一体となったモジュールを追加で購入しなければならないだろう。そのため、別のストレージタイプより、ストレージ容量の増加に掛かるコストは高くなる場合も少なくない。
オプション2:ストレージ仮想化
ストレージ仮想化はさまざまな方法で実装できるため、ある意味一般的なテクノロジーだといえる。例えば、米Microsoftの「Windows Server」では、「Windowsの記憶域」の機能を使用してストレージの仮想化を実現できる。
ストレージ仮想化の基本概念は、抽象化レイヤーによって物理ストレージをマスクすることだ。この抽象化レイヤーによって、複数の物理ストレージデバイスが1つの論理ストレージデバイスに集約される。
ストレージ仮想化は単に容量を集約するだけではない。容量を集約するだけが目的なら、単にRAIDアレイを構築する方が簡単だろう。
前述のように、ベンダーはそれぞれ独自のストレージの仮想化方法を採用している。ストレージ仮想化によって、複数のNAS(Network Attached Storage)アプライアンスが1つの論理ストレージデバイスに統合される場合もあれば、各種ディスクから1つの論理ストレージデバイスを構築するためにストレージ仮想化を使用することもある。
ストレージ仮想化と通常のストレージアレイを区別する場合、ストレージ仮想化はさまざまなタイプのストレージデバイスの容量を統合できることが違いとして挙げられる。SSD(ソリッドステートドライブ)とHDDの両方のストレージで構成された論理ディスクを構築するために、ストレージ仮想化を使用する場合について考えてみたい。このような場合、抽象化レイヤーでは、読み取り/書き込みキャッシュとして機能する高速層にSSDを使用する。そして、アクセス頻度の少ないデータの格納にはHDDを使用することが多い。この方法は、サーバ仮想化で非常に上手く機能する。というのも、高速層でIOPSの急増を吸収し、HDDストレージで構成される標準層にはさまざまな仮想HDDを格納するのに十分な容量があるからだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー