「Windows Server 2016」でも新ライセンス体系
CPUコア数がまさかの減少? ソフトウェア “コア数課金”の広がりで企業が防衛策(1/2 ページ)
ソフトウェアのライセンス体系をコア単位に変更するベンダーが増えている。ユーザー企業が今後もコストを抑えたければ、IT管理者はハードウェアの導入計画においてCPUのスペックを見直す必要がある。
これまで、仮想化の導入はコスト面で非常に大きなメリットがあった。物理サーバを整理統合するためのツールとしてだけでなく、ソフトウェアライセンスコストを削減するための手段としてもだ。
だが、仮想化やマルチコアCPUの普及に対抗すべく、ライセンス体系を変更するソフトウェアベンダーが増えている。今では、多くのソフトウェアベンダーがパッケージ単位で扱うCPUの数ではなく、CPUに組み込んでいる物理コアの数でライセンス料金を決定している。
こういう変化があったとしても、ユーザーはこれからも仮想化やマルチコアCPUを使い続けるだろう。ただ、ハードウェアの購入では変化がありそうだ。ソフトウェアベンダーによるライセンス体系の変更は、仮想化環境を実現するハードウェアの導入における検討項目について再考すべきタイミングなのかもしれない。
2016年上半期「経営とIT」記事ランキング(2016年1月1日~2016年6月20日)
1位 Windows 7/8ユーザーの「Windows 10」移行が止まらない“無料”以外の理由
3位 Apple ティム・クックCEOが裁判所の命令を拒否してまで守りたかったもの
コアを減らしてソフトウェアライセンスコストを削減する
現在のCPUで仮想化性能を向上するには、動作クロックを上げてコア単体の処理速度を向上するより、実装するコアの数を重視する傾向にある。だが一方で、仮想環境に対応したソフトウェアのベンダーがCPUの論理コア数を基に算出するライセンス体系の採用を増やしている。
このような状況では、サーバ内の物理コア数を減らして高速なCPUを搭載するハードウェアを導入すると、ソフトウェアライセンスのコストを効果的に削減できる場合がある。ただし、CPUの動作クロックを上げたからといって、コア数を減らした分の性能低下を完全に相殺できるわけではない。一般的には、より高速なCPUを購入したとしても、コア数を減らせば、性能はある程度低下する。とはいえ、物理コア数を減らすことによるソフトウェアライセンスコストの削減効果は無視できない。
多くのIT管理者にとって、システムで稼働するCPUのコア数を減らす変更は初めての経験だろう。この判断に当たっては、まずCPUの割り当て待ち時間やシステム全体のCPU使用状況などを確認し、自社におけるCPU処理能力需要を見極める必要がある。優れたモニタリングツールと簡単な計算で、IT管理者はこうした情報を簡単に入手して自社に最適な方法を確認できる。しかし、多くの場合でCPU当たり8コアというのが最善の選択となりそうだ。これは技術的な限界ということではなく、Microsoftが定める限界だ。
併せて読みたいお勧め記事
Microsoftが推し進めるライセンス体系
Microsoftの新しいライセンス体系
MicrosoftのサーバOS「Windows Server」シリーズのDatacenter Editionはこれまで、仮想環境のサーバライセンスを取得したい企業にとって理想的な選択肢だった。だがMicrosoftがこのOSの最新版「Windows Server 2016」で導入する新しいライセンス体系では、コア数が8コアを超えるCPUについて追加のコアライセンスパックを購入しなければならない。
コアパックを1つか2つ追加で購入する程度なら、さほど大きな問題ではない。だが、IntelやAMDが提供する最大18コアのトップエンドCPUを検討すると、Windows Serverのライセンスコストはすぐに跳ね上がってしまう。
サーバOS市場におけるMicrosoftの独占的な支配力を考えると、今回のライセンス体系の変更を機に、IntelとAMDは製品ロードマップを見直すかもしれない。何しろ、顧客企業はソフトウェアライセンスコストを抑えるのに必死だ。Intelに有利な状況としては、同社の「ハイパースレッディング」技術がある。1つのコアをあたかも2つのプロセッサであるかのように機能できる技術だ。少なくとも現時点では、この技術を使ってもWindows Serverで追加のライセンス料を支払う必要はない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ゾーホージャパン株式会社] サイバー攻撃からネットワークを守る上で確実に押さえておきたいポイントとは? -
事例
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 中小企業でも安心して活用できる「手ごろなSOCサービス」とは? -
製品資料
[株式会社シーイーシー] 脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力 -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] 動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
3
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
4
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
5
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
6
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
9
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
10
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー