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診療予約システムは「待ち時間ゼロ」の武器、診療所の待ち時間と集患の深い関係
「混雑するほど人気の診療所だから待つのは仕方ない」とはいっても、隣に待ち時間ゼロの診療所が並んでいたら、待ち時間ゼロの方に行きたくなるのが人情。だからこそ診療予約システムは集患の武器になります。
前回「『診療所探しは検索サイトで』な時代の診療所経営に必要なIT」では、集患におけるインターネットの重要性を解説しました。今回は“IT武装”による集患効果の第2弾として、待ち時間と診療予約システム、そして集患の関係について解説します。
待ち時間と集患の関係
診療所の経営者は「待ち時間」と「集患」には関係がないものと考えがちです。「混雑しているから待ち時間が発生する」と考えている診療所にとっては、これ以上患者を集める必要がないため、集患を重要視しない場合があります。患者が多いから、待ち時間が長くなることはやむを得ないと思っているのかもしれません。
しかしながら、待ち時間の長さは確実に、集患にとってマイナス効果となっています。待ち時間の長い診療所は、知らず知らずのうちに、混雑を嫌う患者や新規患者を失っている可能性があるのです。診療所も患者も一緒に歳を取ります。当たり前のことですが、現在の70代は10年後には80代になります。今いる患者も加齢とともに通院がままならなくなったり、寿命を迎えたりして、いずれは来院しなくなります。何もアクションを起こさなければ、徐々に患者は減っていくのです。
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待ち時間は患者と受付スタッフのストレス
現状の混雑状況を見過ごしていると、徐々に患者のストレスがたまり、いずれ不満につながります。受付スタッフも、患者の不満のはけ口にされてしまうと、同様にストレスがたまり、患者の対応にも影響が生じます。そして地域に新しい診療所が出現すると、一気に患者のシフト(移動、転院)が起こり得ます。その状況が訪れてしまっては手遅れです。
新規開業の診療所にとっては、周囲に待ち時間の長い診療所があることはチャンスです。もし患者を集めようと考えるなら、地域の混雑状況を下調べし、「待ち時間ゼロ」の診療所を目指せばいいのです。
インターネットの普及で現代人はせっかちに
インターネットの普及は私たちの生活において、利便性と引き換えに「時間に対する意識改革」をもたらしました。簡単に言えば、社会全体が「せっかち」になりました。そんな社会に生活している現代人は昔ほど、待ち時間に寛容ではいられなくなったように感じます。「待つ」という忍耐力が減少している、と言い換えることもできるでしょう。東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン、話題のレストランなど、希少性がある場所でないと、混雑に耐えて待つことは難しいかもしれません。
「待ち時間ゼロ」が武器になる
さて、診療所に話を戻しましょう。そんなせっかちな現代人は、医療サービスのレベルが均一で、診療科も費用も一緒ならば、きっと待ち時間の少ない医療機関か、予約時間通りに診てくれる診療所を選ぶことでしょう。診療所にも都心部を中心に競争原理が働きつつあります。
一方で、待ち時間が長い診療所はいまだたくさん存在しています。このような患者の期待と診療所の現実のミスマッチを埋めることができれば、患者獲得につながるのです。「待ち時間がゼロ」が実現できれば武器になります。
診療予約システムにより「待ち時間の平準化」を進める
待ち時間の原因の1つに「患者の来院集中」が挙げられます。患者の来院集中を緩和することができれば、待ち時間は減少します。
具体的な対策としては、混雑する時間や曜日を診療所が把握して、空いている時間帯へ患者の移動を促すことです。こうすれば患者の来院を平準化することができるでしょう。その対策ツールとしては、順番予約システムや時間予約システムがあります。
診療所の間では、順番予約システムを導入する機運が高まっています。順番予約システムは、Webサイトを介して患者が混雑状況を把握することができるため、来院の平準化につながります。
時間予約システムの場合は、予約なしの患者数が多い曜日や時間帯は予約枠を少なく設定し、患者数が少ない曜日や時間帯は予約枠を多く設定します。このように予約枠を調整することで、曜日、時間帯ごとの患者数はある程度平準化され、待ち時間を短縮する効果が期待できます。
かつては患者自身がインターネットに慣れていなかったため、順番予約システムや時間予約システムはそれほど普及が進みませんでしたが、現在ではインターネットの一般化、スマートフォンの普及などにより、急速に導入が進んでいる印象です。
次回は、医療機関のIT武装による集患効果(商圏拡大)としての「遠隔診療サービス」活用を考えます。
著者紹介
大西大輔(おおにし・だいすけ)MICTコンサルティング
一橋大学大学院MBAコース修了。医療コンサルティング大手に入社。2002年に医療IT機器の常設展示場「MEDiPlaza」を立ち上げ、企画運営、スタッフ指導、拠点管理などを担当。2016年10月に医療ICT専門コンサルタントとして独立し、MICTコンサルティングを設立。医療機関向けシステムの開発アドバイス、導入アドバイス、医療IT人材の育成などを行う。過去2000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、公的団体を中心に講演を多数実施している。
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