機械学習で複雑怪奇なネットワークに立ち向かえ
「ネットワーク監視分析アプライアンス」はネットワーク管理の救世主となるか(1/2 ページ)
規模が巨大になりアクセスユーザーが膨大になると、そのネットワーク管理は人知を超えた次元に突入する。グローバル企業や行政機関では既に現実となったこの問題を解決するニッチな製品を検証する。
データセンターの運用が複雑さを増しつつある。理由は幾つかあるが、業務の拡張や変更に合わせてアプリケーションを拡張し更新してきた結果、サーバに仮想マシンやコンテナが乱雑に存在することになったことが大きい。
サーバ内の仮想マシンやコンテナは互いに関係を持ちながら複雑に動作するため、ひとたび問題が発生するとその原因の発見が難しい。さらにアプリケーションのパブリッククラウド移管や企業の買収や合併による組織変更でも、サーバ内の仮想マシンやコンテナは無秩序に増殖していく。
企業のIT管理者からすれば、カバーすべき範囲は広がり、ネットワークが日々変化していることも状況把握を難しくしている。
セキュリティ対策も考慮すれば、こうしたネットワークやアプリケーションの動きを可視化し、逐次のトラブル解決だけでなく、問題が発生する兆候を把握して未然に防ぐことも重要となる。そして、何より導入から運用開始まで労力も時間もかからない“ターンキー”型の「ネットワーク監視分析アプライアンス」を関係者、ことデータセンター管理者は強く望んでいる。
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研究が進むデータセンターと機械学習
ネットワーク監視分析アプライアンスで大規模ネットワークの問題を解決できるか?
“ターンキー”(Turnkey)とは、装置を設置して電源を投入すれば、すぐに利用できる仕組みを指す言葉だ。例えば最新のフルラックサイズアプライアンスでは、機械学習やリアルタイム解析の仕組みを備え、データセンター内のネットワーク情報を収集して自動で分析する。
このようなアプライアンスでは、情報収集において「エージェント」と呼ぶモジュールを「ネットワークの終端」(エンドポイント)と「中継地点」に配置する。エンドポイントに配置するエージェントは、物理サーバまたは仮想サーバにインストールするソフトウェアベースの製品だ。WindowsまたはLinuxで動作してアプリケーションの動きを監視する。
中継地点に配置するエージェントは、IPパケットを中継する「スイッチ」に配置するハードウェアベースの製品だ。最近では、スイッチの内部に実装したASIC(特定用途向けIC)が情報を収集し、1秒間に最大100万件のフローを監視できる製品も登場している。
ここで収集する情報はネットワークを流れるデータそのものではなく、どのアプリケーション同士が通信を行い、どのようにパケットが流れたかという通信記録だ。これをデータセンター運用管理のアプライアンスが収集して、リアルタイムで通信の挙動を監視することで、アプリケーションの相関関係を自動的にマッピングして分かりやすい形で図示できる。問題が発生した場合にも、データを詳細に分析してネットワークのボトルネックを発見できる他、それまで蓄積したデータによる機械学習で問題発生を事前予測することも可能だ。
「ターンキー」アプライアンスの特徴は、導入するだけですぐ使えるように、情報の自動収集やネットワーク構成の把握など、ネットワーク管理で必要になる処理をある程度自動化している点にある。巨大なアプライアンス導入というハードルはあるものの、複雑化した巨大なデータセンターに接続するだけでネットワークのパフォーマンスやセキュリティに関する諸問題の発見に役立つ製品は意外と少ない。Cisco Systemsが2016年7月に発表した「Tetration Analytics」は、その数少ない製品の1つといえる。過去の収集データを全て時系列に保存して参照可能など、大規模なデータセンターのみをターゲットにした製品構成だ。Cisco Systemsでは、将来的にバリエーションを増やして中小規模のネットワークでも利用可能な仕組みを模索しているという。
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