SQL Server 2005のEOSも目前に控える
SSDを柱にハード最適化を目指す「SQL Server SSD Appliance」が存在する意味(1/2 ページ)
処理性能を高め、導入コストを抑える工夫を凝らした「Microsoft SQL Server SSD Appliance」。この製品はどのようなものか。また、今後のロードマップとは。
業務で処理すべきデータが増加していることを受け、データベース(DB)処理の高速化ニーズは高まり続けている。従来のバッチ処理やOLTP(オンライントランザクション)処理の短期化、より多頻度なデータ分析などの要請にどう対応すべきかで悩むIT担当者も多いはずだ。これを受け、日本マイクロソフトと、パートナーのハードウェアベンダーが2012年に提供を開始したアプライアンスが「Microsoft SQL Server SSD Appliance」(以下、SQL Server SSD Appliance)だ。
SQL Server SSD Applianceは、SQL Serverの最上位モデルであるEnterpriseエディションと、フラッシュメモリを利用するハードウェアを組み合わせたアプライアンス製品である。その機能面での主な特徴は次の2つ。1つ目は「フラッシュメモリストレージを採用し、処理のボトルネックになりがちなストレージI/Oの高速化を実現した」こと。2つ目は、「最適化された出荷前の事前設定によりユーザー側のチューニング作業を不要とした」ことである。
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増大し続けるデータ処理をいかに高速化するか
リリースの背景には、販売開始当時のDWHアプライアンスへの関心の盛り上がりがあった。処理能力に優れるDWHアプライアンスは、システムの性能不足の解消やチューニングの手間の軽減を見込むことができる。実際に百貨店や鉄道会社、金融機関などでの実導入も相次いだ。この状況を踏まえ、DWHアプライアンス「SQL Server Fast Track Data Warehouse」を手掛けていた日本マイクロソフトが、より高い処理性能を提供すべく、フラッシュの採用を決断することで誕生した製品こそがSQL Server SSD Applianceなのである。
ユーザー企業にとっての分かりやすいメリットが価格である。アプライアンスは必然的に構成が固定化されやすい。対して、SQL Server SSD Applianceではパートナーよる複数モデルのラインアップにより、多様なニーズへの対応を図った(パートナー数は提供開始当時は6社、現在は10社)。
日本マイクロソフトでSQL Server SSD Applianceの製品戦略を担当する 北川 剛氏は「大量のデータ処理に悩む企業は当時から数多く存在し、SQL Server SSD Applianceはいわば顕在化した課題解決のための製品であったことから、もともと製品が受け入れられる土壌があった。提供の開始以来、売れ行きは極めて高い水準を維持している」と市場を見る。
フラッシュの採用を柱にしたハードウェアの最適化
日本マイクロソフトでは自社のWebサイトで、他社製品とSQL Server SSD Applianceの性能の比較検証結果を公開している。それによると、CPUなどサーバが搭載するリソースでは劣ったものの、処理実行時間では7%ほど高速かつ、5年間のトータルコストではSQL Server SSD Applianceが4分の1で済むという結果が得られたという。
では、これほどの処理速度と費用対効果をなぜ実現できたのか。その理由として挙げられるのが、汎用(はんよう)的な技術の組み合わせにより製品を構成していることだ。データ処理を高速化するには、格納されたデータへのアクセス高速化が鍵を握る。その手法として、独自技術に基づくハードウェア側への専用のCPUの実装などの方法もあるが、その場合には製品の価格に加えて運用コストも高額になりがちだ。
長い目で見れば、“ベンダーロックイン”にもつながることはIT担当者であれば十分に理解していることだろう。対して、SQL Server SSD Applianceで採用された技術は、いずれも公開されているものだという。
一方でDBの使い方はシステムによって大きく異なり、仮想環境では一般に読み取り速度が、各種ログの保管では書き込み速度が重視される。これらの課題を包括的に解決する手段として日本マイクロソフトが採用したのが、先述した、ディスクアレイよりも高いI/O速度を実現したフラッシュの採用である。
「例えばオンライントランザクション処理(OLTP)ではデータファイルではなく、トランザクションログのデータが上書きされ続ける。こうした処理は、フラッシュにより書き込み/読み込み性能が高速化される。またフラッシュは、データ検索などのためのI/O帯域も十分に確保でき、トータルでの処理時間を大幅に短縮する」(北川氏)
このフラッシュのメリットを踏まえ、日本マイクロソフトでは、SQL Server SSD Applianceでフラッシュのストレージ帯域とCPUの処理能力、さらに汎用技術によるアプライアンスとしての最適化に取り組んだ。DBの処理速度を左右する要因にはディスクの処理能力以外にも、DB管理システム(DBMS)やCPU性能、ネットワーク速度など幾つも挙げられる。チューニングは、いわばそれらの個別で生じたボトルネックを解消する作業だ。これらの課題が解決されたことで、別のところに問題が生じるケースも往々にして見受けられる。「日本マイクロソフトはSQL Server SSD Applianceで、それらの包括的な解決に取り組んだ」(北川氏)
SQL Server SSD Appliance10製品のハードウェア構成などをまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「SQL Server SSD Appliance一覧表」からダウンロードしてください。
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