日本では2020年度後半以降に終了
企業はISDNサービス終了に備えよ、IoT時代へ向けた8つのステップ(1/2 ページ)
ISDNは近い将来にサービスが終了することが明らかだ。企業は適切な代替技術を見つけ、IoT時代に向けて通信の信頼性と安全性を確保する必要がある。
ISDNは近い将来にサービスが終了することが明らかになっており、適切な代わりの選択肢を今のうちに見つけておく必要がある。オールIPはかなりバランスの取れた代替技術だ。VoIP(Voice over IP)は電話業界では、安定した経済的な選択肢になる。だが、モバイル通信を検討すべき分野もある。その最たるものが、IoTデバイスが使用され、データ通信において信頼性と安全性が最も重視される分野だ(編注:日本でも2020年度後半以降にISDNのデータ通信サービス《INSネット ディジタル通信モード》が終了予定)。
ISDNとは
ISDN(Integrated Services Digital Network)は、銅線電話ケーブルでデジタル信号(通常は音声とデータ)を伝送可能にする技術だ。ドイツでは1990年代初めに広く普及し、ISDNサービス加入件数は1278万に達した。
ISDNには、基本速度インタフェース(BRI:Basic Rate Interface)と一次群速度インタフェース(PRI:Primary Rate Interface)の2種類がある。自動電話ステーションを使うときはどちらでも開始できる。BRIは2つのBチャネルしか提供しないが、PRIは30(※)のBチャネルを提供する。ISDNのBチャネルはデータ通信用のチャネルを指す。このチャネルでは音声またはデータ(FAXやインターネットなど)の通信が可能だ。
※ 欧州とオーストラリア。日本と北米は23または24。
デジタル化のメリットは、何よりもデータ通信の高速化とチャネル数の増加、そして音質の向上だった。電話に幾つかの電話番号を割り当てることもできた。さらにIoTデバイスを緊急電源モードで使うこともできる。この場合、電流は電話ステーションで提供される。停電時にも緊急通報をはじめ、IoTデバイスの通信は可能だ。
ISDNサービスの終了時期
欧州の多くの事業者は、2018年末までにISDNサービスを終了すると発表している。これらの事業者は高コストを理由に、2015年に契約の終了を予告済みだ。移行期間もISDNをサポートする意向を表明した事業者は、Vodafone(2022年まで)など数社にとどまる。だが、個人顧客と多くの企業顧客が今もISDNを利用している。
VoIPへの移行
電話業界は現在、ISDNからVoIPに移行中だ。音声はISDNではデジタル形式で伝送されており、イントラネットやインターネット経由でも同じように伝送できる。VoIPでは通常、インターネットのために使われてきたのと同じ接続が使われる。
だが、特に信号装置(警報、緊急通報など)やエレベーター、古いPOSシステムなどのプロセス管理をIPに移行すると、データ伝送に支障が生じることが多い。
適用されるソフトウェアに合わせてIP機器を切り替える必要がある場合、企業規模によっては、コストが1000ユーロを超えるかもしれない。しかも、VoIPシステムには、信頼性が不十分なことが多いという問題もある。
VoIPのメリットとデメリット
VoIPのメリットの1つは、追加チャネルによって容易に拡張できることだ。これらのチャネルは多くの場合、直ちに接続できる。これに対し、ISDNでは、それぞれ30チャネルを持つPRIの新規接続は、その都度電話事業者を通じて有料で行わなければならない。そのため、アクセスコストがSIP(セッション確立プロトコル)よりも大幅に高い。
また、IP技術は、進化とともにノイズの影響を受けやすくなっている。電話接続が途切れることはめったにないが、インターネット接続が中断することは珍しくない。複雑化しているからだ。SIPは、もともとの構造的な複雑さに拍車を掛ける。サーバ(不調になる可能性もある)の追加を伴うためだ。このことは動作の安定性に悪影響を与える可能性があり、明らかにその低下につながっている。
ISDNに代わる選択肢
| メリット | デメリット | ||
|---|---|---|---|
| テレフォニー(音声) | VoIP | ・ISDNより安価 ・拡張が容易 任意のインターネット接続で利用可能 |
・インターネット接続が必要 |
| モバイル通信 | ・場所に縛られない | ・カバーエリア内でのみ利用可能 | |
| テレフォニー(オプションサービス:FAX、警報システム) | インターネットサービス(FAXなど) | ・都市部の電話網に匹敵する信頼性 | ・事業者によって品質のばらつきが大きい ・インターネット接続が必要 |
| VoIP | ・老朽化したハードウェアが引き続き使える ・ISDNより安価 ・拡張が容易 ・任意のインターネット接続で利用可能 |
・データ圧縮により問題が生じることが多い ・インターネット接続が必要 |
|
| 少量のデータ/高い可用性 | 一般的なモバイル通信契約 | ・場所に縛られない | ・データ量が少ないとコスト高になりがち ・カバーエリア内でのみ利用可能 |
| IoTデバイス(M2M用マルチネットワークSIMカード搭載) | ・場所に縛られない ・低いデータレートで高い経済性 ・異種ネットワークによる確実なフェイルオーバー |
・データ量が多いとコスト高 ・カバーエリア内(いずれかのネットワークの)でのみ利用可能 |
|
| 信頼性の高いインターネットアクセス | ・場所によっては高いデータレートと無制限プランが可能 | ・高いアクセス料金 ・場所に縛られる |
|
| 大量のデータ | 一般的なモバイル通信契約 | ・場所に縛られない ・データ量が多いと容量単価が割安 |
・データ量が少ないとコスト高になりがち ・カバーエリア内でのみ利用可能 |
| 信頼性の高いインターネットアクセス | ・場所によっては高いデータレートと無制限プランが可能 | ・高いアクセス料金 ・場所に縛られる |
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