利用シーンやメリットを比較
注目すべきオープンソースのクラウド監視ツール5選
オープンソースのクラウド監視ツールは、ベンダーのネイティブオプションよりも多くのメリットをもたらす可能性がある。本稿で紹介する5つのツールを確認して、自社のクラウド戦略に最適なツールを見極めてほしい。
オープンソースソフトウェアのエコシステムはより大きく、そしてより良いものへと成長してきている。クラウド監視ツールも例外ではない。2019年、クラウドアプリケーションを監視するオープンソースツールについては、幅広い選択肢が用意されるだろう。
これは開発者や管理者にとっては朗報だ。Amazon Web Services(AWS)の「AWS」やMicrosoftの「Microsoft Azure」などのパブリッククラウドで利用できるネイティブな監視ツールは、クラウドアプリを適切に監視・管理するには不十分な場合があるためだ。特にマルチクラウド環境やプライベートクラウド環境では、機能が不足しているケースが少なくない。
あまり知られていないツールから、開発者が既に把握、使用しているツールまで選択肢は幅広い。そこで本稿では、2019年に検討すべき5つのオープンソースクラウド監視ツールに目を向けたい。
Riemann
「Riemann」は、分散型アプリケーションと分散型インフラを監視するための、シンプルなオープンソースソフトウェアだ。監視対象としてさまざまな種類のイベントを定義できるだけでなく、特定の種類のイベントが発生した際にアラートを発するような一連の動作も定義できる。イベントに関するアラートを電子メールやSlackで発信するよう設定することも可能だ。
Riemannは、監視対象であるサービス全てについてインデックスを作成し、そのデータを視覚化するダッシュボードを提供する。オープンソースのデータ可視化ツール「Grafana」など、サードパーティー製の分析ツールとRiemannのデータを連携させられる。
開発者によっては、Riemannのネイティブ機能セットが少し物足りないと感じるかもしれない。例えばダッシュボードのカスタマイズの余地はあまりない。これに関しては、カスタマイズ性が高い外部ツールにRiemannを統合させることで解決できる。
cAdvisor
一見の価値があるオープンソース監視ツールの一つに、Googleの「cAdvisor」がある。cAdvisorとは「Container Advisor」の略だ。cAdvisorは、コンテナ化したアプリケーションを監視するために開発された最初のオープンソースツールの一つだ。cAdvisor自体がコンテナとして実行されるため、ユーザーはcAdvisor用のコンテナを作成する必要がある。
cAdvisorでは、ブラウザベースのグラフィカルインタフェースを使ってデータを観察できる。このデータ分析ツールはコマンドラインから設定変更できる。一部の商用クラウド監視ツールと比べると、cAdvisorの機能は基本的なものに見えるかもしれない。しかし「Docker」を使用しクラウドでアプリケーションをホストしている開発チームにとっては、コンテナ監視に特化した唯一のオープンソース監視ツールとして一見の価値がある。
Elasticsearch
大量のデータから目的の情報を検索するためのオープンソースツール「Elasticsearch」は、既に一部の企業ではよく知られている。
Elasticsearchは必ずしもクラウド監視ツールに属するとはいえないが、その検索機能は監視ツールとしても重宝する可能性がある。Elasticsearchで処理する監視データを収集して可視化するには、KibanaやLogstashなどの他のオープンソースツールと連携させなければならない。しかしながらElasticsearchは、管理者や開発者がクラウド監視データへの理解を深められる強力な検索機能を提供する。加えてスケーラビリティが極めて高い設計なので、ツールセットを変更することなくさまざまな規模のアプリケーションインスタンスを監視できる。
他の監視ツールと共に使用する場合、Elasticsearchは統合ログ管理ツール「Splunk」の代わりになるオープンソースツールだ。ElasticsearchがSplunkの完全な代用になるわけではないが、実用的で低コストの代替ツールになる可能性はある。
Graphite
「Graphite」は、クラウドアプリとインフラの監視に役立つオープンソースの監視ツールだ。このツールは既に支持を得ており、2019年もその人気は続くだろう。
Graphiteの機能範囲はかなり狭い。ユーザーが時系列にデータを取得して、それを可視化できるようにする。データの収集や保存は実行できないが、Riemannなどの各種ツールとGraphiteを統合して、こうしたタスクの一部を実行できる。Graphiteはオールインワンのクラウドアプリ監視ツールではないものの、データ監視のためのシンプルかつ拡張性が高い可視化ツールとして機能する。
Prometheus
「Prometheus」は、オープンソースのクラウド監視ツールの中でも、管理者や開発者に比較的浸透しているツールの一つだ。
Prometheusは充実した機能と、幅広いカスタマイズオプションを提供する。Grafanaなどのサードパーティー製ツールと連携可能で、ネイティブな可視化エンジンも利用できる。データを外部ツールに送信するAPIを使えば、ユーザーは「PromQL」という独自のクエリ言語を使用して解釈用に監視データを準備できる。
Prometheusは現状利用できるオープンソースのクラウド監視ツールの中で、最も強固なツールの一つである一方、特定の操作を実行できない。例えばPrometheusはログ管理ツールではないし、自動異常検出機能もない。ネイティブな可視化表現は比較的基本的なものだ。しかし他のツールと連携させることで利用できる可視化オプションを拡張できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー