支持政党や年齢で意見が真っ二つ
政府による「暗号化通信」の解読は許してもよいのか?
「連邦政府のデータセキュリティは信頼できるか」「政府は犯罪捜査の一環として、暗号化通信を解読できるべきか」。米国の意見が大きく割れている。
調査機関Pew Research Centerが最近発表した報告書によると、米成人の約半数が、連邦政府による個人データ管理のセキュリティを信頼していない。政府が犯罪捜査の過程で暗号化通信を解読する権限の是非についても、米成人の意見は真っ二つに分かれている。
この報告書「Americans and Cybersecurity」(米成人とサイバーセキュリティ)は、2016年3月30日~5月3日に米国在住の成人1000人強を対象にした調査の結果をまとめたもの。公的機関と民間企業(携帯電話メーカーやクレジットカード会社、メールプロバイダーなど)のセキュリティに対する米成人の信頼が揺らいでいることを明らかにした。
併せて読みたいお薦め記事
「FBI vs. Apple」を振り返る
- FBIがiPhoneのロック解除、それでも「勝者はApple」との声も
- 「Apple vs. FBI」で起こり得るプライバシー懸念にCIOが震えている
- Apple ティム・クックCEOが裁判所の命令を拒否してまで守りたかったもの
トランプ大統領のITへの向き合い方
政府のデータ保護力は「信用できない」?
中でも、連邦政府のセキュリティへの信頼は格段に低い。回答者の28%が、連邦政府が個人データを安全に保持できるとは「全く信じていない」と答えている。連邦政府のこうしたセキュリティ能力を「強く信じている」回答者は12%にとどまる。
「何らかの形でデータを盗まれて実害を受けた人は、その経験と関係があった組織をあまり信頼していない傾向がある」と報告書は指摘する。米成人の64%が、何らかの手口(クレジットカードの不正使用や口座番号の侵害など)で個人データを盗まれたことがあるという。この事実と、特定の種類の組織に対する信頼度の低さには相関がある、というわけだ。
もう1つの注目すべき調査結果が、「政府が犯罪捜査の際に、暗号化された通信を解読する権限を持つべきか否か」に関する米成人の見解である。回答傾向は年齢や支持政党によって異なるが、全体的に、この問題についての米成人の意見は依然として割れている。
回答者の46%は、「政府は暗号化通信を解読する権限を持つべき」と考えている。44%は、「IT企業は、政府が解読できない暗号化技術を使用できなければならない」と考えている。ドナルド・トランプ大統領誕生で政権を握った、共和党の支持者や高齢の成人は前者、民主党支持者や若い成人は後者を支持する傾向がある。
「暗号化の問題、具体的には『政府が犯罪捜査の過程で暗号化通信を傍受、解読することが、法的に可能であるべきかどうか』は、長年にわたって大きな議論を呼んできたトピックだ。個人のプライバシーの問題と、デジタル時代における法執行上の必要性の間での適切なバランスをめぐって、今も議論が続いている」。報告書はこう述べている。
この調査がなされた2016年3~5月は、暗号化をめぐる議論が特に注目されていた時期の直後に当たる。その背景には、米カリフォルニア州サンバーナディーノで銃乱射事件が発生し、その捜査が行われる中で、Appleと米連邦捜査局(FBI)の対立が法廷闘争に発展していたことが挙げられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
5
AIインフラの理想形? 「5層のケーキ」を垂直統合するための近道とは
-
6
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
7
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
多品種小ロットの「手書き・配合ミス」を克服 キャニオンスパイスの食品工場DX
-
10
「AI活用」を掲げた年金刷新が炎上 英政府が大手ITアウトソースを切り捨て「内製回帰」した理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー